[アニメ感想] フラクタル - FRACTALE - 第9話 「追いつめられて」

あらすじ
第9話のあらすじ、主要スタッフはアニメ公式サイトから引用しておきます。地下施設からなんとか生還したクレインとフリュネはグラニッツのメンバーと合流する。
フリュネとネッサの秘密……そして「鍵」の秘密をを知るクレイン。フリュネもネッサも自分にとって大切な人だとクレインは二人を守る決意を固める。
そんな中ロスミレ派の村が僧院により次々に攻撃されグラニッツの村も襲撃されてしまう。ロスミレ派はこれを機に僧院に総攻撃をかける事に。スンダはフリュネとネッサを守るようにとクレインに言うが……。
脚本:吉野弘幸 絵コンテ:伊藤祐毅 演出:伊藤祐毅 作画監督:近岡直 美術監督:袈裟丸絵美
ストーリー&感想
エントロピーの撒き散らし、禁止っ!(びしいっ)
箇条書き五つでわかるフラクタル第9話
- ディアスの攻撃で壊滅状態となった僧院の地下施設。捕らわれていたクレインとフリュネは、緊急シェルター内に避難して何とか無事だった。クローン廃棄工場の光景にショックを受け、引き籠もって姿を消していたネッサは、フリュネの膝枕の上で眠っていた。クレインがシェルターの扉を開けると、上空にはエンリたちの小型飛行艇の姿が。フリュネに持たせていた発信器が役に立ったようだ。(以上アバン)
- また一つ、フラクタルシステムを支える衛星が落ちていった。それを淡々とした眼差しで見つめる祭司長モーラン。命からがら僧院に戻ったバローは、そんな悠々たるモーランを叱責。モーランは苦渋の決断を下し、ロスミレを殲滅するための勅令を発布する。一方その頃、飛行船ダナンに戻ったクレインやフリュネたちは、ネッサの看病に付きっきりとなっていた。フリュネはクレインに心打ち解け、ネッサと自分自身の秘密を語り始める。
- その日の夜。ダナンが一時停泊していた街の人々が直談判にやって来た。僧院がロスミレ殲滅の勅令を出したので、今すぐ出て行って欲しいという。グラニッツ一家との取り引きが僧院にばれると、ドネの供給が止まってしまい、生活が成り立たなくなってしまう為だ。スンダは要請に従い、ダナンを発進。するとその直後、グラニッツの村が僧院に襲撃されたとの一報が入る。窮地に追い込まれたロスミレは大会議を開催。僧院に対する総攻撃が決定する。(以上Aパート)
- 反攻作戦の当日。クレインは自分も戦うべきかどうか、スンダに相談をもちかける。しかし、スンダはそれを一蹴。クレインはフリュネやネッサと村に残ることとなった。全員揃った記念写真を撮影した後、飛行船ダナンは出撃。エンリも、兄のスンダと一緒に戦場へと向かっていった。
- クレイン、フリュネ、ネッサの三人は、村の中に用意された一軒家に到着。再び平穏な日常が始まったかに見えた。ところが その夜、クレインとネッサが寝静まったのを見計らい、フリュネは一人僧院へと向かう。モーランやバローを説得する為だ。翌朝、置き手紙でその事実を知ったクレインは、ネッサと伴に小型飛行艇に乗り、フリュネの後を追うのであった・・・。
伏線とか謎の回収
▊ フラクタルの鍵
フリュネが鍵なのか、ネッサが鍵なのか、ついに真相が明らかに!どんな超設定があるのかワクワクしていたら、意外と普通でしたでござるの巻。
かつて存在したフリュネと同じ顔をした最初の少女(僧院が神と呼んでいる少女)の人格(心)、それがネッサ。そして、その心のために用意された身体(肉の器)がフリュネ。別れていた肉体と記憶が一つとなることで鍵が生まれ、フラクタルを再起動できるらしい。バローがフリュネのことをNo.152589、モーランのことをNo.141923と呼んでいたので、この三人が親子であるという設定(公式サイトのキャラ紹介に掲載)はミスリードだったもよう。
で、鍵の製法を見つけ出したのが、そのバローなんだけど、前回執心していた鍵の資格云々(処女検査)については未だ不明。もしかしたら、超重要な伏線かもしれない。やはりPSGみたいに、最終回でクレインとフリュネ(意識はネッサ)が合体か!?
ペンダントに封入された意識は「1000年女王」の雪野弥生、クローン体に意識を移植っていう設定は「銀河鉄道999」のメーテル(公式発表されていないがクローン説がある)を思い出したぞ!
▊ フラクタルの崩壊
永遠に繰り返される自己相似形の連鎖。部分が全体を内包し、どの階層でも互いに補完しあうよう作られた世界=フラクタル。その目的は内包する全ての人の欲望、願いを叶えること。要はフラクラルは人々の願望を叶えるシステム。その閉じた系の中で、欲望という名のエントロピーが増大し、システムの処理能力をオーバーしてしまうってこと。この設定って、システムの目的こそ違えど、「ゼーガペイン」の量子コンピューター(舞浜サーバー)やん! ただ気になるのは、システムの要となる人工衛星が落ちまくってる件。何しろ物理的にロストしている訳だから、リセットしただけで復旧できるとは思えないのだけど。
(モーランのセリフから)
その鍵こそが、長年のエントロピーの蓄積で崩壊しかかっているフラクタルの再起動を可能にするモノなのです。
(フリュネのセリフから)
自己相似形云々のくだりは抽象的すぎてよく分からん。「階層」という単語があるので、メタフィクション的なオチへの布告かもしれない。リセットが絡んでくるとなると、無限ループオチとかもありそうだ(笑)。
雑感
- AパートとBパートの作画。違いすぎと見るか、1回で2度おいしいと見るかは、あなた次第(笑)。AパートはTVアニメ版「今日の5の2」のキャラクターデザインで知られる近岡直さんで、瞳の描き方や、キャラの全身を描いた時のシルエットに特徴がある。一方、Bパートは「ソ・ラ・ノ・ヲ・ト」の赤井俊文さん。過去、各所でさんざん言い尽くされているけど、特徴は「けいおん!」っぽい絵柄。(下図参照)

AパートとBパートの作画の違い(主要キャラで比較)
- ストーリーの方に目を向けると、ロスミレはいったい何のために戦っているのか、ますます分からなくなってきた。 今回唐突に登場した「ロストミレニアムの氏族」云々って設定と、ロスミレのスローガンになっている「人間らしい生活」が全くリンクしない。思想や社会運動かと思ったら、実はただの民族紛争だしたってことになってしまう。フラクタルシステム崩壊後の世界がどうなるのか、どうしたいのかも全く見えてこない。戦うという手段が目的化してるし、この意味の無さは「図書館戦争」級でござる(笑)。
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関連サイト
■ フラクタル - FRACTALE - (アニメ公式)■ フラクタル (フジテレビ)
■ ノイタミナ (番組枠公式)
■ フラクタル - 漫画 - (ガンガンONLINE / SQUARE ENIX)
■ フラクタル (テレビアニメ) (Wikipedia)