[アニメ感想] Phantom~Requiem for the Phantom~ 第17話 「真相」
第17話 「真相」
アニメや原作ゲームの内容に触れています。ネタバレにご注意ください。
あらすじ
第17話のあらすじはテレビ東京・あにてれ Phantom~Requiem for the Phantom~から引用しておきます。
『・・・おまえが思い出させてくれた・・・笑うことも、泣くことも・・・』
玲二はキャルとの生活で徐々に無くしていた感情を取り戻していた。自分はもう後戻りが出来ない・・・そう思っていた。でも、今なら・・・キャルと一緒ならば、普通の世界に戻れるかも知れない。玲二はキャルと共に生きる道を選ぶ・・・。そのためには、組織を辞めるか、逃げるしかない・・・その時、組織はどう出るか・・・。考え込んでいた玲二はリズィに呼び出される。
しかし、いつもの操車場で玲二を待っていたのは、銃を突きつけられたリズィ・・・そして梧桐組の面々だった・・・。梧桐は一枚の写真を玲二に見せる。そこに写っていたのは、室戸の死体の傍らで剃刀を手にした玲二だった・・・。はめられた・・・。だが、この状況では、弁解の余地は無い・・・。動揺する玲二に梧桐は、さらに驚くべき事実を語り出す・・・。
ストーリー&感想
第17話は原作ゲームの第2章(共通ルート)の終盤、1年前の麻薬強奪事件の真相、アインとの再会、アジト爆発をアニメ化したものです。ゲームには無いアニメオリジナル要素、舞台設定の変更等もありましたが、基本的な流れは原作準拠。アニメ「ファントム」のシナリオは概ね安定しているのですが、今回は黒田洋介さん担当回ということで、クオリティが一段と高かったですね。さすが原作ファンを公言しているだけのことはあります。願わくば、脚本担当回をもっと増やして!
Aパート

クロウディア
ここまで順調に事が進み、更なる高みを目指そうとするクロウディア。インフェルノに殺された弟・ロメロの写真を手に取りそれを誓うが、そんな彼女に瓦解の足音が近付いていた・・・。
冒頭から魔乳美女の全裸バスローブで(;´Д`)ハァハァ ちなみに、このシーンはアニメオリジナルです。

逆さまのクロウディア邸
クロウディアの邸宅が上下逆さまですが、これは彼女の絶頂からの転落を暗示したものなのでしょうか。

キャルの見送り
電話でリズィに呼び出された玲二。見送りに来たキャルに「遅くなるかもしれない、寝てていいぞ」と告げるが、キャルは昼間拾った壊れたビデオデッキを修理するので起きていると言う。玲二はそんなキャルの頭を撫でて車で出発するが、これが彼女の姿を見る最後になろうとは知る由も無かった・・・。
キャルと玲二の会話の内容は、ほぼゲームと同じ。ビデオデッキ云々の会話は前回のラストでは削除されていましたが、こっちに持ってきたのですね。ただ、ゲームにはキャルが建物の外に出て玲二を見送る描写はありません。

梧桐組の罠、襲撃事件の真相
リズィの応援要請を受けた玲二は、約束の場所に到着。だが、そこに現れたのは、ギュゼッペ(サイス)に踊らされた梧桐組の連中であった。車から降りた梧桐大輔はギュゼッペから入手した写真を玲二に見せ、一連の襲撃事件の真相を語り始める。
ちょうど一年前の、この場所での麻薬強奪事件は、クロウディアにそそのかされた自分たちが行ったこと。クロウディアがインフェルノでの立場を強固なものとするため、梧桐組を加入させ後ろ盾にしようとしたこと。玲二に梧桐組を狙わせ、最後には梧桐たちを抜きにして日本と繋がる腹であったこと。更に、どさくさ紛れに邪魔なワイズメルを殺したこと。
梧桐の暴露話を聞かされたリズィは反論するが、クロウディアの行動を知る玲二は愕然となる。そして、何のためにエレンや自分が傷つき泣いたのかを思い巡らせ放心状態に・・・。
「リズィ=ドジッ娘」確定w
このシーンも流れは原作ゲームに準拠しています。主な変更点は次のとおり。
- 待ち合わせ場所が操車場に変更(ゲームはロサンゼルス・ハーバー)。
- アニメでは玲二が先に到着していたが、ゲームは逆でリズィの車(ヴァイパー)が先に着いて待っていた。
- 梧桐大輔が玲二に提示した写真が1枚だけ(ゲームではホテル内の写真、屋上の写真の2枚)。
なお、梧桐の暴露話の半分は真実ですが、残りの半分はギュゼッペ(サイス)の策略によるもの。用意周到なサイスは、まず志賀に取り入り梧桐組とコーディネーター契約を結び、復讐の足がかりを確立。そして、表向き志賀に対しては情報提供や武器等の調達を行い、裏ではアインを使い梧桐組を襲撃。クロウディア、ワイズメル、梧桐組の疑心暗鬼を煽り、かつて自分を窮地に追い込んだ連中を自滅へと導くという、いかにもサイスらしい権謀術策を巡らしていました。

