【リメンバー美少女ゲーム】 BITTERSWEET FOOLS
名作と呼ばれていた美少女ゲームであっても、時の経過とともに忘れ去られていくことが少なくありません。まして、大ヒットしなかった佳作ゲームともなれば、その傾向は更に強くなるものです。
この不定期連載記事では、自分が昔プレイして面白かったゲームをとりあげ、その魅力を伝えていきたいと思います。第1回目の今回は、minoriのデビュー作である「BITTERSWEET FOOLS」です。もし、この記事を読み興味を持たれましたら、是非プレイしてみてください。

左:PC版、中:PS2版、右:DC版
ゲーム概要
「BITTERSWEET FOOLS」はminoriのデビュー作で、2001年8月に発売されたWindows用のノベル形式ゲーム(AVG)です。その1年後の2002年8月にはDreamcast版、更に2002年9月にはPS2版が、どちらもD3パブリッシャーから発売されています。
簡単な内容紹介は、PS2版/DC版パッケージから引用しておきます。
物語は、観客の数だけ存在する。
物語の舞台は、イタリア中部の大都市・フィレンツェ。この街で様々な宿命や小さな温もりの中、強く生きる人々が織り成す群像劇を描く、インタラクティブ・ノベル。様々な登場人物の視点から描かれる22の章を、プレイヤーの選択により組み合わせてエンディングまで物語を進めていきます。
従来の「主人公=プレイヤー」というスタイルを排除し、映画の観客のようなポジションで、幾つもの物語を紐解いていきます。登場人物達が繰り広げる悲喜交々の物語はそれぞれの観客を各々の“BITTERSWEET FOOLS”の世界へと誘います。
少し補完しておくと、イタリアを舞台にした裏社会に生きる青年と純真無垢な少女の出会いと交流を描いた物語です。この作品はゲームそのものよりも、新海誠さんが手掛けたオープニングムービー、相田裕さんが描いたキャラクターの方が有名かもしれませんが、ゲームの方も独特のテンポと雰囲気があり、シナリオもよく練られていると思います。
ただ、GUNSLINGER GIRLのような美少女ガンアクションや、ハードなストーリーを期待してやるとガッカリすること間違いなし。この言葉を使うのは適切かどうか分かりませんが、いわゆる「雰囲気ゲー」ですね。ただし、ただの雰囲気ゲーではありません。美麗なCGや繊細な音楽で紡ぎ上げられた極上の雰囲気ゲーです。
ストーリー
イタリア中部の大都市・フィレンツェ。この街でフリーランスの殺し屋として活動するアランは、仕事斡旋人のモーリスの依頼でティという名の少女のボディーガードを請け負うことになる。ティはマフィアの孫娘であるが、その祖父が亡くなったことで組織内で跡目争いが発生。ティの身を案じた両親は知人のモーリスのところに彼女を逃がし、そのつてでアランが匿うことになったのだ。―こうして一緒に暮らすことになったアランとティ。生まれも育ちもまったくことなる二人の奇妙な共同生活がスタートするのであった。
一方同じ頃、諜報機関に身を置き裏稼業を営んでいるパレルモは、路地裏で倒れていた一人の少女・レーニエを助ける。パレルモはひとまずレーニエを組織の隠れ家に連れ帰るが、目を覚ました彼女は自分の名前以外の記憶を失っていた。ところが、かすかな記憶を頼りに、自分は何者かに追われていると言う。パレルモはレーニエの身を案じて、しばらく匿うことを提案。彼の仲間のエリチェとシエナもそれを了承し、こちらでも奇妙な共同生活が始まる。
アランとティ、パレルモとレーニエ、この二組の男女を中心に据え、彼らを取り巻く裏社会で生きる人々が織りなす群像劇。それがこの「BITTERSWEET FOOLS」です。
PC版のBSFは全20話ですが、PS2版とDC版に各2話ずつ追加されているため、全てプレイした場合は全24話構成となります。各エピソードはアランやティがメインの「アランサイド」、パレルモやレーニエがメインの「パレルモサイド」に完全に別れていて、1回のプレイだけで全てを観ることはできません。これはゲームの途中で出現する選択肢によって、いくつかのルートに別れるためです。
話数 ※ | サブタイトル | 収録 | ストーリー区分 | |||
PC | PS2 | DC | アラン | パレルモ | ||
第一話 | 誰のものでもない猫 whose cat is this? |
○ | ○ | ○ | #01 | - |
第二話 | 小鳥の見る夢 voiceless hummingbard |
○ | ○ | ○ | - | #01 |
第三話 | 籠の中には people in the cage |
○ | ○ | ○ | #02 | - |
第四話 | 全世界がひとつの舞台、そして人間はみな役者にほかならぬ all the world's a stage, and all the men and women merely players. |
○ | ○ | ○ | - | #02 |
第五話 | 黒兎 fore eyes see more than two |
○ | ○ | ○ | #03 | - |
第六話 | 幕間劇 ずぶ濡れの雲雀 skyrark dream |
