[レビュー] みなみけ(第1期) ドラマCD
今更感もなんのその!みなみけ(第1期) ドラマCDのレビューです。
商品概要
このCDは、南家3姉妹の平凡な日常を淡々と描いたものです。
TVアニメ「みなみけ」がドラマCDになって登場!シリーズ構成・あおしまたかし氏による、このCDのための書き下ろしストーリーを収録!
(帯のキャッチコピーから)
このドラマCDは「みなみけ」(第1期・最終回)が放送された約1ヶ月後、2008年1月23日に発売されました。上記キャッチコピーにあるとおり、収録されているエピソードはあおしまたかし氏による書き下ろしです。収録話数は全部で10本あり、どれもこのドラマCDのためのオリジナル脚本ですが、原作との整合性がとれているので安心して聴くことができます。
パッケージ内容
![]() 帯(キャップ)とケース表側 |
![]() ケース裏側 |
![]() ケースを開いたところ |
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![]() ブックレットを開いたところ |
ジャケットはキャラクターデザイン・総作画監督を担当された越智信次氏の描き下ろし。CDケースは一般的なジュエルケースです。ブックレットは三つ折り仕様で、INDEX、スタッフ・声優リスト等が記載されています。解説やコメント等はありません。また、使用されている画像もアニメのもので、描き下ろしイラスト等はありません。ドラマCDでよくあるパターンですね。まあドラマ自体がスゴク面白いので、ブックレットが簡易仕様でもNo problem!
収録内容
このドラマCDは全部で10トラックあり、各トラックのサブタイトルと収録時間は下表のとおり。10トラック目の最後には出演声優による一言(役名と名前)が約1分入っています。
TRK | 内容 | 収録時間 |
1 | ごろごろ | 05:53 |
2 | 漫画家じゃないぞ | 06:32 |
3 | なにが? | 05:32 |
4 | 長く煮込むほど | 07:06 |
5 | 真実 | 05:58 |
6 | オフサイドだ | 06:13 |
7 | 糖分が | 06:32 |
8 | 妥協 | 05:30 |
9 | 決まり手は | 05:21 |
10 | 立ちなさいよ | 06:38 |
収録時間合計 | 61:15 |
キャスト/スタッフ
ドラマCDに出演しているキャスト、スタッフはブックレット等から引用しておきます。
CAST
南春香:佐藤利奈/南夏奈:井上麻里奈/南千秋:茅原実里
南冬馬:水樹奈々/藤岡:柿原徹也/保坂:小野大輔
内田:喜多村英梨/吉野:豊崎愛生/マコト:森永理科
マキ:高木礼子/アツコ:小野涼子/速水:千葉紗子
南ナツキ:吉野裕行/南アキラ:葉山達也/男子部員:中西英樹/男子部員:佐藤拓也
STAFF
原作:桜場コハル「みなみけ」(講談社「週刊ヤングマガジン」連載)
脚本:あおしまたかし/音響監督:蝦名恭範/音楽:三澤康広/効果:山谷尚人(サウンドボックス)/録音調整:川畑初/録音助手:渡邊邦昭
録音スタジオ:スタジオユニ/音響制作:マジックカプセル/音響制作担当:濱野高年/原盤提供:KING RECORDS
ジャケットイラスト:越智信次/イラスト彩色:渋谷圭子、馬庭由佳/イラスト背景:赤上由峰
エグゼクティブプロデューサー:上玉利純宏(Frontier Works)
プロデューサー:シバタミツテル(Frontier Works)、寺田純一(Frontier Works)/製作:フロンティアワークス
SPECIAL THANKS
童夢
ヤングマガジン編集部
綱川順一(講談社)、松下卓也(講談社)、山谷奈久留(講談社)
大月俊倫(KING RECORDS)、山中隆弘(KING RECORDS)
高岡広明(SATZ)
みなみけ製作委員会
各話感想
以下、このドラマCDに収録されている各話の内容(冒頭部分)と感想です。登場している主要キャラも併記してあります。
01 | ごろごろ | ||||||||||||
春香 | 夏奈 | 千秋 | 冬馬 | 藤岡 | 保坂 | 内田 | 吉野 | マコト | マキ | アツコ | 速水 | ナツキ | アキラ |
○ | ○ | ○ | × | × | × | × | × | × | × | × | × | × | × |
《 ストーリー 》 チアキが帰宅したところ、玄関でカナがゴロゴロ寝転んでいた。理由を尋ねると、夕刊を取りに玄関まで転がって来たらしい。疲れていたので歩くのが面倒だったとのこと。チアキは呆れ果て、そんなバカ野郎をテキトーにあしらい、リビングへと向かう。ところが、チアキの目に飛び込んできたのは、ゴロゴロ寝転がっているハルカの姿であった・・・。 |