エレンとの再会
リズィの反駁を聞いた梧桐大輔は逆ギレ。怒りの銃口をリズィに向け、鳴り響く銃声。ところが火を噴いたのは梧桐の銃ではなく、何者かによるライフルの狙撃。梧桐の周りにいた舎弟は次々と倒され、梧桐も銃弾を浴びてしまう。
一方、その混乱に乗じてリズィは玲二の車に乗車。玲二を拾って、そのまま脱出を図ろうとする。しかし、スナイパーに心当たりのある玲二はリズィをそのまま行かせ、自分はコンテナ車の側面へ飛びつく。そして、コンテナをよじ登った彼が見たものは、1年前、自分が殺したはずのエレンであった・・・。
このシーンも原作ゲーム準拠です。舞台設定が港から操車場に変更されているため、コンテナがコンテナ車に変更されていますが、アインと再会するまでのくだりは同じ。ちなみに、ゲームでは襲撃者を確認するという選択肢を選ばないと、このシーンは見れません。
Bパート

今も昔も、ただのアイン・・・
玲二「なぜなんだエレン!なぜ君が、こんなことを!?」
アイン「エレンなんて、呼ばないで。私はアイン。今も昔も、ただのアイン・・・」
半ば予想されていたことだが、生きているエレンを目の前にして驚きを隠せない玲二。しかし、エレンには逃亡時に見せた弱い少女の面影はなく、かつてファントムの称号を持っていた頃の彼女に戻っていた。
アイン髪が伸びたよアイン
このシーンも舞台設定が異なっていること以外、会話の内容や流れは原作ゲーム準拠です。ところで、アインが使っていたライフルが見当たらないけど、どこに消えたんだ?

サイスの思惑、玲二の焦燥
中華料理店で黄炎峰と面会中のサイス。黄炎峰の口からはサイスの策略が語られる。そして同じ頃、事の真相はサイスの手引きによってマグワイヤに知らされていた。真の裏切り者であるクロウディアと、その先兵となった玲二の抹殺命令が下るのは時間の問題だった。インフェルノがファントムを抹殺するとなると、最初に狙うのはアジトとなっているロフトだ。玲二は一人残してきたキャルの身を案じ、車を飛ばすが・・・。
玲二がキャルを心配するくだりはゲームと同じです。サイスが黄炎峰というチャイニーズマフィア(?)と面会していましたが、この部分はアニメオリジナル。黄炎峰のセリフは、ゲームでは玲二のモノローグで語られています。
黄炎峰というオリジナルキャラを登場させた理由は、おそらくこんなところでしょう。1年前、サイスはロシュネンコ大佐の助力でアメリカから逃走、その後アジアに渡り、その際にサイスをバックアップした人物が黄炎峰。このチャイニーズマフィアを使い梧桐組の麻薬販売ルートを壊滅させ、それを梧桐組と接触を持つための足掛かりに利用。梧桐組を救うという触れ込みで志賀に近付いた。

藤枝美緒
渡米前のある日。しんしんと雪降る公園には、一人の少女と面会する梧桐大輔の姿があった。彼が会っている少女の名前は藤枝美緒。苗字こそ違うものの梧桐の実の妹だ。彼女が梧桐のことを貿易商の親戚の叔父さんと思い込んでいることは、その会話の端々から窺える。
ベタすぎる描写だけど、雪降る中での梧桐と志賀の仁侠道にゾクゾクしたよ!
梧桐大輔と藤枝美緒の会話シーンは、原作ゲームでは梧桐とマグワイヤのホテルでの会見前にあります。アニメでいうと第15話のBパートに相当する部分です。二人の会話の内容は概ね原作どおりですが、ゲームでは回想シーンではなく電話シーンになっています。つまり、ゲーム第2章の時点では、美緒はまだ顔見せしていません。また、梧桐が志賀に命じてたいたことは、第3章(日本編)の伏線になっています。