○ | ○ | ○ | - | #03 |
第七話 | あるべきなのかしら? to be, or not to be? |
○ | ○ | ○ | #04 | - |
第八話 | 空に響く願い人の詩 give me excess of it |
○ | ○ | ○ | - | #04 |
第九話 | 秘密の名前と一つのペンダント whimsical present. |
× | × | ○ | #05 | - |
懐に御用心 so many the outward shows be least themselves. |
○ | ○ | ○ | #06 | - | |
第十話 | 薔薇が見る There's no rose wishout a thorn. |
× | × | ○ | - | #05 |
サファイアブルーの幻想 goodbye Mr.British |
○ | ○ | ○ | - | #06 | |
第十一話 | 絵の中の希望 Holy Family with the young Saint John. |
× | ○ | × | #07 | - |
地下水道の夢 nothing venture, nothing gain |
○ | ○ | ○ | #08 | - | |
第十ニ話 | 幕間劇 道徳の交差 crossing shadows. |
× | ○ | × | - | #07 |
傷痕の夢 let your indulgence set me free. |
○ | ○ | ○ | - | #08 | |
第十三話 | 普通の存在たち all or nothing |
○ | ○ | ○ | #09 | - |
第十四話 | 殻を割るもの it is the cause |
○ | ○ | ○ | - | #09 |
第十五話 | 私は私の好きな名前を呼ぶ my name is ... |
○ | ○ | ○ | #10 | - |
第十六話 | 現実に眠る姫君たち As dream are maid on, and our little life is rounded with a sleep |
○ | ○ | ○ | - | #10 |
第十七話 | 駆けていく兎 running on the hill |
○ | ○ | ○ | #11 | - |
第十八話 | 全ての者に降る雪 white rain |
○ | ○ | ○ | - | #11 |
第十九話 | 瞳から落ちるもの tears. |
○ | ○ | ○ | #12 | #12 |
第二十話 | グッバイ・イエスタデイ hello tomorrow |
○ | ○ | ○ | #13 | #13 |
※話数はPC版のものです。PS2版とDC版ではオリジナル話が追加されているので、その分だけ話数表記がズレています。
ゲームの舞台について
舞台が「GUNSLINGER GIRL」と同じイタリアですが、これは偶然らしいです。月刊アームズマガジン2003年11月号に掲載されている相田裕さんへのインタビューで、そのあたりのことが語られています。(下記参照)

アームズマガジン2003年11月号
―GUNSLINGER GIRLはイタリアを舞台にしていますが、原画を描かれましたゲーム「BITTERSWEET FOOLS」(以下「BSF」)もイタリア(フィレンツェ)が舞台でしたが、イタリアに強い思い入れがあるのでしょうか?
相田裕:よく引き合いに出されるんですが、「BSF」の舞台がイタリアなのは半分は偶然です。なにしろ「BSF」の舞台を決めたのはシナリオ担当の人ですし。GUNSLINGER GIRLでイタリアを舞台にしたのは、他のまんがやアニメであまり題材にされていなくて、斬新なところにしたいっていうくらいの気持ちで決めたことです。仕事で連続してイタリアものをしているので何かあるように見えるんですが、昔からイタリアに思い入れがあって、ということではないんですよ。そっちのほうが格好良かったんですけどね。
ゲームシステム
ゲームは1話完結のノベル形式で、プレイヤーは第三者の視点(映画の観客的なポジション)で物語を鑑賞していくことになります。
基本的にアランサイドとパレルモサイドの二つのストーリーが交互に展開(上映)されますが、1回のプレイだけでは全部の話(PC版20話、PS2版/DC版22話)を観ることは出来ません。これは、途中で表示される選択肢によって進行ルート(各話の上映順)が決定されるためです。
ただし、選択肢はストーリーに多少変化を与えることもありますが、選んだ内容によってエンディングが変わるようなことはありません。選択肢はあくまでもルート決定のためのフラグでしかありません。
セリフ等のテキストは画面下に表示され、その際には喋っているキャラの名前も一緒に表示されます。ただ、モノローグの際にはキャラ名が表示されないこともあり、いったい誰の言葉なのか分かりにくいことも多々あり。まあ、慣れれば問題ありませんけど。
キャラクター
