[アニメ感想] Phantom~Requiem for the Phantom~ 第23話 「決断」
第23話 「決断」
アニメや原作ゲームの内容に触れています。ネタバレにご注意ください。
あらすじ
第23話のあらすじはテレビ東京・あにてれ Phantom~Requiem for the Phantom~から引用しておきます。
リズィの乱入で興が冷めたのか、キャルは素直に退いた。2年ぶりの再会・・・しかし、玲二とリズィは互いに懐かしさにひたることはない。リズィは玲二にキャルを抑え切れなくなるのは時間の問題だと忠告し、クロウディアの分まで今を生きろと言い残し去って行く。
逃亡までの時間を稼ぐための切り札として、玲二は、彼に想いを寄せる梧桐組組長の娘・美緒を利用し、梧桐組の現若頭である志賀を介してインフェルノに圧力をかける。しかし、上層部の決定に納得の行く筈もないキャルは、玲二の前に単身現れる。
「お前の手にかかるなら・・・相応の報いだ。ただ、江漣・・・アインだけは見逃してほしい」
自分を捨てた玲二に、死んでも守りたいと思う相手がいる・・・。玲二の言葉にキャルは激昂し、玲二を殴りつけ立ち去る。だが、その夜どういうつもりかキャルは美緒の前に姿を現わす・・・。
ストーリー&感想
この第23話を入れて残り4話となりましたが、いよいよストーリーが急展開!今回は原作ゲーム第3章・中盤の後半寄りに位置するエピソードをアニメ化したものです。構成的に見ると、エピソードの順番や時間軸が部分的に入れ替えられていますが、内容的にはほぼゲーム準拠。また、Bパートの玲二とドライの電話での会話シーンは、ゲームならば今後の展開を左右するフラグが立つ重要な場面です。区切りのいいところ(ゲームでいうと選択肢が出たところ)で終了していましたが、次回予告を見るとバレバレですね(笑)。
Aパート

《2009年9月6日・追記》 コメントいただいた情報をもとに、このシーンのあらすじ、原作との比較等を修正させていただきました。^_^; |
時間軸は遡り、季節は夏。掃除の時間、手を動かさずに窓の外を眺めていた玲二に、早苗が声を掛ける。
「こらさぼるな!転校生・・・お掃除」
早苗や比呂乃による玲二の印象は“変な奴”、“天然”・・・。『殺し屋』という、本当の正体は隠せているようだ。
そして下校時間、美緒が校門を出たところ、玲二と江漣が空に掛かった虹を見上げている場面に出くわす。二人が話している会話を耳にした彼女は、玲二の言葉を聞き、彼の人となりに惹かれていく・・・。
CM明け直後、サブタイトルが表示される前のシーンはアニメオリジナルです。原作ゲームの構成では、玲二と早苗がデートをした後、翌週の月曜日~火曜日の状況が挿入されています。その内容は下記のとおり。ナレーションと玲二のモノローグで、彼のうわの空ぶりを描いています。
「その後の日々は平穏そのものだった」
というナレーション(テキスト)で始まり、玲二のモノローグ――
「キャルは知ってる筈だ。俺が本気で美緒を巻き込む気がないって。それがインフェルノや梧桐組に知られたら一巻の終わりなんだが・・・なのに、まるで動きがない」
が続き、けっきょく週明け二日目の火曜日になっても何も起きないという状況です。そして、玲二はキャルの動向に不審を抱きつつも、間近に迫った期末試験で悶々とした学校生活を送ることに。

