「炎のらびりんす」の魅力について語る
最近、スタジオ・ファンタジア作品がマイブームになっていて、以前購入したDVDを片っ端から見まくっております。今回とりあげた「炎のらびりんす」もその一つ。制作時期は「AIKa」と「ナジカ電撃作戦」の間に位置し、それら有名作品の狭間に埋もれた感があります。また、OVAとして発売されたため、その存在すら知らない人も多いことでしょう。まあそんなわけで、作品紹介も兼ねてさくっとレビューを書いてみました。

「炎のらびりんす」とは
![]() ロシア語が目立つタイトル |
![]() パンチラが社是のスタジオ・ファンタジア |
「炎のらびりんす」は「パンチラが社是」※というスタジオ・ファンタジアが制作した、無国籍風お色気チャンバラ・ドタバタアニメです。OVA作品(全2巻)として制作され、2000年9月25日に上巻、2000年12月21日に下巻がバンダイビジュアルより発売されました。DVDのパッケージ等には、Пламенный лабиринтというロシア語表記の作品タイトルが印刷されていて、日本語表記のタイトルよりも遥かに目立っています。スタジオ・ファンタジア作品を知る人にとっては、思わずニヤリですな(笑)。
舞台はそのロシア。シベリア平原に存在する秘密閉鎖都市・ラビリンス4なる場所。主人公は、西島監督作品としては非常に珍しい男子キャラです。この作品は、もともと真面目な時代劇として制作がスタートし、途中で路線変更。その名残で、男子キャラが主人公になったとのこと。
ロシアで剣劇というプロットは、キャラクターデザイン担当の山内則康さんの発案に、西島監督が乗ったもの。山内さんのロシア好きというのは有名ですが、DVD第1巻のブックレット(インタビュー)によると、北海道に住んでいた頃にミグ25事件があり、それの影響らしいです。インタビュー記事を読んで思ったのですが、あの事件が起きなければ、このアニメはもちろんのこと、AIKaとかナジカ電撃作戦、ストラトス・フォーも制作されなかった可能性が高そうですね。更に、パンツ・アニメの進化も10年ぐらい遅れていたことでしょう(笑)。まさか、あの亡命騒動が日本のアニメ史に大きな影響を与えていたとは驚きです!とりあえず、ありがとう!ベレンコ中尉!!
※ストラトス・フォー DVD第1巻[AA]の映像特典のテロップから。
炎のらびりんす 上巻
上巻には第1話『ちょんまげ らびりんす? らぶりんす?』が収録されてます。パッケージ、初回特典等は次のとおり。残念ながら映像特典は無し。

左から炎のすけすけジャケット、ジャケット、ブックレット、炎のおいろけピンナップ、DISCレーベル
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炎のすけすけジャケット、ジャケット、炎のおいろけピンナップのイラストは、トビモノガールズ 山内則康 画集に全て再録されています。(下巻も同様)
![]() 炎のお色気チャプター |
![]() サブタイトル |
主要スタッフ、キャスト、あらすじ等はDVDジャケットから引用しておきます。
監督:西島克彦/脚本:金巻兼一/キャラクターデザイン:山内則康/アニメーション制作:スタジオファンタジア
ガラン:遠近孝一/夏姫:増田ゆき/カスミ:田村ゆかり/心花:佐々木揺子/伊達ノ進:千葉進歩/キャリー:金月真美/ナスターシャ:浅野るり/他
青い瞳の侍が斬る!
恋と野望と剣が織りなす世界・・・その名はラビリンス
魅せる魅せます魅させます!お約束のお色気万華鏡
時は、今をさかのぼること百数十年前の幕末期。戦火を逃れるため、葵一族は自らの生きる新天地としてロシアに秘密閉鎖都市ラビリンス4を築き、独自の繁栄を続けていた。
そして現代。一族の末裔夏姫はある夏、時代劇オタクの学友ガランを引き連れ、ラビリンス4へ里帰りをする。そこで父であり葵家当主である重光に、なんとガランとの婚姻を告白。かくして口火を切った葵家の御家騒動は、意外な人物らの野望にも巻き込まれ、思わぬ事態へ展開するのであった・・・。
ローアングルセクシーアニメで業界を震撼させた最強タッグ、西島克彦&山内則康が、またまた構想も新たに、笑いありアクションありお色気ありの痛快時代劇に挑戦!これぞ「西島流」剣劇活劇!いざ尋常に、勝負!!
(DVD上巻 ジャケット裏面から)
炎のらびりんす 下巻
第2話『おたから らびりんす? らぶりんす?』が収録されています。上巻同様、映像特典はありません。