登場するキャラクターは「アランサイド」「パレルモサイド」そして両方に関わる「セスサイド」の3つに分類されます。ただ、これは大まかな分類であり、ソリノが広場でレーニエと出会ったり、ワーニャの娼館(孤児院)を訪れたティがフォリフェと会話するといった描写もあります。また、アランの依頼主であるモーリスは、パレルモの雇い主であるニコラと同一人物だったりします。
少女たちは、どっからどう見てもょぅι゛ょにしか見えませんが、PC版のマニュアル(注意書き)によると18歳以上の設定らしいです。ちなみに、ティーやレーニエは義体ではありませんし、銃を撃ったりもしませんw
キャラクターに声が付くのはPS2版/DC版だけです。PC版はノンボイス仕様。演じている声優さんは海外ドラマの吹き替えで活躍している人が多く、演技もアニメっぽくなくて、ごくごく自然な感じ。この作品の持つ淡々とした雰囲気の底上げに一役買っていますね。
アラン Side | |
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アラン Allan (CV:鶴博幸) ※1 この物語の主人公。フィレンツェで活動している殺し屋で、アランという名前は偽名。口も性格も悪いが、時折やさしい一面を見せることがある。雇い主・モーリスの依頼でマフィアの孫娘・ティーのボディーガードを引き受け、一緒に暮らすことになるが・・・。 |
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ティ Tea (CV:倖月美和) マフィアの孫娘。祖父が亡くなったことで跡目争いが勃発し、両親が殺されてしまう。彼女だけは何とか逃げ延び、両親の旧知であったモーリスに保護され、更にアラント同居することに。お嬢様育ちであるが、芯が強くて頑張り屋さんな少女。 |
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ソリノ Solino (CV:岡田純子) アランが住んでいるアパートの1階にある花屋の店員。花屋でアルバイトをしながら絵の学校に通っている。明るく気さくな少女。幼い頃、両親の離婚で姉と離ればなれになっている。 |
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レプレ Lepre (CV:幸田夏穂) 表向きはミギリという名前の日本人留学生であるが、実はテログループの工作員。「黒兎」というコードネームを持つ。アランの隠れ家(別宅)を勝手に使っていたが、アランに発見され・・・。 |
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ジガー Suger (CV:高瀬右光) アランの知人の探偵(実体は何でも屋)。砂糖をなめるのが好きだったので、アランからは“シュガー”と呼ばれている。 |
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オルミナ Olmina (CV:小暮英麻) ソリノの親友の絵本作家。お嬢様っぽく見えるが、実は裏の顔も持っている。以前、レーニエを匿ったことがあるらしい。 |
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ルカ Luca (CV:浜田賢二) ※2 ティの兄。マフィアの跡目争いで両親を殺害。妹であるティの命も狙っている。 |
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モーリス Morris/ニコラ Nicola (CV:奥田啓人) ※3 アランの雇い主で親代わり。パレルモの雇い主でもある。アランの前ではモーリス、パレルモの前ではニコラと名乗っている。 |
パレルモ Side | |
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パレルモ Palermo (CV:浜田賢二) 物語のもう一人の主人公。ある諜報組織の一員でシエナ、エリチェと共同生活を送っている。チームのリーダー的存在で、盗聴や妨害工作に長けている。たまたま街角で倒れていたレーニエを助けるが、彼女が記憶喪失であることを知り、記憶が戻るまでの間、一緒に暮らすことになる。 |
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レーニェ Regnie (CV:長谷川智子) ※4 フィレンツェの路地裏で倒れていたところをパレルモに助けられる。記憶喪失らしく、自分の名前以外は思い出せない。パレルモの計らいで、彼らの共同生活に加わることになる。かなり浮世離れした少女であるが、パレルモたちの心に大きな影響を与えていく。 |
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シエナ Siena (CV:浅野るり) パレルモの同僚で紅一点。医学を学んでいたこともあり、チームでは医療を含めたサポート役。ただし、料理だけは苦手。実はソリノの姉という裏設定があるらしい。ちなみに、彼女を含めたメンバーの名前は全て偽名で、イタリアの地名を流用しているとか。 |
