画像編集ソフトFireworksで水玉グラデーションを作る方法
画像編集ソフト Fireworksで水玉グラデーション(ドットグラデーション)を作る方法です。Photoshopでの作り方を解説しているサイトは多数ありますが、Fireworksに関しては無さそうなので記事にしてみました。
はじめに
水玉グラデーションとは
水玉グラデーションというのはアニメや漫画の背景などでよく見かける、水玉が徐々に小さくなるグラデーションのことです(図1)。ドットグラデーションと呼ばれることもあります。
【図1】水玉グラデションの例(Fireworks MX 2004で作成しました)
Fireworksで水玉グラデーションを作るには
Photoshopではカラーハーフトーンの機能を使って簡単に作れるのですが、筆者が使っているFireworks MX 2004には該当する機能がありません※。FireworksはWeb用の画像を効率よく作成・出力するためのソフトなので、機能はPhotoshopほど豊富じゃないんですよね・・・。
でも諦めるのは早計です。実は、とあるフリーウェアのプラグインを追加することで、Fireworksでも水玉グラデーションを作れちゃうんですよ!(ニッコリ)
プラグインを追加
必要となるプラグインはPhotoshopのプラグインです。FireworksはPhotoshopのプラグインをほとんど使うことができ、今回ご紹介する「AmiTone」もPhotoshopのプラグインです。同様のプラグインは多々ありますが、いろいろ試した結果、このAmiToneが水玉グラデーションの作成に最適でした。
この記事の例題ではFireworks MX 2004を使用していますが、他のバージョンでも動作可能と思われます(後日確認したらFireworks CS6でも動作しました)。お約束ですが、プラグインの導入は個人の判断・責任で行ってください。 何らかのトラブルが発生しても、当ブログは責任を負えません。また、使用する際はプラグインに同梱されているライセンスの内容に従ってください。
ダウンロード
まず下記のサイトにアクセスします。ページ中央付近にZIPファイルのURLがあるので、クリックしてダウンロードしてください。
AmiTone (ReddogさんのPhotoshopフィルタープラグイン公開サイト)
インストール
①Fireworksを起動していたら、いったん終了してください。
②ダウンロードしたZIPファイルを解凍します。解凍すると次の2つのファイルが現れます。説明テキストにはライセンス等が書かれているので、必ず目を通してください。
- プラグイン(AmiTone.8bf)
- 説明テキスト(AmiTone_readme.jp.txt)
③プラグイン(AmiTone.8bf)をFireworksのプラグインフォルダーにコピーします。Fireworks MX 2004で、OSがWindows7 64ビット版の場合は C:¥Program Files (x86)¥Macromedia¥Fireworks MX 2004¥Plug-Ins です。
④Fireworksを起動して、メニューバーの「フィルタ」の中に「ReddogPlug」→「AmiTone...」が追加されていることを確認してください。これでインストールは終了です(図2)。
【図2】追加されたAmiTone
※図説はしませんが、プロパティインスペクタの「エフェクト」にも「ReddogPlug」→「AmiTone...」が追加されます。
「AmiTone...」が表示されなかったりエラーメッセージ出た場合
AmiToneの動作には MSVCR71.dllというMicrosoft Visual C++ランタイムライブラリが必要です。
フィルタのメニューに「AmiTone...」が表示されなかったり、「MSVCR71.DLLが見つからない」というエラーメッセージが出た場合、お使いのパソコンに MSVCR71.dll が存在しないことになります。古いライブラリなので最新のWindowsには最初から含まれていないことがあるとかなんとか。
"MSVCR71.dll"で検索すれば配布サイトが出てくるので、ダウンロードしてインストールしてください。 マイクロソフト自身は配布していないので、ソフトウェアメーカーやITベンダー等のサイトで入手してください。
参考:MSVCR71.dll - マイクロソフト コミュニティ
水玉グラデーションの作り方
例題では、白黒グラデーションの矩形を使い説明します。グラデーションの種類は線形です。形状が円や多角形でも、グラデーションの種類が線形以外でも同じ方法で作成可能です。
①矩形ツールで四角いベクターオブジェクトを作り、プロパティインスペクタで色を白黒グラデーションにします(図3-1)。
【図3-1】白黒グラデーションの矩形を作成(クリックで拡大表示)
②矩形を選択した状態で「フィルタ」→「ReddogPlug」→「AmiTone...」を実行します(図3-2)。
【図3-2】「AmiTone」を選択
③「この操作はベクターをビットマップに変換します。」という警告ダイアログボックスが表示されます(図3-3)。無視して「OK」ボタンを押してください。警告ダイアログボックスが表示されなかった場合、そのまま④へ進みます。
