[レビュー] 夏色キセキ 第2巻 (ヤングガンガンコミックス)
「夏色キセキ」関連書籍のレビュー第4弾。今回は10月25日に発売された「夏色キセキ」第2巻 (ヤングガンガンコミックス)です。
概要
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カバー(表・帯なし) | カバー(裏・帯なし) | 本体(表紙) | 本体(裏表紙) |
御石様の力で「空を飛ぶ」という
不思議な体験をした夏海たち。
そんな出来事があっても、まだ仲直りしない夏海と紗季だったが、
今度は突然身体がくっついてしまい・・・!?
仲良し4人組が紡ぐ、ひと夏のキセキはまだまだ続く――(カバー裏側から引用)
- 本書はTVアニメ「夏色キセキ」のコミカライズ第2巻で、「ヤングガンガン」2012年11号~15号、17号~19号に掲載されたエピソードを収録しています。第1巻同様、原作・原案は「夏色キセキ」製作委員会、漫画は たつひこ先生が担当。判サイズはB6判、総ページ数は210頁、表紙カバー・総扉・目次はフルカラー印刷仕様。帯には名塚佳織さん(優香の姉・瑞帆役)の推薦文が印刷されてます。第1巻よりページ数が増えてますが、値段は533円(税別)に据え置かれてます。
- この第2巻も、単行本の表紙と裏表紙に4コマが印刷されてました。表紙の方は、たつひこ先生のエッセイ的な内容で、スフィアの話題。裏表紙の方には、マンガ本編で割愛された場面が描かれてます。アニメでは30秒程度の場面でも、マンガ化すると、けっこうページ数を使っちゃいますからね。
- 巻末のメッセージコーナーには、アニメのシリーズ構成を担当した浦畑達彦氏、キャラクターデザイン/総作画監督の田中雄一氏、たつひこ先生のお三方が登場。田中氏とたつひこ先生のページには描き下ろしイラストも掲載されております。
主な内容
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kiseki 8 「フタリはひとつ」 | kiseki 12 「夏風邪とクジラ」 | kiseki 14 「旅の空のサキのサキ」 |
御石様の力でくっついてしまった 夏海と紗季 |
仲良くなった時のことを思い出す 優香と凛子 |
紗季の引っ越し先の島に到着 旅館の娘は巨乳だった! |
- 第1巻にはマンガ版オリジナル・エピソード(前日談)がありましたが、この第2巻は全てアニメのエピソードです(下表参照)。紗季の魔女っ子話(アニメ・第3話「下田ではトキドキ少女は空をとぶ」)、夏海が二人に分裂する話(同・第6話「夏海のダブルス」)、のど自慢大会の話(同・第7話「雨にオネガイ」)は飛ばされてますが、アニメ第6話と第7話はヤングガンガン20号~22号でマンガ化されているので、順番の入れ替えがあるもよう。
マンガ版 | アニメ | 備考 | ||
話数 | サブタイトル | 話数 | サブタイトル | |
kiseki 8 | フタリはひとつ | 第2話 | ココロかさねて | アニメのAパート、Bパート冒頭に相当 |
kiseki 9 | ココロかさねて | Bパート残りに相当 | ||
kiseki 10 | ユカまっしぐら | 第4話 | ユカまっしぐら | アニメのAパートに相当 |
kiseki 11 | 瞳のキミ | アニメのBパートに相当 | ||
kiseki 12 | 夏風邪とクジラ | 第5話 | 夏風邪とクジラ | |
kiseki 13 | ゆううつフォートリップス | 第8話 | ゆううつフォートリップス | |
kiseki 14 | 旅の空のサキのサキ | 第9話 | 旅のソラのさきのさき | アニメのAパート、Bパート前半に相当 |
kiseki 15 | ワカレあれば | Bパート後半に相当 |
マンガ版とアニメの関係(対応表)
- どのエピソードもアニメ準拠のストーリー展開ですが、完全にアニメと一致しているわけではありません。マンガ化されてない話に関連した描写は、整合性を保つためにカットされています。また、ページ数の都合で入らなかった箇所もあり、代表格は裏表紙で補完されている場面ですね。
- 第1巻の出来が良すぎたので、第2巻での失速を心配しましたが、完全に杞憂でした。たつひこ先生の絵は上手いし、可愛いし、「夏色キセキ」の世界を心底楽しんで描いている印象。コミカライズ作品にありがちな、ストーリーをなぞるだけという感じは一切無く、どのページからも作品愛をひしひしと感じます。特に白紙ページの挿絵は、作品をちゃんと理解してないと、絶対に描けないと思うのですよ。
- 以下、各話の感想です。
kiseki 8 「フタリはひとつ」
kiseki 9 「ココロかさねて」- 夏海たち4人が空を飛んだ翌日の話。夏海と紗季の関係は相変わらずギクシャクしていた。一方、優香は御石様にあれこれお願いを始めるが、なかなか力は発動しない。そんな中、優香がたまたまつぶやいた一言で、紗夏海と紗季の身体がくっつき、離れなくなってしまう・・・。
キマシタワー(n‘∀‘)η゚・*゚・* アニメで見た時はコミカルな印象が強かったけど、マンガで見るとキマシ全開ですわ~。上半身スポブラだけの夏海に覆い被さる紗季さん素敵♪素敵♪
なお、アニメ第3話「下田ではトキドキ少女は空をとぶ」のマンガ化がスルーされたため、祐介(大樹の友達)が夏海たちを見て驚く描写(伏線)はありません。
kiseki 10 「ユカまっしぐら」
kiseki 11 「瞳のキミ」- 従兄の貴史に想いを寄せる優香。しかし、貴史は紗季のことが好きらしい――。優香は凛子の神社を訪れ、御石様の所で相談を持ちかける。その際、「私も紗季みたいになれたら・・・」とつぶやいたことで、またまた御石様の力が発動。今度は優香と紗季の心と身体が入れ替わってしまった!