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エリチェ Elice (CV:奥田啓人) ※5 パレルモの同僚の元警官で、メンバーの中では最年長。武器の調達やメンテナンス等も担当している。無口で近寄りがたい雰囲気を持つが、他人を思いやる心を持つ。ユーンと知り合い、お互いに惹かれあっていく。 |
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フォリフェ Foliphe (CV:浅野るり) ワーニャの娼館で働く古株の少女。娼館に居る少女たちのいいお姉さん役である。PS2/DC版ではワーニャの特別な孤児院に引き取られ、里親を探しているという設定に変更されている。名前のフォリフェは本名ではなく、アルファベットのFに由来する源氏名。 |
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ユーン Yurn (CV:門脇舞) ワーニャの娼館で見習いをしている内気な少女。ある事件をきっかけに極度の男性恐怖症に陥っている。PS2/DC版ではワーニャの孤児院に引き取られたばかりの少女という設定になっている。名前のユーンはアルファベットのYに由来する。 |
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ワーニャ Vanya (CV:高瀬右光) フォリフェやユーンのいる娼館の主で、盲目のロシアンマフィア。PS2/DC版では“特別な”孤児院を営んでいる。 |
セス Side | |
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フランチェスカ Francesca (CV:小暮英麻) レーニエの親友で、行方不明になった彼女を連れ戻すためにフィレンツェにやって来た。セスとある契約を結び、彼を従者のように扱っている。世の中の全てを馬鹿にしたような態度をとるが、本質的には素直で優しい少女。 |
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セス Seth (CV:大橋隆昌) フランチェスカと行動を共にする青年。入院中の妹・キリエを助けるため、その交換条件としてフランチェスカの人探しを手伝っている。アランとは旧知の仲だったらしいが・・・。 |
ビジュアルファンブックのアルファベット表記 ※1 Alan ※2 Ruca ※3 Moris ※4 Lenie ※5 Eriche
デモムービー
前述したとおり、このゲームのデモムービーを制作したのは新海誠さん。最近の作品と比べると淡泊な印象を受けるかもしれませんが、画面全体から溢れる水彩画のような透明感はBSFの世界観にピッタリ。BITTERSWEET FOOLS ビジュアルファンブック (RASPBERRY BOOKS)[AA]に掲載されているインタビューによると、OP曲との「同期」に徹底的にこだわったとか。それを意識して観ると、冒頭の空からを街を見下ろすパンニングとか、中盤の3DCGで描かれた大聖堂、終盤のイベントCGの早い切り替わり等、どの場面も曲と完璧にシンクロしてますね。
オリジナルのデモムービーとリパッケージ版デモムービーの大きな違いは、①「あおり文」のテロップの有無、②終盤のイベントCGが異なる点。自分はオリジナルの方が見慣れていることもあり、やっぱりオリジナルの方がイイ.ヽ(≧▽≦)ノ.
なお、「BSFリパッケージ版デモムービー」はminori公式サイトの左フレームにある「Download」→「BITTERSWEET FOOLS 関連ファイル」からダウンロードできます。
登場する銃器
アランが殺し屋でパレルモたちが諜報組織のメンバーという設定なので、もちろん銃器も登場します。ただ、銃そのものが描かれているのはCGのごく一部だけで、確か第十九話「瞳から落ちるもの」ぐらい。ビジュアルファンブックによると、銃の選定は古我望さん、相田裕さんの趣味で、手に入れやすいものや扱いやすいものを中心にセレクトしたとか。
キャラクター | 区分 | 種類 | 備考 |
アラン | 拳銃 | CZE Cz75 | 「CZ75と刻印がされているのが見える」というティーのモノローグがある。刻印からすると現行モデルか? |
拳銃 | ワルサーP99 | アランがレプレに「ワルサーP99。それがこの銃の名前だ」というセリフがある。ゲーム内ではペットボトルをガムテープで固定し、サイレンサー代わりに使っていた。 | |
ライフル | H&K G3-SG1 | 「おもむろにバッグを開きバラバラになっている愛用のライフル―G3-SG1を取り出した」という情景描写(テキスト)がある。 | |
パレルモ | 拳銃 | ベレッタM8000クーガー | エリチェがパレルモに銃が入った袋を投げ、「ピエトロ・ベレッタ社のクーガー。そう刻印が横にあるだろう」と言い、それを受け取ったパレルモが「結構持ちやすいな」というセリフがある。 |
エリチェ | 拳銃 | H&K USP | 「H&KのUSPというのがその銃の名だ」という情景描写(テキスト)がある。 |