【図3-3】警告ダイアログボックス
④AmiToneの設定ダイアログボックスが表示されます(図3-4)。表示されているパラメーターは全てデフォルト値(初期値)です。
【図3-4】AmiToneの設定ダイアログボックス
(デフォルト値)
⑤このダイアログボックスで網点の線数や濃度などを設定してください(図3-5)。設定を変更すると、ダイアログボックス内のプレビューに即座に反映されます。
【図3-5】AmiToneの設定ダイアログボックス
(赤いギザギザ線の部分は例題の変更箇所)
各パラメータの意味は下表のとおり。公式サイトや同梱の説明書に詳細情報が無いので一部は筆者の推測です。
パラメーター | 意味 | 備考 |
タイプ | ||
アミ1 | 通常のトーン | |
アミ2 | 途中でトーンが反転 | |
オプション | ||
DPI | Fireworksで設定した画像解像度 | 表示のみで変更できません |
線数 | 網点の細かさ | 数値が大きいほど網点が小さくなります |
角度1 | 赤(R)の角度(?) | |
角度2 | 緑(G)の角度(?) | |
角度3 | 青(B)の角度(?) | |
角度4 | アルファーチャンネル(A)の角度(?) | |
オフセットX | 網点の開始位置(X方向)をずらす | |
オフセットY | 網点の開始位置(Y方向)をずらす | |
アンチエイリアス | ||
アンチエイリアス | 網点の輪郭をなめらかにする | チェックしないとジャギーが出ます(チェック推奨) |
AA品質 | アンチエイリアスの品質 | 大きな数値ほど高品質(最大値16推奨) |
濃度調整 | ||
スケール | 網点のスケール | 線数を維持したまま網点の大きさを拡大できる |
濃度 | 網点の濃度 | マイナス値ほど密、プラス値ほど疎ら |
反転 | 網点と背景の色を反転 | |
濃度を正確に | 濃度が正確になる | 濃度分布が正確になる(チェック推奨) |
※設定を変更してもパラメーターは保存されません。次回表示した時には初期値に戻っています。必要に応じてパラメーターはメモしておいた方がいいです。
⑥パラメーターの設定が済んだら、AmiToneの設定ダイアログボックスの「OK」ボタンを押してください。水玉グラデーションが生成されました(図3-6)。
【図3-6】生成された水玉グラデーション
(クリックで拡大表示)
※矩形のサイズが大きいと処理に時間がかかります。場合によっては内部エラーが発生することもあります。筆者のPC環境(OS:Windows7 64ビット版、CPU:Intel Core-i3、メモリー:12GB)では3000×3000ピクセル以上の矩形でエラーになりました。
背景を透明化する
生成された水玉グラデーションの背景は白色です。このままだと扱いにくいので、透明にしてみましょう。
①ビットマップオブジェクト(水玉グラデーション)を選択した状態で、「フィルタ」→「その他」→「アルファーチャンネルに変換」を実行します(図4-1)。
【図4-1】「アルファーチャンネルに変換」を選択
②背景が透明化されました(図4-2)。
【図4-2】透明化された背景
(クリックで拡大表示)
ぱっと見、分かりにくいかもしれないので、下層レイヤーに確認用の星形オートシェイプを配置しました(図4-3)。水玉グラデーションの背景がバッチリ透明化されていますね。
【図4-3】確認のため下層レイヤーに星形オートシェイプを配置
(クリックで拡大表示)
水玉に色を塗る
例題で作った水玉は白黒ですが、水玉部分に色を塗ることもできます。この処理を行う前には、必ず背景を透明化しておいてください。背景が白色のままだと、矩形全体に色が塗られてしまいます。
①ビットマップオブジェクト(背景を透明化した水玉グラデーション)を選択し、プロパティインスペクタの「エフェクト」→「カラー調整」→「カラーの塗り」を実行します(図5-1)。
【図5-1】「カラーの塗り」を選択
②「カラーの塗り」のデフォルト色は赤なので、水玉部分が赤色に塗られました。背景の透明は維持されたままです(図5-2)。
★
【図5-2】赤く塗られた水玉
(クリックで拡大表示)
③赤以外の色に塗りたい場合は、プロパティインスペクタの「エフェクト」→「カラーの塗り」を選択し、カラーコードを変更します。図5-3は青に変更した例です。
【図5-3】水玉を青に変更
(クリックで拡大表示)
おわりに
ざっとこんな感じです。Fireworksユーザーとしては、Fireworksだけで作業を完結させたいので、プラグイン作成者のReddogさんに感謝!
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関連サイト
■ Photoshopフィルタープラグインの一覧 (Reddogさんのサイト)■ Fireworks MX 2004 リリースノート (Adobe Systems公式サイト)
■ Fireworks MX 2004 ドキュメンテーション (Adobe Systems公式サイト)
■ Adobe Fireworks (Wikipedia)
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