[レビュー] みなみけ 第8巻(初回限定版) ドラマCD
3月4日に発売された「みなみけ」単行本・第8巻(初回限定版)の特典、「みなみけ」ドラマCDのレビューです。
みなみけ 第8巻(初回限定版) 外箱
はじめに
この記事にはドラマCDのレビューのみを掲載しています。単行本のレビュー(ヤンマガ掲載時からの修正箇所、他)は次の記事をご覧ください。
ドラマCDの概要
ドラマCDコハルSELECT4話+新作エピソード2話
+オープニング曲(『経験値上昇中☆Re-Mix』2011バージョン)合計60min
(外箱[裏面]のキャッチコピー)
このCDは「みなみけ」単行本・第8巻(初回限定版)の特典で、アニメ1期のOPテーマ(Re-Mixバージョン)、原作エピソード4本とオリジナル2本から成るオーディオドラマを収録したものです。
![]() ケースの表面 |
![]() ケースの裏面 |
![]() ケースを開いたところ |
ご覧のとおり、ケースはトールケース(DVDで使われる縦長のプラスチックケース)です。梱包とか流通を考慮して、このサイズにしたのでしょう。
ジャケット表面には南家3姉妹(原作の扉絵から流用※)、そら豆とキャベツのペペロンチーノの写真が印刷され、裏面にはスタッフ、キャスト一覧、トラック情報、ペペロンチーノの作り方等が掲載されています。ケース内にはブックレットやINDEXシートは入っていませんでした。
DISCレーベル面は「みなみけオリジナルミニドラマ・サントラCD」を踏襲した、至ってシンプルなデザインですね。
※扉絵の流用元は ハルカ:第159話「神になる」、カナ:第143話「おとずれ」、チアキ:第151話「絶対アレ」。
収録内容
ドラマCDの収録内容、スタッフ&キャストは次のとおり。
トラック一覧
ドラマCDは全部で7トラック。歌が1トラック、ドラマが6トラックです。TRK | 内容 | 収録時間 |
1 | 経験値上昇中☆Re-Mix2011 | 03:55 |
2 | らしく [第144話] | 10:09 |
3 | 旬のもの [第150話] | 08:16 |
4 | ペペロンチーノ [新作①] | 05:44 |
5 | いたから [第156話] | 12:44 |
6 | どんな? [放課後編] | 11:35 |
7 | かいだん [新作②] | 07:25 |
収録時間合計 | 59:49 |
アニメ(1期)ドラマCD(脚本:あおしまたかし氏)は、どの話も10分未満に抑えられていましたが、このCDのドラマパートは10分超が3本もあります。
一般的にドラマCDというと、最終トラックで声優さんが役名を紹介するものですが、このCDにはキャスト紹介は入っていませんでした。
スタッフ&キャスト
ドラマCDに出演しているキャスト、スタッフはジャケットから引用しておきます。
STAFF CAST 原作●桜場コハル 南 春香●佐藤利奈 南 夏奈●井上麻里奈 (講談社「ヤングマガジン」連載) 南 千秋●茅原実里 南 冬馬●水樹奈々 脚本●鴻野貴光 音響監督●蝦名恭範 音響効果●山谷尚人 音楽●三澤康広 マコト(マコちゃん)●森永理科 保坂●小野大輔 音楽制作●スターチャイルドレコード 速水●千葉紗子 内田●喜多村英梨 吉野●豊崎愛生 タケル●浅沼晋太郎
キャストは上記の方々で全員です。その他のキャラ、モブキャラ等は登場しません。
ドラマCD 各話感想
以下、各話の感想です。登場しているキャラも併記してあります。個人的な感想なので、参考程度に軽く読み流してください。
01 | 経験値上昇中☆Re-Mix2011 | ||||||||
アニメ(1期)のOPテーマ「経験値上昇中☆」のリミックス・バージョン。アレンジが大幅に変更されて、アグレッシブに打ち鳴らされるドラムや、ノイジーに弾き鳴らされるギターが目立つサウンドです。また、オリジナル版はイントロ無しでいきなり歌が始まりますが、このリミックス版はイントロが追加され、その分だけ曲が長くなってますね(たった6秒ですが)。 肝心の歌は新たに録音したものではなく、オリジナル版の流用と思われます。オリジナル版とリミックス版を同時再生して聴き比べてみましたが、自分の耳には全く同じに聞こえました。 |