上記以外にも、レプレの敵のアンドレオという雑魚キャラが、44口径のリボルバーを使っていますが種類は不明。また、パレルモたちのチームは、作戦によってはゴムスタン弾を使用しています。
ゲームパッケージ
ゲームはPC版、PS2版、DC版の3種類が存在します。PC版から18禁描写を削除し、オリジナルシナリオを追加し、更にフルボイス仕様にしたものがPS2版、DC版です。
BITTERSWEET FOOLS (PC版)
![]() パッケージ(表側) |
![]() パッケージ(裏側) |
![]() マニュアル、製品CD-ROM(2枚組) 特典テレカ、特典CD-ROM |
【DATA】 発売日:2001年8月31日 標準価格:8,800円(税別) 開発・発売:minori OS:Windows95/98/Me/2000 CPU:Pentium 133MHz(必須)/Celeron 300MHz以上(推奨) メモリー:64MB(必須)/128MB以上(推奨) HDD容量:500MB以上 解像度:800×600, 16bitカラー(必須)/800×600, 24bitカラー(推奨) CD-ROM:4倍速(必須)/8倍速以上(推奨) |
パソコンの動作環境に時代を感じますね。なお、2005年12月28日にリパッケージ版が発売されていますが、オリジナル版ともども新品での入手は困難と思われます。ショップの店頭在庫あるいはネットオークションで探すしかないかも。Amazonのマーケットプレイス[AA]を見たら、いくつか出品されていました。(2009年7月26日現在)
PC版は18禁ゲームなので、ティー、レーニエ、フォリフェ、ユーン、フランチェスカのエロいシーンやCGがあります。この5人は18歳以上という設定になっていますが、どっからどう見てもょぅι゛ょにしか見えない。そんなわけで、ょぅι゙ょマンセーな人にはオススメ。ちなみに、PC版のイベントCGは全部で85枚ありますが、そのうちの3分の1強がエロCGになっています。
BITTERSWEET FOOLS (Dreamcast版)
![]() パッケージ(表側) |
![]() パッケージ(裏側) |
![]() DISCレーベル面 |
【DATA】 発売日:2002年8月29日 標準価格:2,000円(税別) 開発:HuneX 発売:D3パブリッシャー ビジュアルメモリ:6ブロック~ |
PC版にあったエロ要素や暗殺シーンを排除もしくは変更し、立ち絵等のCGをリニューアル。更にオリジナルシナリオを2本追加した商品で、もちろんフルボイス仕様です。追加された話はDC専用の第九話「秘密の名前と一つのペンダント whimsical present.」と第十話「薔薇がみる夢 There's no rose without a thorn.」で、前者はアランサイド、後者はパレルモサイドのストーリーになっています。
- 第九話
- レプレの依頼を受けたアランが、恋人を装いある男を尾行するお話。サブタイトルに含まれているペンダントは、第十九話「駆けていく兎」でレプレが落としたペンダントのことです。
- 第十話
- ボーボリ庭園を散策していたフォリフェとユーンが、意識を失い倒れている少女(フランチェスカ)を発見し、孤児院に連れて行くお話。同じ頃、レーニエも謎の高熱を出し寝込んでしまい、二人の不思議な関係をそれとなく描いています。
BITTERSWEET FOOLS (PlayStation2版)
![]() パッケージ(表側) |
![]() パッケージ(裏側) |
![]() DISCレーベル面 |
【DATA】 発売日:2002年9月12日 標準価格:2,000円(税別) 開発:HuneX 発売:D3パブリッシャー メモリーカード:100KB~ |
PS2版もDC版と同様、エロ要素を排除してオリジナルシナリオ2本が追加されています。追加されているシナリオは第十一話「絵の中の希望 Holy Family with the young Saint John.」と第十二話「幕間劇 道徳の交差 crossing shadows.」で、これはPS2版だけに含まれます。このゲームが発売された当時は、ギャルゲ業界でPS2版とDC版で異なるシナリオや特典を盛り込むことが流行っていて、D3パブリッシャーもそれに乗ったのでしょうね。ユーザーとしてはいい迷惑でしたが。(;´Д`)
- 第十一話「絵の中の希望 Holy Family with the young Saint John.」
- モーリスの新たな依頼を受けたアランのお話。その依頼とは、美術館から盗まれた絵画を犯人グループから取り戻し、その際、贋作とすり替えるというもの。モーリスの押しに負けたアランはその仕事を請け負うことになるが、贋作を描いているのがソリノであることを知り、ある行動に出る。
- 第十ニ話「幕間劇 道徳の交差 crossing shadows.」
- レルモサイドのストーリー。ある日、パレルモとレーニエが街を歩いていたところ、爆弾テロが発生。犯行声明を出したのはヴェーロ・イタリアというテログループで、そのメンバーの中には黒兎と呼ばれるアジア系の女性が含まれていた。ニコラからの依頼で、パレルモは黒兎の情報を集めることになったが・・・というお話。
