[アニメ感想] フラクタル - FRACTALE - 第1話 「出会い」

あらすじ
第1話のあらすじ、主要スタッフはアニメ公式サイトから引用しておきます。フラクタルシステムがかつての勢いを失ってから千年。人々はその恩恵による究極の個人主義的生活を送っていた。主人公クレインはそんな世界に生きる14歳の少年。古い機械の収集や解析が趣味で、第二の自分・通称「ドッペル」を持たないちょっと変だけど、ごく普通の男の子。ある日クレインは謎の飛行船に追われる一人の少女を助ける。シスター服を着たその少女はフリュネと名乗った。初めて触れ合う生身のニンゲン、女の子―、彼女との出会いがクレインの日常を変えてゆく。
脚本:岡田麿里 絵コンテ:山本寛 演出:山本寛 作画監督:田代雅子 美術監督:袈裟丸絵美
感想

公式サイトに載ってるざんげちゃん似のヒロインがいつ出て来るのかと思ったら、茶色髪の電波娘が そうだったでござるの巻。

「フラクタルは本当の意味で、我が身を賭した勝負となる」ヤマカンこと山本寛監督が並々ならぬ決意を語っていた「フラクタル」のオンエアが いよいよ始まった。個人的には一番楽しみにしていた作品。 で、第1話を見た限りは、ベタなボーイ・ミーツ・ガール作品といった印象。各所で散々言われてるけど、物語の導入部は既視感ありまくりで、「天空の城ラピュタ」や「ふしぎの海のナディア」を彷彿させる。確信犯的なオマージュなんだけど、このジャンルの作品はTVアニメではスゴイ久しぶり。「パタパタ飛行船の冒険」以来じゃなイカ。
「ふだんアニメを見ていない、あるいは見なくなった人がターゲット」
(朝日新聞・1月4日付け記事から引用)
プロットやシチュエーションは王道なんだけど、このアニメの舞台は人類を幸福に管理するシステム(フラクタルシステム)が構築されてから1,000年後の世界。楽園のような最低生活保障(ベーシック・イン・カム)が確立されているらしい。ただし、その恩恵を受けるためには、フラクタルターミナルを体内に埋め込み、システムと通信する必要があるという。裏を返せば利便性と引き替えに常に監視されていることになるわけだが、いつの世も便利さとプライバシーは表裏一体ってことか・・・。そらから目を引いたのはドッペルと呼ばれているガジェット(一種のアバター)。無縁社会対策、或いは人間関係のバッファ的な役割を果たしていると思われ、離れて暮らす家族のコミュニケーション、対人関係の円滑化(というか希薄化)に役立っているようだ。こういった現代社会が抱えている問題を折り込んだような設定は、如何にも東浩紀氏らしい世界観だと思う。(参考:東浩紀〓ベーシックインカム〓(抜粋) )
シナリオは岡田麿里氏。今期のアニメでは、「GOSICK」や同じノイタミナ枠の「放浪息子」等でもシリーズ構成(脚本)を担当されている。岡田氏と聞いて真っ先に思い付くのが「ローゼンメイデン」の「乳酸菌摂ってるぅ?」で、あとは「スケッチブック」や「とらドラ!」といった日常系作品での緻密な構成でしょう。どれも神がかったシナリオでしたね。しかしその一方で、「CANAAN」「DTB二期」等のハードな作品は、相性が悪かったのか微妙な出来(←あくまで個人の感想)。「フラクタル」は今のところ日常と冒険が混在しているような感じだけど、果たしてどうなるのか。公式サイトの情報(特にキャラ紹介)を読むと、どうやら物語の主軸はフラクタルシステムの打破(古典SFでよくあるテーマ)っぽいが・・・。
まあそんな感じで、自分も含め、アニメファンにとっては色々な意味で注目度抜群の本作品。山本監督は普段アニメを見ない人をメイン視聴者層に据えているようだけど、そういった人たちが食い付くかどうかは正直怪しいかなぁ。少なくとも、この第1話を見た段階では。何というか、終始淡々としていて、ワクワク感や昂揚感が少ないのが痛い。物語の舞台が退廃した幸福な社会なので、意図的にまったりした演出にした可能性が高いが、掴み的には微妙と言わざるをえない。第2話からキャラやストーリーが本格的に動き出しそうな気配だけど、第1話で視聴者のハートを鷲づかみにする『何か』が欲しかった。あ!別に萌え要素とか刺激的なエロ要素のことじゃ無いッスよ!(笑)。尺が足りないのであれは、初回だけ1時間放送にするという手もあったのではないかと。
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関連サイト
■ フラクタル - FRACTALE - (アニメ公式)■ フラクタル (フジテレビ)
■ ノイタミナ (番組枠公式)
■ フラクタル - 漫画 - (ガンガンONLINE / SQUARE ENIX)
■ フラクタル (テレビアニメ) (Wikipedia)