[レビュー] ガールズ&パンツァー リトルアーミー 第1巻 (アライブコミックス)
2012年12月08日 公開
10月23日にメディアファクトリーから発売されたガールズ&パンツァー リトルアーミー 第1巻 (アライブコミックス)のレビューです。
概要
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カバー(表・帯なし) | カバー(裏・帯なし) | 本体(表紙) | 本体(裏表紙) |
戦車×少女のハートフル・タンク・ストーリー
TVアニメ絶賛放送中!!
戦車道をたしなむ乙女たちの少女時代 を
公式コミカライズ!(帯・表側から引用)
- 本作は アニメ「ガールズ&パンツァー」の主人公・西住みほの小学時代を描いた、いわゆるサイドストーリーものです。物語や設定等はアニメの世界ともリンクしているもよう。この第1巻にはコミックアライブ2012年8月号~11月号に掲載された第01話~第04話が収録されてます。
- 著者(漫画)は槌居先生、原作はガールズ&パンツァー製作委員会。アニメで軍事考証を担当している鈴木貴昭氏と3DCG制作のグラフィニカが「協力」としてクレジットされてるじぇ。「あとがき」を読むと、西住姉妹以外のキャラは槌居先生のオリジナルとのこと。コミカライズ作品ですが、アニメをそのままマンガ化したわけではないため、漫画家さんに裁量が与えられているようです。もしかしたら、ストーリーにも槌居先生のアイデアが盛り込まれているのかも。
- 仕様はB6判・全164頁で、表紙カバーと巻頭の4ページはフルカラー印刷、それ以外はモノクロ印刷。カバーを外すと、本体の表紙側に小学時代の西住みほ殿、裏表紙側には現在(高校2年)の西住殿が描かれています。定価は524円(税別)です。
内容
主な登場人物とストーリーをざっとご紹介。感想も徒然なるままに書き綴っておきます。
主なキャラクター
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西住 みほ (にしずみ みほ) 本作の主人公。小学5年生※1の10歳。西住流戦車道家元の娘(次女)。アニメ同様、引っ込み思案でおっとりした性格だが、時と場合によっては熱くなることも・・・。 |
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柚本 瞳 (ゆずもと ひとみ) みほのクラスメイト。茶髪セミロングの女の子。千紘の親友で、千紘からは「ひーちゃん」と呼ばれている。人なつっこく、誰とでも仲良くなれる性格だが、ドジッ子属性あり。新しいもの好きで、興味の対象がコロコロ変わる。兄妹姉妹はなく一人っ子。戦車道は未経験。 |
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遊佐 千紘 (ゆさ ちひろ) 同じく、みほのクラスメイト。黒髪短髪で、左目の下にホクロがある。一人っ子で兄妹姉妹はいない。瞳とは幼稚園に入る前からの幼なじみで、瞳からは「ちーちゃん」と呼ばれている。自宅は瞳の家の隣にある。普段はサバサバした感じの娘だが、瞳が悪く言われると途端に熱くなる。戦車道は未経験だった。 |
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中須賀 エミ (なかすが えみ) 日独ハーフ(母親がドイツ人)で、赤髪ツインテールの女の子。みほたちのクラスメイトであるが、タカビーな態度をとるため クラスでは浮いた存在になっている。隣町に祖母の家があるらしい。エミには中学生の姉がいて、姉妹共々の戦車道の経験者。エミの姉とみほの姉には因縁があり、みほのことを敵対視するが・・・。 |
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西住 まほ (にしずみ まほ) みほの姉。中学1年生※2。戦車道の大会で優勝し、最優秀選手として表彰される。アニメではクールビューティーの印象が強いが、本作では優しいお姉ちゃんとして描かれている。 |
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菊代 (きくよ) 西住家の家政婦さん。フルネームは不明。みほのことを「みほお嬢様」と呼び、いつも気にかけている。 |
※1現在のみほは高校2年生だが、6年前の夏を振り返る設定なので、計算上は小学5年生となる。
※2小学校の教師(みほの担任)が、まほのことを「昨年の在校生」と言ってるため中1と思われる。アニメの西住姉妹は1歳違いの年子なので、槌居先生の勘違いか?