篠倉学園の外れにある礼拝堂。陽の光を透かして輝く壮麗なステンドグラスのもとで、逃走計画について確認する玲二と江漣。船の出航は来週の月曜日の夜中、場所は小樽の港。ここでの生活はあと五日となった。このままインフェルノが見逃してくれることを願う二人であったが、気がかりなのはキャルの動向だった・・・。
ゲームのこの場面は、玲二と美緒が映画館デートをした後、翌週の水曜日の昼休みという設定になっています。玲二と江漣の会話で語られている内容は、ほぼ原作ゲーム準拠です。
なお、アニメでは江漣が――
「船の出航は月曜の夜中、夕方までには小樽で迎えの人間と合流しておく必要がある」
と言ってましたが、ゲームでは次のナレーション(テキスト)で語られています。
「先週末にエレンが出向いた交渉は上首尾に終わっていた。密輸船の出航は月曜の夜半。夜までには小樽で迎えの人間と合流しなければならない」(PS2版のナレーションから)
また、アニメの玲二のセリフ――
「後を濁したくはない。何も残さず、煙のように消えることができれば・・・」
も、ゲームではナレーションで済まされています。
「何の前触れもなく、煙のように失踪する兄妹。すでに香港に赴任中の“両親”も音信不通。残された者は誰一人として真相には気付くまい。そして、いつの間にか人々の記憶からも失われていく・・・」(PS2版のナレーションから)
ナレーションやモノローグで状況を説明するゲームに対して、キャラのセリフで語るアニメ。まあ、このあたりの変更はゲームとアニメという表現手段の違いから来るものですね。アニメ作品によってはわざわざナレーションを入れることもありますが(例:ザ・サード ~蒼い瞳の少女~)、「ファントム」でそれをやるとくどくなりそうなので、キャラのセリフで説明して正解かも(笑)

サイスが滞在しているホテルの一室に、血相を変えたリズィが怒鳴り込んで来た。ちょっと目を離した隙にドライの姿が見えなくなったらしい。しかも、大量の武器を持ち出したという。サイスがまた何か企んでいると踏んだリズィは、サイスを問い詰めるが、彼は関与を否定。そればかりか「ほう、それは危ういですな・・・何をしでかすつもりなのか」とまるで他人事のような反応を示す。それを見て、ここに居ても埒があかないと思ったリズィ。ドライの行きそうな所に目星があるらしく、サイスに「マグワイヤとミスター志賀に連絡を」と言い残し、そそくさと部屋を出て行くのであった。
サイスとリズィの会話は、細かい言い回しの変更を除き、ゲームどおりの内容です。なお、リズィが部屋を退出した後、サイスが
「賽は投げられた、か・・・」
とひとりごちてましたが、ゲームではこのセリフの前に――
「で、お二人の小言を聞かされるのは私かね?やれやれ」(PS2版のセリフから)
というぼやきが入っていて、けっこういい味出しています(笑)。何でアニメでは削ったんだろう?

地下駐車場に停めてあった車に乗り込んだリズィ。今から2年前のことを思い出していた。サイスに連れてこられたキャルに射撃訓練をほどこしたこと、キャルが“ドライ”と命令されたこと・・・。
ああやっぱり、キャルがロリペドおやじに襲われる回想シーンはスルーか・・・orz
このブログではもう何度も書いていますが、キャルがインフェルノで訓練を受ける描写は、虚淵玄氏・原作のコミックアンソロジーや小説「ファントム―ツヴァイ (角川スニーカー文庫)」[AA]にもあります。そのエピソード中のキャルは、玲二に棄てられた喪失感で、まるでやる気無しな状態。それに業を煮やしたサイスが、最終試験と称してキャルに客を取らせ、ロリペドおやじに襲われるという強硬手段に打って出るのですが、さすがにTVアニメでは無理だったもよう。また、アニメのこのシーンのキャルを見ると最初からやる気満々なので、DVDの特典で映像化という展開も無さそう。(´・ω・`)ショボーン

夕陽が照らす通学路を、美緒と二人で下校する玲二。この間のデートの一件を美緒に謝り、アメリカに居た頃のもめ事が原因であることを告げる。それを聞いた美緒は玲二の言葉を信じ、笑顔を向ける。そして、二人は通学路の途中で別れ、それぞれの自宅へと向かうことに・・・。
このシーンはアニメオリジナルです。というか、ゲームの玲二は美緒に事情を話していないので全く逆の描写になります。ゲームには、美緒が自宅で試験勉強している場面で次のモノローグがあり、これによると玲二はドライの話題のことを完全に避けていますね。
美緒「昨日も、それに今日だって吾妻さんと会ったのに、まるで何事もなかったみたいに・・・。なんだか避けているみたい・・・あの人(ドライ)の話題」(PS2版のモノローグから)
なお、ゲームの美緒は玲二のことを「吾妻さん」と呼んでいます。全般的にアニメよりも奥ゆかしい娘として描かれています。