左から炎のすけすけジャケット、ジャケット、ブックレット、炎のおいろけピンナップ、DISCレーベル
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キャラクターデザインは山内則康さんですが、OP映像には「キャラクターデザイン協力」として菊地洋子さんのお名前もクレジットされております。どのキャラがそうなのかはアナウンスされていませんが、伊達ノ進あたりかな?菊地さんが携わっていた「カードキャプターさくら」に出て来そうなデザインだし。
![]() 炎のお色気チャプター |
![]() サブタイトル |
主要スタッフ、キャスト、あらすじ等は次のとおり。
監督:西島克彦/脚本:金巻兼一/キャラクターデザイン:山内則康/アニメーション制作:スタジオファンタジア
ガラン:遠近孝一/夏姫:増田ゆき/カスミ:田村ゆかり/心花:佐々木揺子/伊達ノ進:千葉進歩/キャリー:金月真美/ナスターシャ:浅野るり/葵 重光:飯塚昭三/男A:浜田賢二/男B:柳知樹/ナレーション:中江真司
武士道とは、恋と冒険に生きるものなり?! 「これは夏殿から頂いた、俺にとっては大事なもの・・・命を賭けて守ってみせるぞ!」
恋と野望のラビリンス、多くの人を迷わせたこの迷路もついに完結!!。
ナスターシャ達の突然の急襲になすすべもなく翻弄されるガラン。やはりにわか仕込みの剣術では勝つ事ができず苦戦する。一方夏姫は、ナスターシャ達の狙いが、葵家秘伝の御神刀だと知らされる。もはや事態は結婚話どころではない。更に父、重光を問い詰める夏姫に、御神刀の持つ本当の意味が明かされる・・・。
西島克彦&山内則康の最強タッグが世に放つ、無国籍時代劇(?)もついにクライマックスへ!
何故、葵家は海を渡り、このロシアに秘密都市ラビリンス4を建造したのか?御神刀に秘められた謎とは?正体をくらました伊達ノ進の行方は?そして、圧倒的な力を持つ敵を前に、ガランは真の侍に開眼できるのか?全ての謎が今ここに終結する!!
(DVD下巻 ジャケット裏面から)
キャラクター
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ガラン (CV:遠近孝一) 本作品の主人公。モスクワにある大学に通っているロシア人の青年(23歳)。時代劇マニアで、侍になることを夢見ている熱血バカ。夏とは大学の学友。夏から本物の刀をプレゼントされ大喜びし、更に夏の実家に日本刀がゴロゴロ転がっていると聞き、夏と一緒に彼女の故郷を訪れることに。ところが、これが予期せぬ事態を招いてしまう。 |
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葵 夏 (CV:増田ゆき) シベリア平原に存在する閉鎖都市ラビリンス4の当主・葵重光の娘(19歳)。名前から分かるとおり日本人。次期当主に内定している伊達ノ進とは幼なじみで、許嫁にされている。しかし、父親の一方的なやり方に反発。当主の印である御神刀をガランにプレゼントしてしまう。そして、父親が決めた見合い話を壊すべく、ガランを引き連れ実家に戻るが・・・。 |
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かすみ (CV:田村ゆかり) 重光から夏の世話係兼警護の任を受けている忍びの一族の娘(18歳)。いちおう、くノ一なのだが病弱なため、常に点滴装置を携えながら任務に当たっている。夏の許嫁の伊達ノ進を慕っているが、彼が困っている姿を影から見て喜ぶというドSな一面もある。忍者としての力量は意外と高く、とある状況になるとその真価を発揮するが、長続きしないのが玉に瑕。別名・ドーピング忍者。 |
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心花 (CV:佐々木遥子) 重光の妹で夏の叔母にあたり、葵流長刀術の師範代をしている美女(32歳)。袴姿からは想像できないが、実はかなりの巨乳。重光のおバカな行動に釘を刺すことができる、唯一の人物。夏からも慕われている。 |
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加賀美 伊達ノ進 (CV:千葉進歩) 夏の許嫁であり、幼なじみのイケメン剣士(25歳)。重光の命令で仕方なく謎の覆面剣士となり、御神刀奪還のためガランを襲う。しかし、その現場に居合わせた心花に正体を見破られ、ナスターシャたちが起こした事件のえん罪も被り、さんざんな目に・・・。 |
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キャリー・ホワイト (CV:金月真美) ラビリンス4を取材に来た、ナイス♥オッパイなフリー・ルポライター(25歳)。葵家の屋敷に滞在し、夏たちと交流を深めているが、裏では何やら探っているらしい。それもそのはず、実は某国際有名組織の○○○なのだ。すごいベタな設定、だがそれがいい(笑)。 |
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エローラ・スッパータカ (左/CV:なし) 重光を色気でかどわかし、ガールフレンドとして葵家の屋敷に住んでいる。エロいコスチュームを身に纏った、ナイスバディな24歳。妙なダンスを踊り、傀儡人形を武器として操ることができる。ちなみに一言も喋らない。 ナスターシャ・ニジンスカヤ※ (右/CV:浅野るり) エロリーナの仲間で、重光のガールフレンド(25歳)。ふんどしみたいな紐パンをはいた、セクシーなお姉さん。ギロチントルネードという、ちょっとエッチでバカな必殺技をもつ。 ※ブックレットでは「ニジンスキー」となっているが、ский(スキー)の女性形はская(スカヤ)なので誤表記と思われる。実は男であったという裏設定が無ければの話だけど(笑)。 |
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葵 重光 (CV:飯塚昭三) ラビリンス4の七代目当主にして夏の父親(47歳)。かなりのエロじじい。夏のことを思い、伊達ノ進との見合い話を進めるが、夏の反発を買ってしまう。また、ガールフレンドとしてはべらしていたナスターシャ&エローラが、とんでもない事態を引き起こし、四面楚歌な状態に・・・。 |
「炎のらびりんす」の見所
「炎のらびりんす」は頭を空っぽにして見れる、お色気バカアニメ(褒め言葉)です。ただし、見所はビジュアル面のみで、ストーリーに見せ場はありません(笑)。また、ギャグのテイストに多少古くささを感じますが、それも西島監督ならではの一種のパロディなのでしょう。上巻は平成っぽいノリなのに、下巻になったとたん画面から溢れる昭和な雰囲気。リアルなパンツ描写を除けば、もう完全に昭和時代のOVAです。DVDブックレットのインタビューで、西島監督が「うる星やつら」の名前をあげているので、昭和アニメへのリスペクトなのかも。
見所① ぱん(゚∀゚)つぅ!まる見え!