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02 | らしく [第144話] | ||||||||
春香 | 夏奈 | 千秋 | 冬馬 | マコト | 保坂 | 速水 | 内田 | 吉野 | タケル |
○ | ○ | ○ | × | ○ マコちゃん |
× | × | ○ | ○ | × |
原作 | 第144話 「らしく」 (リンク先はマンガの感想記事、以下同様) | ||||||||
ストーリー展開は原作準拠ですが、オリジナル描写が随所に挿入されています。ゴキブリ騒動の回想シーンを入れたり、キャラのセリフを追加したり、その全てがいい感じに仕上がっていて、原作との親和性が高いですね。 特に面白かったのが、マコトが「オレはもうマコちゃんをやめる」といった回数をカナが憶えていた件。策士カナなら本当にやりそうです(笑)。ハルカ姉さまが「コタツ温か~い」と言うセリフにもニヤニヤ。ハルカ姉さま=コタツ好きという基本設定を、さり気なく活かしたものです。 そして「そう来たか!」と目からウロコだったのが、原作には無いオリジナルのオチ。作中にあったゴキブリと騎士のネタを上手くミックスしていて、素晴らしすぎる! |
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03 | 旬のもの [第150話] | ||||||||
春香 | 夏奈 | 千秋 | 冬馬 | マコト | 保坂 | 速水 | 内田 | 吉野 | タケル |
○ | × | ○ | × | × | ○ | ○ | × | × | × |
原作 | 第150話 「旬のもの」 | ||||||||
チアキと保坂の第三次接近遭遇がメインのエピソードですが、速水のキャラが立ってますね。原作では黄金色のジュースを飲むポーズが1回しかありませんが、このドラマでは3回に増量。単なる尺稼ぎに留まらず、ストーリーにそこはかとない味わいを加味しています。買い物途中のチアキが、「新しい炭酸飲料が出ていたな」とつぶやくセリフもいいですね。 その一方で意外だったのが、チアキと保坂の会話が成立していた件。以前、原作を読んだ時には、チアキと保坂は会話しているようで会話していないと感じたのですが、このドラマでは会話と言うよりも問答に近くなっています。これは自分の想像ですが、「会話してるようでしていない」描写を、映像なしで説明するのは困難なので、仕方なくダイアローグにしたのかも。 |
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04 | ペペロンチーノ [新作①] | ||||||||
春香 | 夏奈 | 千秋 | 冬馬 | マコト | 保坂 | 速水 | 内田 | 吉野 | タケル |
○ 保坂の妄想 |
○ 保坂の妄想 |
○ 保坂の妄想 |
× | × | ○ | × | × | × | × |
原作 | ドラマCDオリジナル | ||||||||
保坂きめぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!(褒め言葉) 3トラック目の「旬のもの」の途中にあったエピソード。保坂が愛する南春香のために、精魂込めたペペロンチーノ(弁当)を作る話です。料理完成後の妄想シーンには、ハルカ、チビ夏奈、チビ千秋が登場。保坂の気持ち悪さのベクトルはアニメ1期準拠なので、安心して聴けますよ。 |
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05 | いたから [第156話] | ||||||||
春香 | 夏奈 | 千秋 | 冬馬 | マコト | 保坂 | 速水 | 内田 | 吉野 | タケル |
○ | ○ | ○ | ○ | × | × | × | ○ | ○ | ○ |
原作 | 第156話 「いたから」 | ||||||||