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《 感想 》 カナの広島カープネタ、ハルカのなまけものネタ、チアキのハルカ崇拝ネタを上手く使っています。いかにも、あおしまたかし氏らしいオリジナルドラマです。意外だったのは、ハルカが自分のことを「お姉ちゃん」と呼んでた件。ハルカ姉さまの一人称は基本的に「私」なので、新鮮な感動と こそばゆさでキュンキュンしちゃいましたよ。 |
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02 | 漫画家じゃないぞ | ||||||||||||
春香 | 夏奈 | 千秋 | 冬馬 | 藤岡 | 保坂 | 内田 | 吉野 | マコト | マキ | アツコ | 速水 | ナツキ | アキラ |
○ | ○ | ○ | × | ○ | × | × | × | × | × | × | × | × | × |
《 ストーリー 》 TV番組のペット特集を見ていた3姉妹。ハルカとチアキはペットの話で盛り上がるが、3姉妹の住んでいるマンションはペット禁止なので、残念ながら飼うことはできない。そんな中、カナが「うちにはもうペットがいる」と言い出す。「ふじおか」がペットだというのだ。ところがハルカとチアキは「ふじおか」を「藤岡」と勘違いして・・・。 |
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《 感想 》 初っ端のTV番組(ふんどしペット特集)でニヤリ。そして「ふじおか」を「藤岡」と誤解する勘違いネタに思わずクスリ(笑)。サブタイトルの「漫画家じゃないぞ」は劇中のカナのセリフから。原作でも、セリフの一部がサブタイトルになっていることが多々ありますね。 |
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03 | なにが? | ||||||||||||
春香 | 夏奈 | 千秋 | 冬馬 | 藤岡 | 保坂 | 内田 | 吉野 | マコト | マキ | アツコ | 速水 | ナツキ | アキラ |
× | ○ | ○ | ○ | × | × | ○ | ○ | × | × | × | × | × | × |
《 ストーリー 》 ある日の南家マンション。トウマ、内田、吉野の面々が集まっている。集合をかけたのはカナで、「最近、チアキが私を疎ましく思っているようだ」と相談を持ちかける。女子小学生の皆さんはカナに原因があると指摘し、特に吉野に至っては「今更だよね?」と手厳しい。そして、4人でわいわいがやがやしていたところに、買い物に出掛けていたチアキが帰宅して・・・。 |
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《 感想 》 ブラック吉野ちゃんキタ━━゜+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゜━━ ッ ! 吉野ちゃんの下の名前が不明な件&思わせぶりな態度をとる件、チアキが炭酸飲料好きな件&半分目が閉じている件、といった「みなみけ」のコアなネタが、さり気なく使われています。「今日の5の2」ドラマCD第1巻では、鴻野貴光氏がツバサの「君付け」呼称をネタにしてたけど、アニメ1期のスタッフはコハル先生作品をよく研究してますね~。 |
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04 | 長く煮込むほど | ||||||||||||
春香 | 夏奈 | 千秋 | 冬馬 | 藤岡 | 保坂 | 内田 | 吉野 | マコト | マキ | アツコ | 速水 | ナツキ | アキラ |
× | × | × | × | × | ○ | × | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | × |
《 ストーリー 》 高校の昼休みの時間。ナツキは保坂に呼び止められ、家庭科室に同行させられる。保坂はハルカに捧げる料理を作るため、料理経験が豊富なナツキに白羽の矢を立てたらしい。そして肝心の料理の品目はカレーだった。弁当ではルーが冷えて固まってしまうため、今から熱々のカレーを作るのだという・・・。 |
