[マンガ感想] そんな未来はウソである 第1話
別冊少年マガジン2009年10月号(創刊1号)に掲載されている「そんな未来はウソである」Vol.1『ひょっとして』の感想です。
「そんな未来はウソである」第1話・扉絵
マンガの内容に触れています。未読の方はご注意ください。
作品概要
桜場コハル先生の新作「そんな未来はウソである」の連載がいよいよ始まりました。ヤングマガジン2009年No.41の告知には「超能力少女×超能力少女!」というキャッチコピーがあり、バトル物なのか百合モノなのか判断がつきませんでしたが、第1話を読んだ印象は後者に近いかも。
ただ、そうは言っても、ガチ百合という感じではありません、念のため(笑)。超能力を持った少女二人の関係を主軸にして、日常的で、ほんわかまったりした学園生活を描いていくといった感じです。担当編集さんが書いた「あおり文」や「柱文」が、それを的確に表現しています。
新感覚学園ショートコメディ新連載!!
(扉ページのあおり文①)フツーの高校生活に迷い込んだ
ふたつの異次元の力・・・・・・
(扉ページのあおり文②)現実的 なのに・・・幻想的 な12P(扉ページの柱文)
ページ数は12ページと少なめで、扉絵やコマ割、背景等の描き込みは「みなみけ」を踏襲。新連載を始めるということで、「みなみけ」執筆活動への影響が心配されましたが、気張って無理して描いているような印象も無く、月一連載だし大丈夫でしょう。
キャラクター
今回登場した名前ありのキャラクターは3人だけ。モノローグやセリフ等から、三人とも高校1年生。物語の時期は入学直後と思われます。舞台となる高校が女子校なのか共学校なのかは不明。P.269の4コマ目のモブキャラが男子なのか女子なのか、はっきりしません。
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名字は大橋。第1話の段階では下の名前は不明。「人と目を合わせると、その人の未来がちょっと見えてしまう」というプレコグニション能力の持ち主。自分の能力に戸惑っている節があるが、前の席に座っている江口に話しかけられた際、ついその力を使ってしまう。江口からは占い好きと誤解されことなきを得たが、隣の席の佐藤にウソだと気付かれてしまう・・・。 見た目は「みなみけ」のチアキだけど、性格は正反対のオドオド気弱系。コハル先生の作品では非常に珍しいタイプ。こういった性格のキャラは、トウマのクラスメイトの黒髪ロングヘアー少女以来かな。 |
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名字は佐藤。たぶん二人目の主人公。下の名前は不明。大橋の右隣の席に座っている。「他人がウソを言うと、ウソだとすぐにわかってしまう」という、一種のテレパシー能力を有する少女。大橋が江口に話した内容に不審を感じた彼女は、それを確認するため大橋に話しかる・・・。 外見はロングヘアーのトウマで、性格はそのまんま強気系。今後どこかでデレそうな予感。 |
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名字は江口。下の名前は不明。大橋と佐藤のクラスメイトで、大橋の前の席に座っている。俯きかげんな大橋のことを心配して話しかける。 ぱっと見は短髪の内田で、性格も明るく大雑把な感じ。ドジッ娘成分も入っていそう。 |
ストーリー
高校入学直後の1年生の教室。他人と目を合わせると、その人の未来が見えてしまうと言う大橋は、極力、人と目を合わせないようにしていた。そんな折り、大橋の様子がおかしいことに気付いた江口。心配して大橋に話しかけたところ、唐突に「『黒井ぼうしの人』に気をつけた方がいいよ」と言われ、大橋のことを占い好き少女と誤解する。
大橋の隣に座っている佐藤。彼女もまた超能力の持ち主であった。その能力とは他人がウソをつくと、それがウソだとわかってしまうというもの。大橋と江口の会話を横で聞いていた彼女は、大橋が変わったウソのつきかたをしたことに興味を持つ。そして、「私も占ってもらえる?」と大橋に話しかけたところ、おどおどした態度の大橋から「白いぼうしから目を離すと取り返しのつかないことになる」という回答を得る。しかし、佐藤は自前の能力を使い、大橋の言葉をウソだと断定。「あんたそれで人を騙す気あるの!?」と叱りつける。
一方、大橋にしてみれば、あまり具体的なことを言うと怪しまれると思い、意図的にぼかしてアドバイスしたのであるが、ウソと言われれば確かにウソ。本当のことを伝えていないのは事実である。大橋は恐縮して、佐藤に謝罪するが・・・。
下校途中、校内で噂のおいしいソフトクリームの店に向かう佐藤。今さっき大橋の占いをウソだと断定したものの、「黒いぼうしと白いぼうし」というフレーズが頭の片隅から消えないようすだ。そして、その事件は起きた。おいしいソフトクリームを買い、それをうっとり眺める江口。前から近付いて来る男性に気付かず、すれ違いざまにぶつかり、ソフトクリームを地面に落としてしまったのだ。しかも、その男性が被っていたぼうしの色は、大橋が言っていた「黒」。
たまたま、その一部始終を見ていた佐藤は、まさかの展開に愕然となる。更に、驚くべきことはそれだけではなかった。その直後、佐藤もまた手にしていたソフトクリームを地面に落としてしまう。「白いぼうしから目を離すと取り返しのつかないことになる」。大橋の占いに出て来た「白いぼうし」とはソフトクリームのことだったのだ・・・。
感想
第1話の感想を一言でいうと、いかにもコハル先生らしい日常系エスパー少女の物語。登場キャラの会話には「みなみけ」で培われた絶妙な間合いが反映。そして、作品全体に流れる不思議な雰囲気は、どこか懐かしいジュブナイル小説を彷彿させます。
少年誌での日常系エスパー少女の物語というと、「エスパー魔美」を真っ先に思い出しますが、「エスパー魔美」の主人公・佐倉魔美が積極的に能力を使っていこうという姿勢なのに対して、「そんな未来はウソである」の主人公の二人は能力に戸惑い、どちらかというと隠そうというスタンス。「七瀬ふたたび」に近いですね。くしくも、大橋のプレコグニション能力と佐藤のテレパシー能力は、「七瀬ふたたび」の岩淵恒夫と火田七瀬と一緒ですし。
ただ、「そんな未来は―」は「ショートコメディ」ということなので、「孤独なエスパーたちの出会いと絆」は描かれることはあっても、壮絶な「戦い」は無さそう。読者もそれを望まないでしょう(笑)。戦いよりも、ガチ百合を!バキッ!!☆/(x_x)
創刊記念プレゼント
別冊少年マガジン創刊記念ということで、アンケートに答えた人の中から抽選でプレゼントが当たります。「そんなウソ―」関係ではクオカ(「どうぶつの国」とセット)が10名様に!応募は巻末に記載されているケータイサイトで受付中。応募期間は2009年10月8日PM9:00迄です。

別マガ特製クオカ2枚組
別冊少年マガジン創刊号の表紙&次号予告
本屋やコンビニで別マガ創刊号を探す際には、この表紙が目印です。表紙左上には「そんな未来はウソである」のカラーイラストも印刷されています。
![]() 表紙&背表紙 |
![]() 表紙の部分拡大 |
次号「別冊少年マガジン」創刊第2号は2009年10月9日(金)の発売。
今回は特別定価ということで380円(税込)でしたが、次号は500円(税込)となりますのでご注意を!
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関連サイト
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