[アニメ感想] ゼーガペイン - ZEGAPAIN - 第24話 「光の一滴」
第24話 「光の

あらすじ
第24話のあらすじ、主要スタッフはアニメ公式サイトから引用しておきます。
脚本:桶谷 顕 絵コンテ:黒木 冬 演出:雄谷 将仁 作画監督:牧 孝雄(キャラ)、有澤 寛(メカ)
孤軍奮闘するも、QL切れでオケアノスへ帰還するゼーガペイン・フリスベルグ。ジフェイタスの電脳空間でアンチゼーガ・マインディエの猛攻にさらされるゼーガペイン・アルティール&ガルダ。
事ここに至り、シマは最終作戦の失敗を認め、舞浜サーバーへの総員退避を命じる。
「今日まで……そばにいて……くれて、ありがとう」
シマの優しい言葉に、思わずシマにすがりついて涙にむせぶミナト。瀕死のシマとA・I達を残し、次々と転送消滅するシズノ達。すると、シマも光と化して、いずこかへ転送されていく。
電脳空間内でも、ピンチのアルティール&ガルダが光となって消滅した。驚くアビス&シンだが、すぐにその探査に取りかかる。
ストーリー&感想
最終回間近で、まさかの禅問答!少しは空気読め(笑) > オリジナル・シマ
前回までの激しいバトルからは一転し、ルーシェンのBLカミングアウトとオリジナル・シマの禅問答が炸裂した第25話。特にルーシェンのガチホモ描写は唐突かつ強烈で、シマ死亡やAIたちの涙ぐましい死闘が全部吹き飛んでしまった。いちおう、過去の話でそれらしき伏線は張られていたけど、なぜこの段階で?!という疑問は拭えないッス。ガルズオルムの異空間に取り込まれた際に、妙なウエットダメージでも負ったのだろうか?あるいは無尽蔵なQLがBLエネルギーを増幅したとか?。戦闘中に、カップリングとかいう、それらしい用語も使ってたし(笑)。
一方、敗戦濃厚なシリアスな状況下で、オヤジギャグ(「何の小錦」等)を連発するキョウちゃん。これこそがゼーガ・クオリティ(いい意味で)。こうした地道な描写の積み重ねが、最終回のアレに繋がっているのかもしれない(笑)。
Aパート

※キャプチャ画像はテレ東で放映された時のものです(以下同様)
突然消失したアルティールとガルダ。フリスベルグが孤軍奮闘するも、戦力の差を埋めることはできず、窮地に陥るオケアノス。シマは最終作戦=プロジェクト・リザレクションの失敗を悟り、オケアノス乗組員に総員退艦&舞浜サーバーへの退避命令を下す。そして、イリエ、クロシオ、ミナトに別れの言葉をかけ、シズノに対しては曰くありげな目配せをし、シマの幻体はついに寿命を迎えるのであった。乗組員はシマに敬礼を捧げ、命令に従い舞浜サーバーへ退避。オケアノスにはシマとAIだけが残されたが、そこに前回艦内を彷徨いていた黒猫が姿を見せる。それに気付いたシマ(実はまだ生きていた)は「やっと来たか」と呟き、安寧の表情を浮かべて幻体崩壊。シマの最期をみとった黒猫は、何処かへと転送していった。
一方その頃、アルティールとガルダは、ガルズオルムの異空間に封じ込められていた。キョウたちはアビスとシンが乗るアンチゼーガ・マインディエの攻勢を受け、反攻もままならず防戦一方。マインディエは無限に近いQLを貯蔵し、魔法陣のような量子ポータルを備えているのだから当然といえば当然だ。そして敵の分身に取り囲まれたアルティールとガルダは、絶体絶命のピンチを迎えるが、ここで何者かが強制介入。キョウたちはどこかのサーバー内に転送される。そこは辺り一面が雪景色の世界だった。呆気にとられるキョウ。すると、そんなキョウの足下に、どこからともなく一匹の猫が現れる。シマの最期を見守った、あの黒猫だ。この小さな使者は「ついてこい」と誘い、キョウやカミナギたちは その後を追うことに・・・。
☞ キョウたちが迷い込んだ空間内に、さり気なく登場した馬頭星雲(馬の首星雲)。

過去の地球に絡ませている点は、諸星大二郎氏のSF伝奇マンガ暗黒神話[AA]とか、宇宙海賊キャプテンハーロックのマゾーンを彷彿させる。
☞ ラスボス的位置づけのメカってことで、もう何でもありなアンチゼーガ・マインディエ。量子ポータル等のスゴイ機能(下記参照)を搭載している割には、キョウたちを追い詰めた戦法は高速移動による分身の術(笑)。

アンチゼーガ・マインディエ (Anti Zega Mindi)
アンチゼーガの最新型。内部に小型の量子ポータルが搭載されているために、転送設備がなくても自在に転送することができる。複座ではあるが、ひとりでも操縦することができる。また、機体をデーター化することで量子コンピューター内に侵入することもできる。
両手のシールドによって魔法陣のごとき量子ポータルを形成。格闘戦の際は、両手の指から長い爪が伸びて相手の機体を切り裂く。
(以上「ゼーガペイン ビジュアルファンブック」から抜粋)
Bパート&Cパート