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《 感想 》 このドラマCDの発売日は2008年1月28日。保坂のカレー回(第113話『妖精』)がヤンマガに掲載されたのは2008年9月1日。なんと半年以上も前に、保坂のカレーを予言していたとは!「みなみけ」の原作では、第14話『たくらんでる』、第41話『全然ダメ』、第85話『隠すな』にカレーが登場してはいるものの、保坂とカレーの組合せはそれまで一度もありませんでした。また、このドラマCDではマキやアツコたちをオチ要員として登場させていてます。その点も含めて、あおしま氏恐るべし!!としか言いようがないっす。 |
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05 | 真実 | ||||||||||||
春香 | 夏奈 | 千秋 | 冬馬 | 藤岡 | 保坂 | 内田 | 吉野 | マコト | マキ | アツコ | 速水 | ナツキ | アキラ |
× | ○ | ○ | × | × | × | ○ | ○ | × | × | × | × | × | × |
《 ストーリー 》 ある日の小学校。チアキは内田や吉野から「ツンデレ」だと言われる。意味が分からないチアキは、帰宅後、カナに尋ねようとするが・・・。 |
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《 感想 》 チアキがツンデレの意味をカナに訊こうとした際の、心の葛藤が面白い。そして、まさかアレがオチに使われるとは!!(笑) |
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06 | オフサイドだ | ||||||||||||
春香 | 夏奈 | 千秋 | 冬馬 | 藤岡 | 保坂 | 内田 | 吉野 | マコト | マキ | アツコ | 速水 | ナツキ | アキラ |
○ | ○ | ○ | × | ○ | × | × | × | × | × | × | × | × | ○ |
《 ストーリー 》 藤岡が南家マンションにやって来た。チアキやハルカとは、サッカーの練習試合の話題で盛り上がるが、カナだけはギスギスしたようす。どうやら原因は、アキラを巻き込んだ中学校での出来事にあるらしい・・・。 |
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《 感想 》 第2話『お手紙』の黄金の右、第51話『手は出しません』&第64話『呼べッ』の番長ネタを使い、その後の藤岡・カナ・アキラの三角関係(?)を描いたお話。アキラの脳細胞は相変わらずピンク一色のもよう。サブタイトルの「オフサイドだ」はカナのセリフの一部ですが、オフサイド以前に、カナの行為はレッドカードの一発退場ものです(笑)。 |
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07 | 糖分が | ||||||||||||
春香 | 夏奈 | 千秋 | 冬馬 | 藤岡 | 保坂 | 内田 | 吉野 | マコト | マキ | アツコ | 速水 | ナツキ | アキラ |
× | ○ | ○ | ○ | × | × | × | × | × | × | × | × | × | × |
《 ストーリー 》 とある日の南家マンション。チアキとトウマが取っ組み合いの喧嘩をしていたところに、カナが帰宅する。カナは喧嘩の理由を尋ねるが、当のチアキたちはその理由を忘れたという。そうこうしているうちに、再び始まるチアキとトウマのバトル。そのようすを見たカナは「糖分が足りないと怒りっぽくなる」と言い、二人に冷蔵庫のシュークリームを食べるよう勧めるが・・・。 |
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《 感想 》 人様のスイーツを本人の居ぬまに勝手に食べてしまうという、「みなみけ」では定番の話。劇中では特に触れられてなかったけど、冷蔵庫のシュークリームは駅前の角のあの店の品に違いない。(キリッ |
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08 | 妥協 | ||||||||||||
春香 | 夏奈 | 千秋 | 冬馬 | 藤岡 | 保坂 | 内田 | 吉野 | マコト | マキ | アツコ | 速水 | ナツキ | アキラ |
× | × | × | × | × | ○ | × | × | × | ○ | ○ | ○ | × | × |