美緒が自宅の玄関先に到着した頃には、すでに日は落ち、あたりはすっかり暗くなっていた。するとそこに、1台のバイクが近付き、強烈なヘッドライトが美緒を照らし出す。バイクに乗っていたのは、先日の金髪の少女だった。彼女は「あんた梧桐のお姫様なんだろ?」と突然切り出し、美緒が戸惑っていると、今度は銃を取りだしてバイクに乗るように脅迫。美緒は事情が飲み込めないまま、キャルに従いバイクの後部座席に同乗させられる。そして、バイクは猛スピードを出して疾走を開始。篠倉学園の方向に向かうが・・・。篠倉学園へと続く坂道の途中で、美緒を乗せたバイクは突然停止。バイクのヘッドライトが照らした先にはリズィが立っていた。
美緒が拉致られるシチュエーションが変更されていますが、ドライと美緒の会話の内容は概ね原作ゲーム準拠です。
〔変更されたシチュエーション〕
ゲームでは、帰宅した美緒が自室で期末試験の勉強中。しかし、玲二とキャルの一件ことが気になり、勉強が身にないらず(前述したとおり玲二は美緒にキャルのことを説明していない)。気分転換にコーヒーを飲もうと思いましたが、母親が不在であることに気づきます。いつもならサイフォンを使い本格的なコーヒーを煎れる美緒ですが、自分だけのためにコーヒーを煎れるのは億劫ということで、自宅近くの自販機に缶コーヒーを買いに行くことになります。そしてそこで待ちかまえていたドライとバッタリ遭遇という展開。
〔美緒の母親が不在の件〕
アニメでは特に語れていませんでしたが、ゲームでは出張中で不在ということになっています。まあ、母子家庭ですから、母親が仕事を持っていて当然でしょう。ちなみに、ゲームには母親のキャラ絵はありません。
〔キャルと美緒の会話〕
便宜上、ドライのセリフは日本語になっていますが、実際の二人の会話は英語です。美緒はホームスティしていた頃の英会話を引っ張り出し、ドライに話しかけるという設定。ゲームには、下記のようなセリフがあります(笑)。
美緒「あなたは・・・どうして、こんな所に?」
ドライ「へぇ、英語話せるんだ?そりゃ話が早い」
(PS2版の美緒とドライの会話から抜粋)
〔美緒のモノローグ〕
アニメでは完全にスルーされましたが、ゲームでは美緒がモノローグでドライの印象を語っています。
美緒「この人・・・怖い。外国人だから・・・?ううん、違う・・・。ホームステイした時だって、そう国や人種が違っても同じくらいの歳の子だったら、みんな同じだった。だけど・・・この人は違う。私たちとは別な生き物みたい・・・。平気で人を傷つけるような・・・そんな感じがする。まるで、そう・・・獣か何かみたいに・・・」(PS2版のモノローグから)
あと、全般的にゲームの美緒の方が弱い感じがしますね。アニメの方が気丈に見えるのは、モノローグが無いせいかもしれませんが(笑)。
〔バイクのヘルメットの件〕
アニメの美緒はヘルメットを被らされていましたが、ゲームではノーヘルです。TVアニメなので、交通ルールを守りましょうということでしょうか(笑)。
「ハンドルを握る少女はヘルメットさえ被らせてくれなかった」(PS2版のナレーションから)
〔梧桐組の護衛〕
前回の感想でも書いたとおり、ゲームでは美緒に梧桐組の護衛(監視)は付きません。これは玲二が志賀に脅迫電話を掛けた際、
「もしあんたたち梧桐組の手の者が俺達の目に留まったら・・・その時は美緒を監禁してあらいざらい彼女に教える」(PS2版の玲二のセリフから)
という要求事項を突きつけたためです。
Bパート

