[アニメ感想] フラクタル - FRACTALE - 第6話 「最果ての街」

あらすじ
第6話のあらすじ、主要スタッフはアニメ公式サイトから引用しておきます。ぎこちなくもネッサと分かり合えたフリュネ。クレインも大爺になんとか認められ、ダナンに触ることが許された。※公式サイトの各話紹介では、サブタイトルが「最果ての町」になってるけど、放送では「最果ての街」でした。
そんな中ダナンのメンテナンスの為立ち寄った場所は、バルーンが落ちフラクタルの加護を失った圏外難民たちがさまよう土地だった。
フラクタルシステムの現状を目の当たりにしたクレインは、ヴィンテージカメラを持った怪しげな男と知り合う。友達になりたいというクレインに男は「とっておきの物」を見せてやると言い―
脚本:岡田麿里 絵コンテ:藤森かずま 演出:三浦陽 作画監督:山崎秀樹 美術監督:袈裟丸絵美
ストーリー&感想
作画が微妙で、「未来少年コナン」のパクリリスペクトが多かったけど、色々な意味で今までで一番面白かった(笑)
箇条書き五つでわかるフラクタル第6話
- 南のオブシディアン※を目指すダナンは、システムメンテナンスの為、フラクタル圏外の土地に立ち寄る。たまたまダナンを見かけた電波塔の男は、グラニッツ一家が宿営している場所に近づき、フリュネたちの水浴びを盗撮。エンリたちに見つかり逃げ出す。
- 盗撮男が持っていたヴィンテージ物のカメラに興味を示したクレイン。目を輝かせながら男の後を追い掛けるが、その途中でフラクタルの圏外難民やロスミレ運動の一派・アラバスターに出会う。指導者のディアスは圏外難民たちに食料と寝床の提供を申し出て、行く宛の無い難民はそれに従う。クレインは盗撮男の家(電波塔)を訪れ、部屋の中にあった大量のヴィンテージ機器に心を躍らせる。ところが、盗撮男は そんなクレインに「お前は何も分かってない」とバッサリ。夜が更けたら、もう一度来いと言う。
- そして夜中。クレインはこっそり男の家に向かおうとするも、運悪くフリュネに見つかってしまう。けっきょくフリュネも一緒に付いてくることになり、その道すがら二人はアラバスターの宿営地を目撃。ディアスは難民たちに伝染病の予防接種を無償提供していて、それを見たクレインは感心するが、フリュネは顔をしかめる・・・。
- 盗撮男は、やって来たクレインとフリュネを電波塔の最上部に案内。一時的に強くなったフラクタルの電波を傍受して、バルーンが落ちる前の街並みを再現させ、二人を驚かせる。更に、電波塔の目的は 自分の手でこの地をフラクタルの圏内にすることだと言う。
- 「街に降りるんだ。そして見てこい。その目で真実を」――男の指示で街に降りたクレインとフリュネ。仮想現実の街では圏外難民とアラバスターがいざこざを起こしていた。ディアスが施した予防接種は、実はターミナル除去手術。アラバスターの狙いは、ロスミレ運動のメンバー確保だったのだ。その場にいたたまれなくなったクレインは、再び電波塔へと向かう。そして病を抱えている男に、治療のため一緒に行こうと勧めるが、男は頑なに拒否。その代わりに、ヴィンテージ物のカメラをクレインに授ける。翌朝、この地を飛び立ったダナンの食堂室。テーブルの上には、フリュネが男の家から盗み出した写真が広げられていた。盗撮写真数枚と古い家族写真1枚が・・・。
「未来少年コナン」的な設定とか描写とか
「未来少年コナン」のパロは今に始まった訳ではないけど(例:スンダ&エンリ兄妹はオーロ&テラ兄妹)、今回はやけに多かったッスね(笑)。▊ クレインとフリュネの競争

クレインとフリュネが電波塔に向かう際に競争していたが、元ネタは「未来少年コナン」の第3話『はじめての仲間』。初めて出会ったコナンとジムシーが、体力勝負をするシーンであります。実に分かりやすいリスペクト(笑)。
▊ ハシゴを登る順番

