[レビュー] 夏色キセキ 第3巻 （ヤングガンガンコミックス）

夏色キセキ コミックス 第3巻（最終巻）

「夏色キセキ」コミックス第3巻は2013年3月に発売されました。もう1年半ぐらい前なんですね。

概要

カバー（表・帯なし）	カバー（裏・帯なし）	総扉ページ
オーディションへ出発＠下田駅	ちび紗季のヌンチャク	劇中の記念写真いろいろ

紗季の転校を知った翌日から、たくさんの不思議な体験をした４人。
笑い、怒り、喜び、時に涙して、楽しい毎日を過ごしていた。
だが確実に迫る別れに際して、みんなが取った行動は…。
奇跡のひと夏は終わっても、
４人が紡ぐキセキはどこまでも――

（カバー裏側のテキストから引用）

この第3巻でマンガ版「夏色キセキ」は最終巻となります。第1巻、第2巻同様、コミカライズは斯くあるべしという、実にすばらっ！な内容です。

マンガ版とアニメの対応は下表のとおり。アニメ中盤と終盤のエピソードがコミカライズされています。マンガ版では一部エピソードの順番が入れ替えられ、八丈島へ旅行する話（第8話「ゆううつフォートリップス」、第9話「旅のソラのさきのさき」）は第2巻の方で先に描かれました。

マンガ版		アニメ		備考
話数	サブタイトル	話数	サブタイトル
kiseki 16	足りない手、タリナイ服	第6話	夏海のダブルス	アニメのAパートに相当
kiseki 17	夏海のダブルス			アニメのBパートに相当
kiseki 18	雨にオネガイ	第7話	雨にオネガイ	アニメのED（歌うシーン）とCパートの一部は省略
kiseki 19	たいふうユーレイ	第10話	たいふうゆうれい、 今日のオモイデ	アニメのAパートに相当（終盤除く）
kiseki 20	いつかアノすがた			アニメのAパート終盤、Bパートに相当
kiseki 21	東京シンデレラツアー	第11話	当たって砕けろ！ 東京シンデレラツアー	アニメのAパート、Bパート前半に相当
kiseki 22	終わらないナツヤスミ			アニメのBパート後半、Cパート※に相当
		第12話 （最終回）	終わらないナツヤスミ	アニメのAパートに相当
Final episode	夏色キセキ			アニメのBパートに相当
After story	15回目のナツヤスミ	アフター ストーリー	15回目のナツヤスミ	BD7巻（完全生産限定版）に収録
omake	アナタに逢えたら	-	-

※アニメ第11話のCパートは、第12話OP前のアバンタイトルで繰り返しています。

アニメの中で唯一マンガ化されなかったのは第3話「下田ではトキドキ少女は空をとぶ」です。たつひこ先生も気にしているらしく、コミックス第3巻の本体表紙に「祐介君出番削ってごめん！※アニメ3話を見てね」と書かれていました。

各話の感想

各話の簡単な感想です。冒頭部のあらすじも書いておきました。ストーリーはアニメ準拠ですが、順番を入れ替えた話があるので、部分的に異なる描写があります。また、たつひこ先生独自の解釈で、セリフの主が変更されているケースもあります。

kiseki 16 「足りない手、タリナイ服」	kiseki 19 「たいふうユーレイ」	kiseki22 「終わらないナツヤスミ」
夏海が二人に…	紗季(左)の前に ちび紗季(右)が現れる	二度目の昨日

kiseki16「足りない手、タリナイ服」 ～ kiseki17「夏海のダブルス」

• 家事、部活、夏休みの宿題などで大忙しの夏海。そんな彼女を助けようと、優香たちは御石様に願いを託す。その結果、夏海が二人に分裂してしまい・・・。
• アニメ第6話を2回に分け、コミカライズしています。さり気なく全裸の夏海が描かれていますが、ぶっちゃけエロスが足りない。上から77・59・78の発展途上ボディだから仕方ないか…。余白ページ（P.53)に描かれている描き下ろしの１コマが面白いですね。石田＆浅野（元テニス部の先輩）がいかにも言いそうなセリフですのだ。この１コマだけ見ても、たつひこ先生の作品愛がよくわかります。

kiseki18「雨にオネガイ」

• 下田の太鼓祭りの日がやってきた。のど自慢大会に向けてダンスの練習に励む４人。しかし優香がミスを連発し、あげくの果てに御石様の力を使おうと言いだし、夏海の怒りを買ってしまう・・・。
• アニメ第7話のエピソードです。アニメには夏海たち４人が「のど自慢大会」で歌うシーンがありましたが、マンガ版では省略されました。それでもマンガならではの余韻のある終わり方になっています。