リズィの姿を見たドライは、ヘルメットを脱ぎバイクを降り、およそ10メートルの距離を置いて対峙。そして「もう誰にも邪魔はさせない、あたしの獲物に手を出すな」と言い、それが無視されれば美緒を殺すと脅しをかける。一方、リズィはドライを諭すが、それが聞き入れないと分かるや懐から拳銃を抜き、実力行使に打って出る。ところが、これが逆効果となり、ドライは懐中時計を取りだしてオルゴールの旋律を響かせ始めた・・・。そして曲が止んだその瞬間、リズィの絶叫を打ち消すかのように、一発の銃声が鳴り響いた・・・。
このシーンは細かいセリフ回しの変更、リズィのモノローグが端折られている点を除いてゲーム準拠。美緒に手錠を掛け、バイクのハンドルに繋ぎ止める描写もゲームそのままです。細かい違い等は以下のとおり。
〔ドライの復讐の対象〕
アニメのドライはそれほどでもありませんでしたが、ゲームのドライは玲二と江漣の両方に憎悪の矛先を向けています。「あの二人」とか「ツヴァイやアイン」というフレーズが合計3回登場します。アニメでは「ツヴァイ達」の1回だけ。この後のシーンに、「ドライの目的は玲二」という江漣のセリフがあるので、それの予防線でしょうか。
ドライ「あの二人が死んだり、誰かが連中のまわりをウロチョロしたりするようなら・・・そこの藤枝美緒は、あたしが殺す。あの二人を仕留めるまで、この美緒って娘は、あたしが預かる」
リズィ「いったい・・・どこまで馬鹿をやらかしゃ気が済むんだい?」
ドライ「解りきったこと訊かないでよ、リズィ。ツヴァイとアインをブチ殺すまでさ」
(PS2版のセリフより)
〔リズィの回想①〕
アニメでは、2年前のクロウディアやキャルの姿が走馬燈のように流されていましたが、これはゲーム内の次のナレーションを膨らませたものでしょう。
「脳裏をクロウディアの姿が過った。去っていく背中が・・・」(PS2版のナレーションから)
〔削除されたリズィのモノローグ〕
ゲームのリズィ姐さんは、義理と人情に厚いお人好しのドジっ娘キャラなので、キャルがオルゴールの音色を響かせ始めた直後に、かなり焦ってますね(笑)。ただ、このモノローグを削ると、リズィがドライを撃てなかった理由がイマイチよく分からなくなるため、後述するアニメオリジナル描写(銃を選ぶ回想シーン)を挿入したのででしょう。
「おいちょっと待て・・・なんだよこれは」
「こりゃあまるで・・・クロウと別れた時じゃねえか・・・」
「クソ・・・どうしていつも・・・最後はこうなっちまうんだよ・・・」
「脅しじゃ、ねえな・・・」
「オルゴールの曲に乗っかって、あいつは、自分を追いつめてんだ・・・」
「義理も人情も通用しねぇ、ぎりぎりの限界に・・・」
「ただの一瞬も、自分が迷うことを許さねぇように・・・。たとえ相手が昔の仲間だって・・・」
「そんな風に、キャルが撃てるのか・・・アタシは・・・」
「もしキャルが諦めなかったら・・・インフェルノに逆らうってんなら」
「この手で、キャルを殺せるのか・・・?」
(PS2版のリズィのモノローグから)
〔リズィの回想②〕
ドライに撃たれ路上に倒れたリズィが、かつて銃を選んだ時のことを回想するシーン。クロウディアの助言を聞かずに、大型拳銃(AMTハードボーラーのロングスライド)に決めたリズィ。その理由は「お手軽に撃ったりしたくない」という、いかにも彼女らしいものでした。前述したとおり、この描写および設定はアニメオリジナルです。
〔リズィの生死〕
結論から言うと、リズィは死んでいません。ゲームでは、この後のサイスと志賀が対峙する場面で、リズィが生きているという説明があります。
サイス「つい先ほど、彼女(リズィ)が瀕死の重体で担ぎ込まれたところでして」
(PS2版のセリフから)