雪の中をしばし歩き、キョウたち一行が辿り着いたのは、うら寂しい山寺。その寺の前でキョウたちを迎えたのは、僧の姿をしたシマのオリジナルであった。それを見たルーシェンは、子供時代の記憶が蘇る。第15話「リインカーネーション」でも語られていたが、ルーシェンの父親はIAL社のメインスポンサーの総帥であり、幼い頃、父親に連れられIAL社を訪れた際、ナーガとシマのオリジナルと出会っていたのだ。
オリジナル・シマと面会を果たしたことで、作戦はフェーズIIIに突入。シマのオリジナルによると、この場所はコレクションサーバーの一つで、自然遺産を残すためのアーカイブらしい。オリジナル・シマは「見せたいものがある」と言い、キョウたちを何処かへと案内し始める。そして その道すがら、自分が幻体第1号であること。永い瞑想の末、ナーガの考えに疑問を抱くようになったこと。その結果として生まれたのが、クローン幻体のシマであったことを打ち明ける。
更にオリジナル・シマはオケアノスが危険な状態にあることを告げ、リザレクションシステムを持ち帰るには、ゼーガでガルズオルムを殲滅し、別の母艦で運ぶしかないと、妙に達観したような物言い。それを聞いたメイウーは「QL補給すらできないんだから」と、至極まっとうなツッコミを入れるが、オリジナル・シマはQLの積層化技術をオケアノスに送ったと淡々と答える。オケアノスのピンチを知ったキョウは、ゼーガで救援に向かおうとするが、オリジナル・シマとは会話が噛み合わず、禅問答のような展開に・・・。すると、そこにアビスとシンのアンチゼーガ・マインディエが来襲。ルーシェンはキョウに抱きつき、頬にキスをすると、マインディエを迎え撃つためにガルダへ転送。メイウーもその後を追う。研究棟の上空には、いつの間にかオケアノスがやって来ていて、ガルダにQLチャージ。ガルダとマインディエの1対1のガチバトルがスタートする。
サーバー内に残ったキョウとカミナギは、目的地に到着。だがしかし、そこにあったのは雪の中に咲いた花。オリジナル・シマは「色即是空、空即是色」と絡め、この花を見せたかったらしい。緊迫した状況下で貴重な時間を割いてきた結果が、先刻の禅問答の延長だったため、キョウは唖然。怒りをぶつけるが如く、「仮に束の間でも、俺たちは虚しくなんてならなかったぜ!」と叫ぶ。一方、ナーガの思想とは異なる「今を生きる」という考えを知り、オリジナル・シマはいたく感動(?)。この期に及んで「そういう君だから見せたかった」と呟くのだが、それを聞いたキョウはついにブチギレ。悪ガキのような悪態をつくと、カミナギと一緒にアルティールへと戻る。
ちょうどその頃、オケアノスではAIたちの頑張りで、QL積層化が完了していた。敵の攻撃を受け、AIたちは次々と撃ち抜かれ消えていくが、アルティールへQL補給は無事コンプリート。未だかつて無い溢れそうなQLを受け、キョウとカミナギを乗せたアルティールはアンチゼーガに立ち向かうべく、飛び立つのであった。
☞ ルーシェンの子供時代の回想シーン。シマのオリジナルはナーガの側近だったことが判明したので、一緒に居るのはナーガ本人と思われ。シルエットや顎ヒゲを見る限り 男性に見えるけど、公式設定では性別は明かされていなかったような気がする。

ルーシェンの回想
☞ 今回は局所局所でAIの活躍が目立ち、カミナギもAIのことを気に掛けていたけど、これはある意味、次回の伏線みたいなものか。テレ東での初見時には気付かず、見返して初めて分かる仕込みの多いこと多いこと。

AIの安否を尋ねるカミナギと意味深なアップ
それにしても左側の作画が酷い・・・(BS11放送版も同じ)
☞ シマのオリジナルが管理しているコレクションサーバーとリザレクションシステムの外観が登場。どちらも「ゼーガペイン ビジュアルファンブック」に解説が載っていたので引用しておきます。

左:コレクションサーバ,中:リザレクションシステム,右:同システム(拡大)
コレクションサーバー 【用語】
シマのオリジナルがジフェイタスの研究棟に設けたサーバーで、地球の自然現象のデータが集められたアーカイブ。
リザレクションシステム 【用語】
人体復元装置のこと。幻体データから遺伝子情報などを抽出して肉体を構築し、人間を完全に復元する。
(以上「ゼーガペイン ビジュアルファンブック」から)
そういえばコレクションサーバー内では、舞浜サーバ内と同様、カミナギは感情を失ってました。ただ、香菜ちゃんの演技のせいか、雪の中で転んだシーン等で、微妙に感情が表出されていたような・・・(笑)。あと、黒猫が舞浜の公園に度々出没していたのは、舞浜サーバーとコレクションサーバーが同じ研究棟内に設置されていたからでしょうね。アニメ内では特に説明されていなかったけど、辻褄があうように設定されている点は流石。
☞ 最終回目前にふさわしく、積層化QLなるこんなこともあろうかと開発されていたパワーアップ・ガジェットが登場!

Layerd QL charge complete
積層化QL 【用語】
シマのオリジナルよりもたらされた新技術。QLを圧縮することによって、より多くのQLが搭載可能となる。モニター上には「Layerd QL」と表示される。これを搭載することによってゼーガペインアルティールはQL残量を気にすることなく活動可能となった。
(以上「ゼーガペイン ビジュアルファンブック」から)
今回の作画では「Layerd QL」の表示は無かったけど、メーター自体が積層化してますね。
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関連サイト
■ ZEGAPAIN (アニメ公式サイト)■ ゼーガペイン Blu-ray BOX (バンダイビジュアル)
■ アニメ ゼーガペイン (BS11デジタル)
■ あにてれ ゼーガペイン (テレビ東京)
■ ゼーガペイン (Wikipedia)