kiseki19「たいふうユーレイ」 ～ kiseki20「いつかアノすがた」

• 夏休みのある日、下田に台風が接近。夏海たちは4年前の台風の日に起きた幽霊事件を思い出すが、記憶がバラバラで一致しない。そこで誰の記憶が正しいのか確認するため御石様にお願いするが、4年前の自分たちが現れて・・・。
• 個人的に一番好きなアニメ第10話を2回に分けて描いています。コミカライズされて良かった～。余白ページ（P.126）の1コマ（エピローグ的な追加オチ）にはニヤリ。優香と凛子の関係をよく分かってらっしゃる。

kiseki21「東京シンデレラツアー」 ～ Final episode「夏色キセキ」

• 夏休み終盤の8月26日。優香がエントリーしたアイドルオーディションを受けるため、東京の審査会場に来た４人。しかし肝心のダンス審査で優香が失敗してしまう。夏海たちは落ち込む優香を励まし、紗季は転校してもまたオーディションを受けようと約束する。そんな中、凛子が「夏休み終わんないといいのに」とつぶやき・・・。
• アニメの第11話～第12話（最終回）をマンガ版では3回に分けて描いています。そのためkiseki21はアニメ第11話のAパート＋Bパート前半、kiseki22は第11話のBパート後半＋Cパート＋第12話のAパート、Final episode は第12話のBパートという変則的なフォーマットです。
• ストーリーはアニメ準拠ですが、セリフの主が変更されている場面があります。アニメでは紗季と凛子のセリフでしたが、マンガ版では優香ひとりのセリフに変更されているのです。どの場面なのかはアニメと見比べればすぐ分かりますよ。アニメの優香は終始パニクっていましたが、マンガ版ではここ一番で良いこと言ったって感じです。アニメもマンガ版も、どっちもありかな。
• Final episodeには、中盤から終盤にかけてマンガ版オリジナルの描写があり、これが実にすばらしい。アニメでは描かれなかっただけで、実はループ最後の夜に、こんなシーンがあったんじゃないかと思わせるような内容です。ネタバレになるので詳細は書きませんが、前述のセリフ変更同様、優香の株が上がりましたね。

After story「15回目のナツヤスミ」

• 紗季が引っ越してから4年後の夏休み、再び御石様の前に集まった夏海たち４人。全員進路を決める高校3年生になり、紗季は医学部志望。凛子は民俗学に興味を持ち、大学で学びたいという。優香はオーディションに合格し、既にローカル局でタレント活動中。そんな３人とは対照的に、夏海は進みたい道が分からず、テニス推薦で大学進学するべきかどうか迷っていた・・・。
• BD7巻（完全生産限定版）に収録されている特典映像をマンガ化したものです。サブタイトルの「15回目のナツヤスミ」というのは、アニメの第1話「11回目のナツヤスミ」から4年後ということでしょう。アニメ同様、キャラの外観は４年分 性徴 成長していますが、凛子はマンガ版の方が大人っぽく描かれていますね。

omake「アナタに逢えたら」

• おまけマンガです。夏海たち４人が、伊豆急と下田ロープウエイの車内アナウンスを担当することになった経緯を描いたものです。当初は２人という設定だったのか！凛子は相変わらず、優香のわがままに巻き込まれています。

良コミカライズの見本のような作品なので、「夏色キセキ」ファンには激しくオススメですよ！

単行本情報

著者	漫画：たつひこ　原作・原案「夏色キセキ」製作委員会
出版社	スクウェア・エニックス
発売日	2013年03月25日
総ページ数	228頁（表1～4を除く）
判サイズ	B6（18.2 × 13.0 cm）
ISBN	978-4-7575-3914-3
定価	533円（本体）別途消費税がかかります
初出	ヤングガンガン 平成24年20号～24号、平成25年2号～4号、7号

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関連サイト

■ 夏色キセキ （アニメ公式）
■ アニメ　夏色キセキ （BS11）
■ 夏色キセキ 番組サイト （MBS/毎日放送）
■ アニメ「夏色キセキ」 （TOKYO MX）
■ 夏色キセキ 作品紹介 ヤングガンガン （SQUARE ENIX）
■ 夏色キセキ駅長 - 伊豆急「オモシロ駅長」情報！ （伊豆急）
■ 夏色キセキ （Wikipedia）

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