ハシゴを登る時に女子が先で男子が後なのも、「未来少年コナン」のリスペクト。第16話『二人の小屋』で、コナンとラナがジムシーが作ったツリーハウスのハシゴを登るシーンがある。その際、ラナが先に登り、コナンが後からという順番になっていた。
この描写には有名な裏話がある。作画監督の大塚康生氏が宮崎駿監督に「下のコナンからラナのパンツが見えちゃうよ」とツッコミを入れたところ、宮崎監督は「エッチだなぁ」と応じ、大塚氏が「コナンが先に登って、ラナ引っぱり上げれば?」と提案したら、「作画が大変」と反論。最後は「ラナを先に登らせたのは足を滑らせて落ちた時、下でコナンが支えることができるから」とか「パンツは見えてもいい!コナンは欲情しない!」と言い切ったらしい。「フラクタル」のスタッフは、この逸話を知ってて わざとやってるんでしょうね(笑)。
▊ 電波塔の男
![]() 第1話と第6話の写真 |
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![]() 声優も同じ |
![]() ラオ博士が元ネタ? |
電波塔の男はクレインの父親で確定。声優は第1話の父親役と同じ木村雅史さんだし、第1話のプロジェクター映像が今回出て来た家族写真と一致している。
身内なのに正体を隠しているってことで、元ネタはサルベージ船の船長・パッチ(実はラナの祖父のラオ博士)か?

電波塔はロケット小屋(残され島)のローケーションと、三角塔(インダストリア)のハイテク機能を合わせたようなものか。
▊ フラクタルの圏外難民

フラクタルの恩恵を授かれない人々は、さしずめ三角塔の地下住民か。コナンの世界(インダストリア)には1等市民、2等市民という階級制度があり、地下住民は その最下層に相当する。フラクタルの圏外難民っていうのは、本来受けられる行政サービスから締め出されたわけだから、とても市民階級とは言えないし(笑)。
謎とか伏線とかツッコミ所とか
- 今回はフリュネの当番回だったため、ネッサは珍しく空気に。裏を返せば、ネッサが空気だからストリーに多少深みが出たとか?(笑)。フラクタルの電波圏外でも姿が見えるという謎は、好意を持っている人間なら物理的に触れることが出来ることと関係がありそう。何となく「意識」とか「心」の存在がキーワードになりそうな予感。SF設定として量子場脳理論とか出て来たら面白そうだ。
- 電波塔の男がクレインの実父だったけど、そうなるとドッペルの父親は誰? 公式サイトによれば、ドッペルとは「ネットワークに支援された人工知能プログラムで、使用する人間の代理的役割を果たす。日常の出来事は、ほぼその人と同じように判断し応答する」ものだという。ドッペルの父親は明らかに電波塔の男とは性格が異なってるので、赤の他人が養父としてクレインのことを監視していたのだろうか?
- 電波塔の男はクレインに何を見せたかったのか? あの流れから察するに、おそらく、フラクタルの作り出す幻影と現実のギャップ、そしてそれを知りつつも、フラクタルの呪縛から逃れることが出来ない人間というものを見せたかったのだろう。アラバスターと難民の騒動はオマケというか偶発的なものと思われ。もっとも、偶然の騒動の方がインパクトが大きかったけど(笑)。
- フラクタルって建物とか街並みを作り出していたの? 人々が出入りする物理的な建築物まで作れるとは思えないので、あの幻影は昔あの場所にあった街並みのデータを使い再現したものと思われ。街並みのデータというのは、古く汚い建物を包み隠す形で映し出す、リフォーム用のビジュアルデータと考えれば、とりあえず説明は付く。
- フリュネちゃん マジ盗癖の持ち主。第1話ではネッサ入りアクセサリーを僧院から盗みだし、第4話ではバイクを乗り逃げ。今回は電波塔の机の上にあった写真を勝手に持ちだしてる。画面には映ってないけど、盗撮写真の中にフリュネの全裸写真でもあったのだろうか?(笑)

写真を無断で持ち出すフリュネ
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関連サイト
■ フラクタル - FRACTALE - (アニメ公式)■ フラクタル (フジテレビ)
■ ノイタミナ (番組枠公式)
■ フラクタル - 漫画 - (ガンガンONLINE / SQUARE ENIX)
■ フラクタル (テレビアニメ) (Wikipedia)