数あるパンツシーンのごく一部です
パンツの描き込みとか、パンツの中身の肉感が半端ない!さすが銃と航空機とパンツの権威の山内さん。特にこの作品は時代劇をモチーフにしていることもあり、夏やかすみ、心花がはいているパンツは六尺褌みたいな紐パン(Tフロント)になってます。キャリーがはいている白パンとの対比がお見事!(*゚∀゚)=3
見所② ( ゚∀゚)o彡゜オッパイ!オッパイ!

数あるオッパイシーンのごく一部です
実は個人的にはパンツよりも、こっちの方が見所。揺れまくるキャリーの「ナイスパイパイ」とか、エローラの乳の先端ポッチ、押し潰される心花様の爆乳、それほど大きくないけどかすみの裸エプロン姿 等々、巨乳好きには堪えられません。これであとポロリさえあれば、言うこと無しだったのに⋯。
見所③ シュールでエロいエンディング

夏とキャリーのキャプチャ画像を連結してみました
半裸美少女&美女の1枚絵が、横パンで淡々と流されるエンディング映像。しかも、EDテーマ曲は何故かロシア民謡の「カリンカ」。これも、ロシア萌え~な山内康則さんの趣味と思われますが、このミスマッチ感が妙なエロティシズムを醸していてグッド (`∀゚)b
まとめ
まあそんな感じで、パンツとオッパイでお腹一杯になれる「炎のらびりんす」ですが、生粋のバカアニメ好きの方、スタジオ・ファンタジア作品に愛着がある方、山内則康さんの描くセクシーな女性キャラが好きな方、西島監督作品のノリが好きという方にはオススメしておきます。
ちなみに、DVDは販売オンリーのため、レンタルでは鑑賞することは出来ません。また、今のところバンダイビジュアルの廉価版DVDシリーズ「EMOTION the Best」のラインナップにも含まれていません。この作品をちゃんと見るには、定価で6,000円弱するDVDを2巻を購入するか、バンダイチャンネルShowTime等の有料デジタルコンテンツ配信サービスを利用することになります。ただ、今年の8月にEMOTION the Bestストラトス・フォー TV-BOX [DVD][AA]と
EMOTION the Bestストラトス・フォー OVA-BOX [DVD][AA]が発売されるので、もしかしたら近いうちに何らかの動きがあるかも。
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関連サイト
■ 炎のらびりんす 上巻 (バンダイビジュアル公式)■ 炎のらびりんす 下巻<最終巻> (バンダイビジュアル公式)
■ スタジオ・ファンタジア (制作会社 公式サイト)
■ 炎のらびりんす (Wikipedia)