ストーリー & 感想
第01話 (頁数37/目次を除く)
- この物語は、主人公・西住みほが、6年前の出来事を振り返る場面からスタート。アニメでは 黒森峰在学中の敗戦を期に転校していたけど、本作を読むと小学時代にも何かあったもよう。みほのモノローグ(P.005)から推測するに、彼女が戦車を嫌いになった大元の理由は、小学生の時の出来事にありそうですね。
- 小学5年生の夏休み明け。みほの教室では、卒業生の西住まほが戦車道大会で優勝した件が紹介される。普段は目立たないみほだが、姉の活躍で一躍注目の的に!普段は話したことがない子まで声をかけてくれ、その中には柚本瞳、遊佐千紘の姿もあった。瞳と千紘は戦車に興味津々で、放課後、みほの家を訪れることになる。一方、対照的な態度をとったのは中須賀エミ。いつにも増してツンツンした感じで、みほに皮肉を浴びせやがります。ツンデレ娘のお約束ですね。
- みほの自宅(西住流戦車道家元)では、いきなりIV号戦車D型が登場(右図参照)。これは飾り物で動かない機体なんだけど、中に入った瞳と千紘は、ますます戦車に惹かれていく。この後、みほの指導のもと、現役運用中のIV号D型(別の機体)に乗り込み、運転することになる。ところが、練習中に予期せぬアクシデントが発生し・・・というお話。
- この第01話では、西住流の運転作法が語られています。アニメのみほが「戦車の運転は苦手」と言ってたけど、西住流の作法に原因があったのかもしれない。どんな方法なのかは、コミックスでご確認くだされ。
第02話 (頁数38)
- すっかり仲良しになった みほ、瞳、千紘。成り行きで巻き込まれたエミも加わり、戦車の練習を続けることになった。ところが練習当日になり、エミが口にした不用意な一言で、千紘とエミは喧嘩状態になってしまう(右図参照)。練習はお流れになり、一番楽しみにしていた瞳は涙目に・・・。みほも落ち込むが、昔、姉から聞いた言葉を思い出し、千紘とエミを仲直りさせようと決心する・・・というお話。
- 「戦車に乗っていいのは小学生になってから」という設定が登場。本作、リトルアーミーの大前提となる設定ですが、アニメでは明示されていなかったので、興味深いッスね。また、戦車道の本場ドイツでは、日常的に戦車で遊ぶのが普通らしい。いったいどんな光景なんだろう?
- 第02話には、みほの自宅の俯瞰図が登場ております。さすが戦車道家元といった感じで、かなりの大邸宅。アニメでも大きな門や、やたらと広い和室が出て来ましたが、ここまで大きな屋敷とは思わなかったじょ。
- ストーリーの方は部活系作品の王道。正確にいうと部活じゃないけど、放課後 仲間が集まって練習する話なので、部活系作品としておきますわ。日独混血の高飛車ツインテール娘が問題を起こし、雨降って地固まるという展開も既視感があるけど・・・、だがそこがイイ.ヽ(≧▽≦)ノ.
第03話 (頁数36)
- IV号D型で練習を重ねる4人。車長・みほ、運転手・エミ、砲手・千紘、装填手・瞳という役割分担もでき、チームワークも高まってきた。そんな中、みほが「チームマークを考えようよ」と提案(右図参照)。姉のチームにマークが付いていたので、自分たちのチームにも作りたくなったようだ。アニメを見ると、各戦車にはチームマークや校章が必ず付いているので、戦車道のお約束なんですかね?
- マーク作りに一番興味を示したのは、やっぱり瞳だった。やる気満々で大はしゃぎしちゃいます。ところが、瞳を見つめる千紘の表情は冴えない。その理由は翌日 明らかになるが・・・。
- 第03話は瞳ちゃんのお当番回で、部活系作品の王道展開 再び!少しネタバレになるけど、「ロウきゅーぶ!」の三沢真帆と逆のパターンですね。出来上がったチームマークはベタなデザインだけど、なかなかのなかなか。小学生にしては実にすばらっ!アニメのアンコウマークよりシャレオツじゃないか。
第04話 (頁数36)
- 放課後の教室でチームマークが決まり、再び結束を固めたみほたち。校舎を出て帰路に着くが、その途中で意外な人物と遭遇する。みほの姉にして戦車道大会・最優秀選手の西住まほだ(右図参照)。大会で夏休みが取れなかったため、学園の配慮で急遽2週間の休みをもらったという。みほは大喜びするが、それを見たエミは機嫌を損ねて立ち去ってしまう。翌日、みほは浮かれて大はしゃぎしたことをエミに謝罪。しかし、エミが思わず口に出した一言でとうとう喧嘩になり・・・。
- 第1巻収録エピソードは喧嘩の話が多く、第04話はみほとエリの対立です。この年頃の女の子にありがちな、ちょっとした感情のもつれが原因なので、見ていて微笑ましいですね。本人たちにしてみれば、大まじめなんでしょうが(苦笑)。なお、みほとエミの喧嘩は次のステップに進むキッカケにもなっていて、いよいよ本格的な戦車対戦が始まるもよう。第2巻が楽しみ!
おわりに
- 部活もの作品のセオリーでいうと、この第1巻は 部員(仲間)集めをして結束を固める段階。起承転結の「起」ですね。そのため戦車が活躍する場面はほとんどありません。逆に言うと、友情を育むエピソードに4話も使ってることになり、これは長期連載を見越した構成なのかも。
- 構成といえば、物語の山場がどうなるのかも気になりますね。やっぱり、小学生の戦車大会みたいな試合なんでしょうかね?戦車対戦は是非とも見てみたいけど、冒頭の西住殿のモノローグを見ると、この先 鬱展開がありそうなので、ちょっと心配。健気な小5の女の子たちに、いったい何が起こるのだろう?とにかく第2巻以降も目が離せません。
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関連サイト
■ ガールズ&パンツァー(GIRLS und PANZER) (アニメ公式)■ 月刊モデルグラフィックス2013年1月号 (アートボックス)
■ ガールズ&パンツァー 1 (MEDIA FACTORY / コミックフラッパー)
■ ガールズ&パンツァー リトルアーミー 1 (MEDIA FACTORY / コミックアライブ )
■ ガールズ&パンツァー (Wikipedia)
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