《 ストーリー 》 高校の放課後。体育館では男女バレー部の練習が行われていた。男子バレー部を引っ張る保坂の姿を見て、「保坂先輩は男子部員に慕われている」と言うアツコ。しかし、マキは「気持ちグロ悪い」と一刀両断し、「あの人には隙を見せてはダメ」とアツコを諭す。この後、速水が登場し話に加わるが・・・。 |
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《 感想 》 誰しもが忘れかけていた、保坂の当初の目的(ハルカに汗を拭いてもらうこと)をネタに使った会心のストーリー!!さすがアニメ1期のスタッフらしく、保坂の気持ち悪さのベクトルを完璧に把握しております。 |
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09 | 決まり手は | ||||||||||||
春香 | 夏奈 | 千秋 | 冬馬 | 藤岡 | 保坂 | 内田 | 吉野 | マコト | マキ | アツコ | 速水 | ナツキ | アキラ |
○ | ○ | ○ | × | × | × | × | × | ○ | × | × | × | × | × |
《 ストーリー 》 マコちゃんに変装し、南家マンションに遊びに来ていたマコト。長居しすぎてしまい、外は暗くなり始めていた。マコちゃんのことを完全に女の子と認識しているハルカは、自宅まで送っていくという。しかし、自宅が分かることは、正体がバレることと同義である。困ったマコちゃんはカナに助け船を求めるが、この事態を楽しんでいるカナは「泊まっていけばいいじゃん」と言い放つ・・・。 |
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《 感想 》 原作にあっても全く違和感の無い話。マコちゃんがお泊まりする云々といったエピソードは、今のところ原作にはありませんが、それに近いシチュエーションは第139話『だらだら』で描かれています。 |
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10 | 立ちなさいよ | ||||||||||||
春香 | 夏奈 | 千秋 | 冬馬 | 藤岡 | 保坂 | 内田 | 吉野 | マコト | マキ | アツコ | 速水 | ナツキ | アキラ |
○ | ○ | ○ | ○ | × | × | × | × | × | × | × | × | × | × |
《 ストーリー 》 南家マンションを訪れたトウマ。いつものように勝手に上がり込みリビングに向かったが、そこで目にした光景はいつもとは違っていた。三姉妹が部屋の中でゴロゴロと転がっていたのだ。トウマは唖然となり、当初は批判的な態度をとっていたが、徐々に三姉妹のペースに巻き込まれて・・・。 |
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《 感想 》 1トラック目に続き、ゴロゴロネタ再び。今度は三姉妹全員がゴロゴロしています。ストーリーの主軸はハルカ姉さまの怠け者ネタで、自分のことを「お姉ちゃん」と呼ぶ発言も再登場!全般的にグダグダ感を強調した展開(これはこれであり)になっていますが、ちゃんとオチが付いている点は流石です。 |
まとめ
オリジナル脚本で、ここまで「みなみけ」の雰囲気を出せるのは流石。原作にあったネタを使い、後日談的なストーリーを構築し、キャラのセリフや行動にも全く違和感がなく、聴いていて思わずニヤリ。ドラマCDなので、当然のことながら声しか入っていませんが、脳内にはキャラの絵が浮かんできます。これを聴いてしまうと、アニメ2期で“おつまみ”されたエピソードを、1期のライター陣で作り直してくれ!って言いたくなりますね。
なお、あおしま氏が脚本を書いたオーディオドラマとしては、DVD初回限定版(1~4巻)の特典CDに収録されているミニドラマ(全13話)があります。あと、みなみけ 5の2合同ライブのショートコントもオススメ!シナリオライターの名前こそ明記されていませんが、「みなみけ」と「今日の5の2」のキャラの絡みがあることから、鴻野貴光氏を中心としたアニメ1期・ライター陣の仕事と思われます。キャラの組み合わせ(例:保坂とカズミ等)も絶妙で、「みなみけ」や「今日の5の2」のコアなネタ(例:“おかしなこと”等)が満載!そして何よりコント自体のクオリティも高い。なので、まだ鑑賞されていない方には激しくオススメします!
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関連サイト
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■ みなみけ (Wikipedia)