篠倉学園の旧女子寮跡。ドライに拉致された美緒は廃墟同然のその場所で、縛られ監禁されている。美緒がドライに事情を尋ねたところ、ドライの口からは予期せぬ事実が次々と明かされていく。玲二の正体が殺し屋であること。 ドライは玲二の元・弟子で元・恋人であること。美緒の叔父の梧桐大輔が貿易商であったというのは嘘で、実はヤクザであり、美緒とは腹違いの兄であったこと。更に、梧桐大輔の死因は事故死ではなく、玲二に殺されたこと。美緒はドライのその言を到底信じることはできないが、ドライは今後起こるであろう血みどろの殺し合いが全てを証明すると言い切る。
ゲームの当該シーンは、志賀がサイスの居るホテルに怒鳴り込んで来たシーンの後に描かれています。ドライと美緒の会話の中身はゲーム準拠ですが、ご多分に漏れずアニメ用にアレンジされている箇所も多々あります。
〔美緒が監禁されている場所〕
篠倉学園の校舎から2キロ足らずのところにある女子寮跡。かつて学園が全寮制女子校だったころの遺物という設定。
〔美緒の監禁方法〕
アニメ:両手に手錠を掛け、腰に縄を巻き付け、更にその縄の端を室内にどこかに巻き付けている。
ゲーム:手錠を美緒の右足首に掛け、手錠の一端を長い鎖でつなぎ、更にその鎖の端を天井の梁に巻き付けている。
〔コンビニ袋の中身〕
ドライがコンビニで調達してきた食料。アニメではサンドイッチ等の消費期限の短い食品が含まれていますが、ゲームでは缶詰め食品とミネラルウォーターだけ。
〔美緒のケータイ〕
アニメのドライは発着信履歴から玲二の電話番号を検索していましたが、ゲームではアドレス帳から探しています。またゲームには、キャルの『メカに強い』才能に関するモノローグ(下記参照)があります。アニメでは映像から読み取れって感じですね(笑)
ドライ「どんな道具も使いやすさを工夫して作ってあれば、自然と扱い方も見当つきもんさ。そういうの探るの、あたしは得意でね」
(PS2版のモノローグから)
〔削除されたドライのセリフ〕
ドライが自分の正体を告げる際、美緒がショックを受けるようなことを言うのですが、その部分がバッサリ削除。PS2版でも削られずに残っていたのに、アニメでは何らかの規制が働いたのでしょうか?
ドライ「もと恋人、もと弟子。あたしを女にしたのは、あいつだよ」
(PS2版のセリフから)
〔梧桐大輔と美緒の血縁関係〕
第20話『故郷』の中でも、梧桐大輔と藤枝美緒は異母兄弟とされていましたが、ゲームでは血の繋がった実の兄という設定です。
ドライ「梧桐大輔はあんたの叔父じゃない。あんたとは血の繋がった実の兄だ。つまりあんたはヤクザ一家の娘っ子ってわけさ」
(PS2版のセリフから)
〔梧桐大輔の殺害犯〕
アニメのドライは「あんたの愛しの玲二が殺したようなもんだ」と言いかけていましたが、ゲームでは玲二が殺したと勘違いしているようです。
ドライ「梧桐大輔の死因は事故じゃない。殺し屋に始末された。あんたの愛しの玲二にね」
(PS2版のセリフから)