PS2版はキーレスポンスがやや遅いこと以外、特に操作性に不満はありませんが、実はシステムにバグが含まれています。具体的に言うと、プレイしている最中にBGMが二重に再生されるんですよ。しかも、微妙にズレながら・・・。シーンが変われば二重再生はいったん収まりますが、プレイしている最中にこのバグが起きるとかなり萎えますね。(´・ω・`)
BITTERSWEET FOOLS for PalmOS

PalmOSを搭載したSONY CLIEでの動作画面
【DATA】 OS:PalmOS 3.1以降(日本語の動作環境が必須) 空きメモリ:2MB(カラーデータ使用時)/5MB(ハイレゾデータ使用時) |
「BITTERSWEET FOOLS for PalmOS」はminoriが正式に許諾して、TRASYSさんが開発したフリーソフトです。このソフトはPalmOS上でBSFを動かすプログラム(bsf.prc)と、PC版のCD-ROMデータをPalmOS用に変換するコンバータ(bsfconv.exe)から構成され、PalmOS上でプレイするにはPC版のCD-ROMが必要となります。
今さらPalmOSでプレイしようと思う人はいないと思いますが、ソフトはminori公式サイトの左フレームにある「Download」→「BITTERSWEET FOOLS 関連ファイル」からダウンロードできます。ただ、公式サイトのソフトは古いバージョン(Ver.0.90)なので、最新バージョンが欲しい人はソフト開発元のTRASYSさんのサイトにアクセスしてください。
音楽CD
BITTERSWEET FOOLS~Dolce~
![]() パッケージ(表側) |
![]() パッケージ(裏側) |
![]() DISCレーベル面 |
【DATA】 発売日:2003年2月14日 標準価格:2,858円(税別) 発売元:ツーファイブ 音楽制作: ツーファイブ |
PS2版発売の数ヶ月後に突如として発売されたサントラCD「BITTERSWEET FOOLS~Dolce~」。キャップ(帯)には「天使達の歌」という副題が印刷されています。収録内容はゲームのオープニング曲「Angel Heart」、エンディング曲「BITTERSWEET (BUT SHINING DAY)」とゲームの全BGM、更にティとレーニエのイメージソング(新曲)とモノローグから成り、全てこのCD用にリマスタリングされたものです。ヒロイン二人のモノローグは、ゲーム最終話の後日談的な内容になっています。
OP/ED曲、イメージソングの作・編曲は全てPeace☆Manさん、作詞はドン・マッコウさんが担当。ちなみにOP/ED曲を歌っているJunさんは、ソリノ役の岡田純子さんです。(参考:元氣プロジェクト)
TRACK | 収録内容 | 収録時間 |
1 | Angel Heart (歌:Jun) | 05:57 |
2 | Tea (語り: 倖月美和) | 00:55 |
3 | Pasta & Bread (歌:倖月美和) | 04:21 |
4 | Lenie (語り:長谷川智子) | 01:01 |
5 | Angel Dream (歌:長谷川智子) | 04:10 |
6 | Ci vediamo (語り: 倖月美和) | 00:42 |
7 | BITTERSWEET (BUT SHINING DAY) (歌:Jun) | 04:30 |
8 | 駆け足で歩く道 | 01:48 |
9 | 暖かな陽射し、あたる瞬間 | 02:14 |
10 | 透明な雨 | 02:21 |
11 | 鼓動 | 02:12 |
12 | sepia's memory | 02:50 |
13 | no children | 02:10 |
14 | 忍び寄る足音 | 01:45 |
15 | 虚空に落ちる星達の歌 | 03:10 |
16 | 暖かな背中の温度 | 03:36 |
17 | 温度干渉 | 02:39 |
18 | さてどうする? | 03:07 |
19 | tintintonton | 02:24 |
20 | 頬の痛み | 02:46 |
21 | その甘い空気の中で | 02:22 |
22 | 季節の終わり | 02:05 |
収録時間合計 | 59:05 |
オープニングテーマ「ANGEL HEART」のショートバージョンはminori公式サイトの左フレームにある「Download」メニューからダウンロードできます。
関連書籍
BSF関連書籍は、ソフトバンクパブリッシング(現在はSBクリエイティブ)のラズベリー編集部発行の資料本が2冊、相田裕さんの同人誌が1冊、合計3冊出版されています。
BITTERSWEET FOOLS ~ミニ設定資料集~
![]() 表紙 |
![]() キャラ紹介(P.4) |
![]() 奥付 |
【DATA】 発売日:2001年7月20日 標準価格:390円 発行:ソフトバンクパブリッシング 判型:B5 頁数:全20頁 特典:マウスパッド |
PC版が発売される約1ヶ月前に発売された、ゲームの宣伝も兼ねたミニ設定資料集。390円という値段にもかかわらず、マウスパッド付きという太っ腹な内容。

