[レビュー] カラー詳解 ヒーローたちのGUN図鑑
本屋でミリターリーコーナーを眺めていたら、カラー詳解 ヒーローたちのGUN図鑑という銃器解説本を発見!パラパラとページをめくったところ、映画やアニメ等に登場した銃を集めた本だったので、ついつい買ってしまいました。

概要
本書は映画やドラマ、アニメ、漫画等に登場した銃を集め、銃および作品について簡単な解説を加えたムックです。発行元は学習研究社(学研)で、著者は戦史研究家の白石光さん。発行日はけっこう新しく、2009年7月28日となっています。判型はB6判で、総ページ数は256頁。かなりボリュームがありますが、値段は意外と抑えられていて税込で600円。ほぼオールカラー印刷なので、お買い得感がありますね。
主な内容
章別にご紹介します。
銃と作品の解説
銃と作品の解説ページはハンドガン、ライフル等の5種類に分類されていて、一つの銃につき2ページが割り当てられています。巻頭ページの著者のコメントによると、本書に掲載されている銃は最近の作品を中心に集めたもよう。(下記参照)
できるかぎり現時点(2009年6月現在)でDVDやブルーレイディスク、コミックスが発売されているものを中心に選びました。そのため、例えば『ウィンチェスター銃 '73』や『凶銃ルガーP08』のように、ベタなタイトルの作品であってもご紹介できなかったものもある点はご了承ください。
「はじめに」より
▊ Chapter①ハンドガン
ハンドガン部門はリボルバーやオートマチックが合計41種類。とりあげられている作品は洋画が多く、アニメ・マンガ関連は「PEACE MAKER」「Gun Smith Cats」「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」(左図)等の10作品のみ。
トグサの銃は架空のマテバM-M2007というモデルですが、マテバ M2006Mのページに掲載されています。銃ヲタの間ではマテバといえばトグサ、トグサといえばマテバというイメージが定着してますからね(笑)。
このムックがアニメ・マンガ専門だったとしたら、ベレッタM1934は「NOIR」とか「DARKER THAN BLACK」、ワルサーP99は「カウボーイビバップ」もしくは「キディ・グレイド」※あたりになったかもしれませんが、M1934は「007 ドクター・ノオ」、P99は「007 トゥモロー・ネバー・ダイ」でした。また、USSR方面ではトカレフTT-30/33しか載ってなく、「ナジカ電撃作戦」のスチェッキンAPSは是非とりあげて欲しかったorz
※「キディ・グレイド」のエクレールが使っているP99は架空モデルです。
▊ Chapter②ライフル
ライフルはボルトアクションライフル、アサルトライフル、スナイパーライフル等が全部で33挺収録。アニメ・マンガ関連では「ワイルダネス」のH&K G3や「MADLAX」のH&K PSG-1(右図)、超有名な「ゴルゴ13」のアサルトライフル等、5種類がピックアップされてます。
本屋の店頭で中身をチェックしていた際、MADLAXの怖い人のライフルが載ってて歓喜したのは言うまでもありません。もしこれが載って無かったら、買わずにスルーしていたことでしょう(笑)。
なお、このライフル部門にはアンチ・マテリアル・ライフルも含まれていますが、映画「ネイビー・シールズ」に登場したバレットM82A1の1種類だけ。この本の発行があと半年遅ければ、「DARKER THAN BLACK -流星の双子-」のPTRD1941もとりあげられたかもね!
えーと、それからSIG SG552は「アサルト13 要塞警察」になってたけど、最近のアニメでは「とある魔術の禁書目録」のアンチスキルですかね。
▊ Chapter③サブマシンガン
SMG部門はPDWを含めて12種類。全般的に古い銃が多めです。アニメ・マンガ作品では「GUNSLINGER GIRL」のFN P90(左図)ただ一つのみ。
Vz.61スコーピオンは映画「マトリックス」という順当な作品になってますが、アニメでは「ガングレイヴ」とか、かなりマイナーだけど「Venus Versus Virus」などに登場しています(笑)。ゲーム版「ファントム」のアインも使ってましたっけ。そういえば、何故かこの本ではゲームが一つもとりあげられていません。著者の守備範囲にゲームは含まれていないのかも。
▊ Chapter④マシンガン
マシンガン(機関銃)は全部で9種類。ヘビーマシンガン、ライトマシンガン、汎用機関銃等の名機がとりあげられています。アニメ関連では「ルパン三世 カリオストロの城」でオートジャイロを射撃したMG34、押井守監督の「人狼」で特機隊が装備していたMG42の2種類が掲載。
▊ Chapter⑤ショットガン その他
ショットガン(散弾銃)、グレネードランチャー(擲弾銃)、ロケットランチャーの傑作が7挺掲載。とりあげられている銃の数自体が少ない中、マンガ関連では「ブラック・ラグーン」のレヴィが使っていたコルトM79がピックアップされています。
弾薬の基礎知識
本書の銃の基礎知識ページでは、弾薬に関する基礎知識が掲載。「①構造、種類、名称」では基本構造、種類、口径がわかりやすく解説されてます。原寸大の写真もあり。
「②銃で撃たれると人はどうなるのか」というマニアックな記事では、弾丸形状(ホローポイント、フルメタルジャケット等)による銃創の違いを図解。頭部に被弾した場合とか、散弾を被弾した場合の説明も載ってます。
(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル
巻末にはハンドガンやライフル、SMG等の各部名称のガイドがあります。アサルトライフルではAK-47がとりあげられていますが、M4A1等のパーツ点数の多い銃の方が良かったような気も・・・。
まとめ
これまで、映画やアニメ等のエンタテインメント作品に登場する銃器は月刊アームズマガジンで特集を組むことがありましたが、本書のように独立した書籍(ムック)での企画は滅多にありません。しかも、単なる銃器解説にとどまらず、映画やアニメ作品に関するウンチクも記述されていて、思わずニヤリ。マニアックな視点での文章から、著者はちゃんと作品を見ていることが窺われます。銃器解説ページが全てカラーというのもポイント高いです。
ただ惜しむらくは、映画やドラマ等の実写作品に登場する銃が中心で、アニメや漫画は少なめで、ゲーム関してはゼロな点はちょっと残念かも。アニメやマンガに限定すると、ただでさえ少ない購買層が更に少なくなってしまうからでしょうね。まあそんな感じで、アニメ好きの銃ヲタ的には多少物足りなさがありますが、読み物としては非常によくまとめられています。値段はたったの600円(税込)だし、入門書としては勿論、マニアのみなさんにもオススメできる本ですね。
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