翌朝、玲二のケータイの着信音が鳴り響いた。液晶画面に表示された相手の名前は「藤枝美緒」。玲二は登校前の突然の着信に訝しみながらも電話に出るが、受話器から聞こえてきた声は美緒ではなくドライだった。ドライの要求はただ一つ、玲二が逃げ出さないこと。それさえ守れば、美緒は殺さず、梧桐組にもインフェルノにも手出しはさせないと言う。そして、電話は一方的に切られた。玲二の横で電話のやりとりを聞いていた江漣は、別行動をとるべきだと提案する。
志賀が護衛の死体を発見するカットはアニメオリジナルですが、それ以外はゲーム準拠です。ただ、玲二のキャラ(性格設定)がアニメとゲームで違うので、ドライの脅迫に対するリアクションがかなり違います(笑)。
〔玲二の動揺①〕
アニメの玲二もドライの脅迫に狼狽えていましたが、ゲームはアニメの比ではありません。かなり自暴自棄になり、「畜生~!!」と叫びながら、血が滲み出るまで拳で壁を殴り付けるようなありさま。モノローグでも、そのあたりの心情が語れています。
玲二「美緒を守る・・・はずだった。そのために嘘をつき通してきた。なのに、なぜ、どうしてこんなことになるんだ?・・・フッ、いつだって同じじゃないか・・・。俺が関わればみんなそうなるんだ。キャルと時もどうだったじゃないか。意外でも何でもない。本当は解っていたはずさ。美緒を利用すると決めた時から」
(PS2版のモノローグより)

美緒がドライに攫われたことを知った志賀。サイスが滞在するホテルに押しかけ猛抗議を行う。抗議を受けたサイスは、ドライの命令無視をインフェルノに沽券に関わると事態と認識。美緒の救出を約束するが・・・。
このシーンは本来であれば、旧女子寮跡のドライと美緒のシーンの前に挿入されるべきものですが、アニメでは順番がチェンジされました。また、シチュエーションも異なります。
〔美緒の拉致を知らなかった志賀〕
アニメの志賀は梧桐組の護衛(監視員)がドライに殺されていたので、事前に美緒の拉致を知っていました。そして、それに抗議するため、サイスの居るホテルに駆けつけています。一方、ゲームの志賀もサイスが滞在しているホテルに来ますが、その目的は「ドライが行方不明」になっている件の確認。ドライには中華街でのドンパチ騒ぎという前科があるので、それを事前に牽制するためです。ところが、ホテルに来てみたら、サイスの口から美緒がドライに誘拐されたことを聞かされ、予想外の事態に大激怒するという展開になっています。

江漣の考案した作戦。それは、江漣が身を隠してドライの居場所を潜行捜査。ドライを見つけたところで彼女を打ち倒し、美緒を救出するというもの。ドライを刺激するようなこの作戦に玲二は異論を唱えるが、江漣はドライの狙いはあくまで玲二だと言い切る。
このシーンも会話の中身は概ねゲーム準拠ですが、玲二のキャラ設定の違いが鮮明に現れています(笑)。それと、アニメでも江漣が玲二の反対意見を牽制していますが、その理由がゲームの方が論理的です。
〔玲二の動揺②〕 ゲームの玲二は江漣の提案(別行動をとる件)に反対し、大声で食って掛かっています(笑)。
江漣「ここは別行動をとるべきね」
玲二「何だって。別・・・行動・・・?」
江漣「わたし、潜ってドライを探すわ。あなたはドライの指図通り、大人しくしていて。その隙にわたしがドライを討って美緒を助け出す」
玲二「馬鹿はよせ!!こっちは今、すでに見張られてるんだぞ。刺激するような真似したら、美緒の身が・・・」
江漣「落ち着いて聞いて玲二。確かにわたしが姿を隠せばドライは怒るでしょうけど・・・わたし一人のために美緒を手にかけることはしないわ」
(PS2版のセリフより)
〔江漣の牽制〕
玲二の反対意見に対して、ゲームの江漣は次のように論破しています。アニメの江漣が言っていた「まだ追い詰められたわけじゃない」と言う何だかよく分からない理由よりも、ゲームの方が説得力があります(笑)。
江漣「彼女の狙いは、わたしじゃなくて、あなたよ。本命のあなたを牽制しつづけるためには引き続き美緒が必要になる。美緒はドライにとって最後の切り札よ。わたし一人が挑発しても、おいそれと使えるわけがない」
(PS2版のセリフより)
〔美緒フラグ〕
ゲームの当該シーンでは、ここで選択肢が二つ登場。キャルについては任せろを選ぶとアインルート、ドライルートへ。一方、美緒に万が一のことがあったらどうするを選択すると美緒ルートへ突入します。(第3章のエンディングの種類については今後の展開についての考察をご覧ください)