付録のマウスパッド
また、ゲストページには大槍葦人さん、RAITAさんの寄稿イラストがあり、奥付には相田裕さんのカラーイラスト(おそらくこの本でしか見れないイラスト)が掲載されています。
頁 | コンテンツ | 備考 |
表2 | ゲストページ | 大槍葦人さんの寄稿イラスト(フランチェスカ) |
1 | 扉イラスト | 初期企画書、初期キャラクター設定集 |
2-3 | ゲーム概説 | ゲームストーリー、ゲームシステム解説 |
4-9 | キャラクター設定 | アラン、ティー、パレルモ、レーニエ、セス、フランチェスカ |
10-11 | 人物相関図 | キャラの頭身比較イラストもあり |
12-15 | 第二話シナリオ | シナリオを全文掲載 |
16 | 奥付 | この本でしか見れないティーとアランのカラーイラストあり |
表3 | ゲストページ | RAITAさんの寄稿イラスト(レーニェ) |
BITTERSWEET FOOLS ビジュアルファンブック
![]() 表紙 |
![]() OPムービー解説(P.74) |
![]() キャラクター設定(P.100) |
【DATA】 発売日:2002年11月1日 標準価格:2,800円(税別) 発行:ソフトバンクパブリッシング 判型:A4 頁数:全132頁 特典:BSF Special disc+(CD-ROM) |
とりあえずこの本さえあれば、BSFのほとんど全てが分かるというビジュアルファンブックです。2,800円とちょっと高めの値段ですが、ほぼオールカラーで、スタッフのインタビューや設定資料等が満載なので、納得のいく内容になっています。
特典のCD-ROMには、BSF体験版「TRIAL VERSION」、BSF初回特典CD「SPECIAL DISC」(デモムービー、オープニングムービー、OP/ED曲)、PalmOS用プログラム、BSF修正差分が収録されています。
頁 | コンテンツ | 備考 |
World guidance & Character | ||
004 | World guidance | イントロダクション |
006 | Character Alan | アランの立ち絵イラスト、キャラ説明 |
007 | Character Tea | ティーの立ち絵イラスト、キャラ説明 |
008 | Character Palermo | パレルモの立ち絵イラスト、キャラ説明 |
009 | Character Lenie | レーニエの立ち絵イラスト、キャラ説明 |
010 | Character Eriche | エリチェの立ち絵イラスト、キャラ説明 |
011 | Character Siena | シエナの立ち絵イラスト、キャラ説明 |
012 | Character Seth | セスの立ち絵イラスト、キャラ説明 |
013 | Character Francesca | フランチェスカの立ち絵イラスト、キャラ説明 |
014 | 人物相関図 | 古我氏監修の人物相関図 |
016 | Producer's comment | 酒井伸和氏のコメント |
Story digest | ||
018 | 攻略ルート解説 | 各話タイトル、選択肢、CGコンプリート方法など |
020 | Story digest Alan side | アランサイドのストーリーダイジェスト |
044 | Story digest Palermo side | パレルモサイドのストーリーダイジェスト |
068 | Story digest The 19th talk | 第19話のストーリーダイジェスト |
070 | Story digest The 20th talk | 第20話のストーリーダイジェスト |
072 | Staff comment | 相田裕氏、巳蔦汐生氏、結城辰也氏、小曽根雷太氏のコメント |
Material of a work | ||
074 | Opening movie making | オープニング・ムービーのメイキング(新海誠氏による解説) |
081 | Interview 新海誠 | 新海誠氏インタビュー |
082 | Event picture | イベントCG(線画、ラフスケッチ等を含む) |
098 | Florence is such a place | フィレンツェのガイド、背景美術 |
100 | Character creation | キャラクター設定画(古我氏・相田氏のコメントあり) |
108 | Interview 古我望 | 古我望氏インタビュー |
Extra | ||
112 | Voice actor's comment | 声優のコメント(手書きメッセージあり) |
114 | Goods collection | 販促アイテム、イベント限定商品 |
115 | Anthology illustration 京極しん | ゲストイラスト |
116 | Anthology illustration 近衛乙嗣 | ゲストイラスト |
117 | Anthology illustration 庄名泉石 | ゲストイラスト |