凛子の優香に対する感情が、友情以上のものであることが分かるエピソード。こうしてマンガ版で振り返ってみると、「夏色キセキ」はガチですね。白紙ページの挿絵でも、夏海と紗季がキマシタワー(n‘∀‘)η゚・*゚・*
しゃべり方の変化で入れ替わりを補足できるアニメに対し、マンガでは吹き出しの線の太さで入れ替わりを表現しています。もっとも、吹き出しは補助的なもので、キャラを見ただけでも入れ替わりが分かりますよ。たつひこ先生の画力はマジぱねぇっす!
kiseki 12 「夏風邪とクジラ」- 優香に付き合い、CDショップに行った凛子。その帰り道、にわか雨に降られ、風邪をひいてしまう。心配した優香は凛子のお見舞いに訪れ、仲良くなったキッカケ――小学時代の出来事――を振り返り始める・・・。
このエピソードはアニメ1話分(第5話「夏風邪とクジラ)」を2分割せず、1回で完結しています。そのため、アニメのアバン(優香がCDショップでクレームを付ける場面)、Aパートにあった夏海と紗季のテニス練習場面などがカットされてます。ストーリーの主軸は優香と凛子の百合百合した関係なので、キマシ描写がより前面に押し出されてグッド。この再構成は、なかなかの なかなかだね。
kiseki 13 「ゆううつフォートリップス」- 引っ越しの荷造りを終わらせ、手持ちぶさたになった紗季に、夏海から連絡が入る。4人で旅行に行こうというのだ。行き先は すったもんだの結果、紗季の引っ越し先=東京に決定!優香たちは東京観光だと盛り上がるが、紗季の引っ越し先は東京は東京でも離島だった・・・。
この話も2分割せず、1回で描いているため、アニメにあった一部の場面がカットされてます。冒頭シーンで紗季のお母さんが出て来なかったり、旅行の準備(水着を購入する場面)、伊豆急の移動場面はバッサリ削除。島へ向かう船内場面も部分的にカットされ、アニメBパートの後半に重きを置いた構成になってますね。
kiseki 14 「旅の空のサキのサキ」
kiseki 15 「ワカレあれば」- 11時間かけ島に着いた夏海たち。到着早々、優香は大はしゃぎして海でおぼれかかるが、地元の子に助けられる。しかし、その子のキツイ物言いに、紗季は島での生活に不安を覚えてしまう。それでも気を取り直し、予約してあった旅館に向かう4人。出迎えてくれたのは、優香を助けたくれた子の双子の姉・千晴だった・・・。
アニメ第9話「旅のソラのさきのさき」には、温泉入浴シーンとか、透明人間・紗季の全裸観光シーンとか、特殊イベントがてんこ盛りなので、再び2分割構成になってます。ラストで紗季が元に戻りますが、アニメよりもサービス満点!カメラの位置が低く、肉付きの良いお尻が見えちゃってます。(*´Д`*)
おわりに
ストーリーはアニメ準拠なんだけど、夏海と紗季、優香と凛子のキマシっぽい描写が多く、大満足!コミカライズの鑑としか言いようがない、実にすばらっ!な一冊でした。第3巻も楽しみです。
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■ [レビュー] 夏色キセキ オフィシャルフォトブック
■ [レビュー] 夏色キセキ OFFICIAL MUSIC GUIDE
■ HMVで予約しておいた「夏色キセキ Complete Songs ~あの夏のカケラ~」が届いた
【関連サイト】
■ 夏色キセキ (アニメ公式)■ 夏色キセキ 番組サイト (MBS/毎日放送)
■ アニメ「夏色キセキ」 (TOKYO MX)
■ アニメ 夏色キセキ (BS11)
■ 夏色キセキ 作品紹介 ヤングガンガン (SQUARE ENIX)
■ 夏色キセキ (Wikipedia)