サイスは志賀の怒りを静めるため、私有するスタッフを召喚したことも告げる。そのスタッフは完璧に訓練され、統制された究極の兵士だという。
ツァーレンシュヴェスタン(数字ねーちゃんズ)の召喚を告げるこのシーンも、会話の流れ的にはゲーム準拠。サイスのセリフが部分的に削除されていたり、毎度の事ながらモノローグは全部削られていますが・・・。
〔削除されたサイスのセリフ〕
ゲームのサイスは、志賀の神経に障るようなことをわざと言ってますが、アニメでは別のセリフに差し替えられていました。ゲームでカットされたのは次のセリフです。
サイス「失礼ながら・・・こうした危機に馴染みのない梧桐組のみなさんは、ファントムを相手取るのは難しい」
(PS2版のセリフより)
〔志賀の心境〕
アニメでは志賀のしかめっ面のアップしかありませんでしたが、ゲームでは次のモノローグが挿入され、志賀の心境が語られています。アニメは映像から読み取れってことでしょうね(笑)
志賀「ちくしょう・・・この野郎のいうとおりだ。だが、それでもこれ以上インフェルノは当てにできねぇ。こいつらと手を組んで・・・一体いままでどれだけ犠牲にしてきたってんだ」
(PS2版のモノローグより)
それにしても、数字ねーちゃんズの決めポーズを見ると、どんなオサレバトルが繰り広げられるのか今から楽しみです(笑)。
次回予告

美緒陵辱シーンキタ━━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━━ ッ !
さすがに、PC版の描写(拳銃を美緒の股間に突っ込む)は無理ですが、予告映像を見るとPS2版のCGを超えている!!テレ東規制はパンツやブラはNGだけど、なぜか全裸とかレズ○イプはOKなんだよね(笑)
「あなたが生き延びてくれるなら、それがわたしの、生きた証です」
江漣の名台詞もキタ━━゚+.ヽ(≧▽≦)ノ.+゚━━ ッ !
EDのルートはまだ確定していませんが、わざわざこの名台詞を予告に使ったってことは、やっぱりアインEDでしょうか・・・。
銃器チェック
第23話に登場した銃器を適当に鑑定しておきます。何かお気付きの点がありましたらコメントください。m(_ _)m
ドライのオート

ドライのオート
ドライのオートはS&W M59。もう何度も書いていますが、原作ゲーム及びそれに準じているトレフィグではシルバーモデルのM5906です。
また、虚淵玄氏・原作のコミックアンソロジーでは、キャルを襲ったロリペドおやじの銃がM59。そして、その銃を使いキャルは初めて人を殺すことになります。
リズィのオート

リズィのオート
リズィの大型オートはAMT Hardballerのロング・スライド(7インチ)モデル。トリガーを引く以前に、ハンマーが起きていないので、最初から撃つ気は無かったようです。姐さん・・・(つд`)
キャルのオート(回想シーン)

キャルのオート(回想シーン)
キャルが射撃訓練に使用しているオートはS&W M59マズルブッシングやビーバーテイルの形状等からコルト・ガバメント。
![]() (参考)コミックアンソロジーの訓練シーンでは コルト・ディフェンダーを使用しています。 |
リズィが選んでいた銃(回想シーン)

リズィが選んでいた銃
①コルト・ガバメントでしょう。
②SIG SAUER P226のレールマウント付きモデル(P226R)と思われます。
③AMT Hardballerのロング・スライド(7インチ)モデル。
④Cz75の前期型かな?
江漣のリボルバー

江漣のリボルバー
コルト・パイソンの4インチモデル。江漣はこの大型リボルバーをセーラー服の中に隠して持ち歩いています(笑)。
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■ ファントム -PHANTOM OF INFERNO- シリーズ 銃火器データベース (MEDIAGUN DATABASE)
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