118 | Anthology illustration 巳蔦汐生 | ゲストイラスト |
119 | Anthology illustration 八樹隼一郎 | ゲストイラスト |
128 | Another story | 翼を無くした天使(こんとしろう・著、巳蔦汐生・挿絵) |
felice. BITTERSWEET FOOLS RECOLLECTION BOOK
![]() 表紙 |
![]() フィレンツェ探訪記(P.5) |
![]() 初期キャラクター設定集(P.23) |
【DATA】 発売日:2002年12月30日 標準価格:1,500円 発行:JEWELBOX(相田裕) / LAMPBOX(古我望) 判型:A4 頁数:全108頁(カラー8頁含む) |
コミケ63で発売された相田裕さん、古我望さん共同制作の同人誌です。コミケの後でアキバ等にある同人誌ショップでも販売されていました。分類上は同人誌になりますが、ゲームの開発に携わったお二人が制作されたこともあり、BSFの初期企画書、初期キャラクター設定集に始まり、製品版の設定資料(スケッチあり)、相田さん描き下ろしの漫画、古我望さん書き下ろしの短編小説、更に巻頭カラーページにはBSFの舞台となったフィレンツェ探訪記が掲載されています。前出のビジュアルファンブックには載っていない情報が満載なので、BSF好きの人は是非とも入手しておきたいところです。
頁 | コンテンツ | 備考 |
3-10 | INTRODUCTION OF FIRENZE | フィレンツェの紹介&探訪記 |
13-63 | BITTERSWEET FOOLS THE EARLY DAYS | 初期企画書、初期キャラクター設定集 |
64-68 | SOURSWEET FOOLS PART1 (comic) | らくがきまんが 第1話「パスタ・シンドローム」 第2話「コンプレックス・コンプレックス」 第3話「魔性の女」 |
69-81 | BITTERSWEET FOOLS THE PRESENT TIME | 製品版キャラクタースケッチ |
83-89 | ANGEL'S INTARIO (novel) | 外伝小説「天使のインタリオ」 |
91-98 | SOURSWEET FOOLS PART2 (comic) | らくがきまんが「欲しい答えは・・・」 |
100-102 | ENQUETE RESULT | 2002年冬に行ったアンケートの調査報告 |
まとめ
最後に簡単にまとめておきます。前述したとおり、ガンスリとかファントムのような美少女ガンアクションものではないので、そっち方面を期待して購入すると拍子抜けするかもしれませんが、次のような属性をお持ちの方にはオススメできます。
- 相田裕さんのキャラに萌え~
- ょぅι゛ょ万歳.ヽ(≧▽≦)ノ.
- 雰囲気ゲー上等!肩肘張らずプレイしたい
- とりあえずminoriの処女作をプレイしてみたい
- エッチシーンなんて飾りなんです
- 新海誠さんのオープニングムービーが気に入った
- イタリアの雰囲気を味わいたい
- 実は渋い男性キャラ萌えなんです・・・アッー!!
あと、minori作品というとWind -a breath of heart-とef - a fairy tale of the two.の2作品がアニメ化されていますが、BSFもアニメ化希望!ほぼ1話完結型のストーリーなのでシリーズ構成的にはすんなり行きそうだし、相田裕さんのキャラクターという“売り”もあるし、更に新海誠さんがどこかで関わってくればいい線行くかも。ゲームの淡々とした雰囲気を残しながらも、アランやパレルモたちのガンアクションを要所要所に挿入すれば、アニメ的な見応えもありそう。最近、イタリア旅行に行く日本人が激減しているらしいので、イタリア政府観光局とのタイアップとかもいかがでしょうか? > minoriの偉い人
それと、できればPC版、PS2版、DC版のインテグレーションバージョンもお願いします。m(_ _)m
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関連サイト

■ 「BITTER SWEET FOOLS」オープニング・店頭デモ(2001年) (Other voices -遠い声-)
■ PlayStation2専用ソフト THE 恋愛アドベンチャー ~BITTERSWEET FOOLS - (D3 PUBLISHER)
■ SIMPLE2000シリーズVol.9 THE恋愛アドベンチャー ~BITTERSWEET FOOLS~ (PlayStation.com)
■ Dreamcast専用ソフト THE 恋愛アドベンチャー ~BITTERSWEET FOOLS - (D3 PUBLISHER)
■ BITTER SWEET FOOLS THE 恋愛アドベンチャー (SEGA)
■ BITTERSWEET FOOLS~Dolce~ (TWOFIVE)
■ BITTERSWEET FOOLS (Wikipedia)
■ 『GUNSLINGER GIRL』&『BITTERSWEET FOOLS』 舞台探訪 (LaPuerta)