5トラック目はオリジナルシーンが多めです。まず、冒頭の約4分間は、ほぼオリジナルシーンで構成されています。タケルがレイコさんと「イマコイ」を観に行った件、内田やトウマたちがタケルのことをあれこれ憶測する件など、思わずニンマリしてしまう話題が多いですね。原作には出ていない吉野ちゃんも登場して、ブラックなセリフを吐いております。吉野ちゃん恐ろしい子! 中盤には、カナが勝手にアイスを食べた件が回想シーンとして挿入。アイスはタケルがお土産として買ってきという設定になっています。第57話「ケンカでも」のプリン同様、駅前の角のあの店で買ってきたのかも。また、ちょっとお高いアイスは第33話「当たるんだって」の小さいながらも三百円近い高いアイス、チアキが体を温めてからアイスを食べるというネタは第130話「忘れてた」の一人ガマン大会を彷彿させます。 「しましまの蚊がいたから」というカナの一言から、お泊まり会の回想シーン(オリジナル)に膨らませるのは、流石としかいいようがないッス。 |
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06 | どんな? [放課後編] | ||||||||
春香 | 夏奈 | 千秋 | 冬馬 | マコト | 保坂 | 速水 | 内田 | 吉野 | タケル |
○ | ○ | ○ | ○ | × | × | × | ○ | ○ | × |
原作 | 特別編 「どんな?」 (月刊ヤングマガジン2010年8月号 出張掲載) | ||||||||
月刊ヤングマガジン2010年8月号に出張掲載された時の話数表記は「特別編」でした。単行本化に際して「放課後編」に変更されたもよう(単行本のマンガも「放課後編」になってます)。 ストーリー展開は、細かいセリフの追加を除けば原作どおり。本当は怪談が怖いのに、虚勢を張りながら挑発を繰り返すチアキが可愛い。これは声が付くドラマCDならではのもの。ハルカ姉さまが起きた後の、カナや内田たちの会話は尺稼ぎ感が強いけど、キャラの設定を活かしたセリフになってるので聴いててて飽きないですね。 一つ気になったのは、カナがチアキたちの寝ている部屋の扉を開けた場面(単行本P.168の2コマ目)。その時の効果音が引き戸(原作・アニメ1期の設定)ではなく、開き戸(アニメ2期・3期の設定)になっていた件です。てっきり、チアキの部屋(出入り口は襖)で寝ているものだと思っていたので、意外でした。で、自分の中では次の二つの説が有力になっております(笑)。
2011年3月6日 追記 コメントいただいた情報により第3の説を追加します。整合性を考えると、これが一番有力ですね。
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07 | かいだん [新作②] | ||||||||
春香 | 夏奈 | 千秋 | 冬馬 | マコト | 保坂 | 速水 | 内田 | 吉野 | タケル |
× | × | ○ | ○ | × | ○ 怪談話内 |
○ 怪談話内 |
○ | ○ | × |
原作 | ドラマCDオリジナル | ||||||||
6トラック目「どんな?」の後日談。翌日の小学校の教室が舞台。チアキの抵抗を無視して、怪談の続きをすることになります。「恐怖の掃除機」等の怪談話に登場する新婚夫婦が、まさかの保坂と速水!怪談のオチは聞いてからのお楽しみということで(笑)。今日の5の2ドラマCD第1巻にもあったけど、鴻野氏は本当にダジャレが好きですね(笑)。 |
まとめ
やっぱりアニメ1期スタッフのシナリオは一味も二味も違う!
このドラマCDの脚本を書いているのは鴻野貴光氏は、アニメ1期では主に保坂が登場する回を担当されていました。今回は保坂がメインのエピソードがあるので、白羽の矢が立ったものと思われます。鴻野氏が「みなみけ」のドラマCDで脚本を担当するのは、実は今回が初めてですが、桜場先生作品のコアなネタの扱いに非常に長けた方なんですよね。今日の5の2 ドラマCD 第1巻と第2巻を聴けばわかるとおり、ファンなら誰しも思う疑問とかネタを上手く使い、聴いた後の満足感はハンパありません。このドラマCDもそうです。
ということで、迷わず初回限定版を買うべし!!
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関連サイト
■ ヤングマガジン みなみけ 作品紹介 (講談社コミックプラス)■ みなみけ (StarChild 公式)
■ みなみけ (Wikipedia)