志賀の慟哭
銃声が止んだ操車場の一角で、意識を取り戻した梧桐大輔。彼はインフェルノとの全面戦争も辞さない覚悟で、脇にていた志賀にそのことを伝える。ところが志賀からは意外な答えが返ってきた。「あと一人が死ぬだけで、片はつく」と言う。そして、銃口を梧桐の額に向けると、トリガーを引き梧桐を射殺。志賀の背徳行為ともとれるこの所行は、梧桐組を救うための苦渋の決断であった。梧桐の首を差し出すことで、亀裂の入ったインフェルノとの間をサイスが取り持つことになっていたのだ。
このシーンも原作準拠ですが、梧桐と志賀の回想シーンはアニメオリジナル。ゲームでは梧桐のセリフで済まされています。
この時点で、志賀はサイスに利用されていたことに気付いていますが、襲撃事件の真犯人がアインであることは知らないものと思われます。ただ、もしも襲撃事件の真犯人がサイスの人形(アイン)であることを知っていたとしても、彼はサイスを撃てなかったでしょうね。梧桐組そのものや、雪降る公園での兄貴の遺言(美緒の護衛)を守るために・・・。
ホゾを噛むリズィ
操車場を後にしたリズィは、車を飛ばしてクロウディア邸に到着。事の真相をクロウディア自身に問いただそうとしたが、肝心のクロウディアの姿がどこにも無かった・・・。
たぶん、このシーンはアニメオリジナル。ゲームのクロウディアルートに似たような描写があったような気がしますが、共通ルートには無かった筈。

玲二の絶望
玲二はロフトの近くで車から下車。用心のため建物の陰から様子を窺うが、ロフトの周囲に特段異変は感じられない。懐に忍ばせた拳銃に手をやり、警戒しつつロフトに近付く玲二であったが、そんな彼の目の前で部屋の窓から大きな炎と爆音が漲った・・・。
玲二の絶叫で終了するラストシーンも、ほぼゲーム準拠です。ただ、アニメ的な演出効果を狙い、所々変更されていますね。
- ロフト前の路上でブラディーズの車(ベンツ)がアイドリングしている描写が無い。
- キャルと懐中時計の回想シーンはアニメオリジナル。
- ゲームの玲二は走ってロフトに近付いている。
- 爆発後にブラディーズの舎弟が走り去る描写が削除されている。
- 爆発でキャルのよそゆきの服が千切れて吹き飛んでいましたが、あれはアニメオリジナル。
次回予告

サブタイトルは「対決」。おそらく、アインと玲二の対決、サイス(インフェルノ)とクロウディアの対決を意図したものと思われます。
予告映像にマスケラを被ったキャラが2名登場していましが、量産型ファントム(ツァーレンシュヴェスタン)のゼクス(ポニテ)とアハト(お団子ヘアー)でしょうか?髪型を見る限りフィーアでは無さそう。コミックアンソロジーを読むと、この時点のフィーアはょぅι゛ょだしw
銃器チェック
第17話に登場した銃器を適当に鑑定しておきます(過去話の回想シーンは除く)。何かお気付きの点がありましたらコメントください。m(_ _)m
玲二のオート

玲二のオート
毎度お馴染みとなっているBERETTA M92FS。セイフティはちゃんと解除されていてます。
梧桐大輔のオート

梧桐のオート
第15話にも登場したベレッタ M93R。バレル先端のガス抜きスリットが左右合計6個あるので初期型でしょう。キャプチャ画像では分かりにくいけど、セレクターレバーはセミオートの位置になっています。それにしても、せっかくM93Rを持っているのにバーストで使わないのは勿体ない。いかにも、銃に詳しくない梧桐らしい描写ですなw
アインのアサルトライフル

アインのアサルトライフル
全体像がありませんが、第8話で使用していたH&K MSG90と比べると、バレル先端の形状が異なるので完全に別物。バレル先端、フロントサイトの形状等からAK-47のバリエーション(AKS-47あたり?)と思われます。なお、ゲームでは単に「AKライフル」となっています。
志賀のオート

志賀のオート
第16話同様、コルト ガバメント。ピントが合ってませんが、右の画像ではハンマーは起きています。
梧桐組舎弟のオート

梧桐組舎弟のオート
リズィに突きつけられていたオートは前回も登場したグロック 17と思われます。
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関連サイト
■ ニトロプラス10周年記念 ファントムプロジェクト「ファントム」 (TVアニメ公式)■ Phantom~Requiem for the Phantom~ (TV東京・あにてれ)
■ 月刊コミックアライブ オフィシャルサイト (メディアファクトリー公式)
■ ファントムシリーズ (ニトロプラス公式)
■ Phantom -PHANTOM OF INFERNO- (DVD VIDEO GAME公式/デジターボ)
■ ファントム-PHANTOM OF INFERNO- (PS2版公式/プリンセスソフト)
■ Phantom -PHANTOM OF INFERNO- (Wikipedia)
■ ファントム -PHANTOM OF INFERNO- シリーズ 銃火器データベース (MEDIAGUN DATABASE)
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