[アニメ感想] Phantom~Requiem for the Phantom~ 第16話 「告白」
第16話 「告白」
アニメや原作ゲームの内容に触れています。ネタバレにご注意ください。
あらすじ
第16話のあらすじはテレビ東京・あにてれ Phantom~Requiem for the Phantom~から引用しておきます。
エレンの幻影に悩まされながらも、玲二はかろうじてワイズメルの懐刀ランディ・ウェーバーによる梧桐の狙撃を阻止する事が出来た。脅威は排除した・・・梧桐を狙う者はもう居ないはずだった・・・。しかし...安堵した玲二の耳に、聞こえるはずの無い2発目の銃声が轟く・・・。
会議室のガラスに穿たれる弾痕。突然の銃撃を裏切りと解した梧桐はまたも激昂する。一触即発の空気となった。首謀者ワイズメル、彼こそが全ての陰謀の黒幕だと梧桐とマグワイヤに静かに告げるクロウディア。彼女の示したインフェルノ流の"落とし前"により、事態は収束したかに見えた・・・。 だが、玲二の疑念は、消えはしなかった・・・。誰にも当たらなかった疑惑の銃弾・・・。一体誰が・・・?玲二の脳裏で再びエレンの幻影が踊る・・・。
ストーリー&感想
第16話はゲーム第2章の終盤(クロウディアによるワイズメル射殺、キャルの告白、サイスの策略)を描いたものです。基本的な流れは原作ゲーム通りですが、キャルの告白以降のシーンは煙に巻かれた印象が否めません。オリジナルゲームが18禁なので致し方ない面もありますが、少なくともPS2版のようなキスシーンぐらいは入れてもよかったんじゃないかなぁ。第3章で描かれる三角関係(ある意味女同士の痴話ゲンカ)は、キャルの「身も心も(金も)玲二に捧げたのに・・・」という想いが元凶になってるわけだしw
Aパート

超長距離狙撃
ホテルの会議室に撃ち込まれた一発の弾丸。インフェルノ幹部と梧桐組の会見の場は騒然となり、一色触発の事態に。予期せぬ第2のスナイパーの出現に驚きを隠せない玲二。彼の脳裏には梧桐組の舎弟・室戸を殺した女の姿が浮かぶが、果たしてその予感は的中。超長距離狙撃を実行したのは、サイスの命令を受けたアインであった。
サブタイトル前のシーンは前回のおさらい+α。アインとサイスの会話の内容(「ルートCで離脱」云々)は原作ゲーム準拠。ただし、ゲームではサイスの姿は描かれていません。人民服っぽい服装はなかなかオサレですなw

クロウディアのアドリブ~ワイズメルの死~
梧桐大輔の怒号を制止したのは、またもや一発の銃声であった。リズィの拳銃を横からかっさらったクロウディアが、躊躇なくマグワイヤを射殺。梧桐はもちろん、その場にいた全員はまさかの展開に言葉を失う。そして、クロウディアは一連の襲撃の首謀者がワイズメルであること、更に動かぬ証拠があることを告げ、その場を収めることに成功する。
アニメのクロウディアはリズィの銃(AMTハードボーラー)でワイズメルを射殺していたけど、原作ゲームのクロウディアは自前の銃(AMT Backup)を使ってワイズメルの額を撃ち抜いている。アニメでは血が出ていないので、どこを撃たれたのか分からない。これもテレ東規制なのでしょうか。なんか「NOIR」を思い出すなぁ。DVD版ではちゃんと血が出るのかな?

玲二の私見
バーのカウンターに腰を下ろし、狙撃事件について振り返る玲二とリズィ。ランディの狙撃を阻止したのに銃弾が撃ち込まれたこと、初弾を放っただけで何故狙撃を続けなかったのか。カウンタースナイピングを担当した玲二とっては、腑に落ちないことだらけだ。玲二はスナイパーの目的が「あの場にいた者たちを疑心暗鬼に陥らせること」にあったと私見を述べるが、リズィは自分たちはただの兵隊だと言い玲二を制止する。
500万ドルのケース
その日の夜。玲二はワイズメルの別荘へ車を走らせていた。目的はキャルが奪っていた500万ドル入りのトランクケースをその別荘に置くことだ。これでヤクザ殺しの犯人、ジュディの敵討ち、そして玲二の思い込みも全て収まるはずであったが・・・。
玲二とリズィの会話の中身は概ねゲーム通り。ただ、「ランディはワイズメルの手札の中ではスペードのエース」とか「敵を探す範囲が半径1マイルでも狭すぎた」といった玲二のセリフは、尺の都合(?)でカットされています。
ワイズメルの別荘があるのはアローヘッド湖畔(カリフォルニア州)という設定。アニメで実在の地名が出て来ないのは、今に始まったことではありませんが、何らかの自主規制が働いているのでしょうか。

キャル、助手からメイドへ
カウンタースナイピングから数日後。玲二がロフトで銃のメンテナンスをしていたところ、キャルがワイズメルの死の真偽を尋ねてきた。玲二が本当のことだと教えると、キャルは残念そうな顔をする。敵討ちが終わり、お払い箱になることを怖れているようだ。そんなキャルの気持ちを察した玲二。飯炊きメイドとして雇う約束をし、それを聞いたキャルは満面の笑顔を浮かべて嬉しそうだ。
このシーンの玲二とキャルの会話は、順番が入れ替わっていたり、敵討ちの代金不足やキャルの料理の腕前の件などが端折られていますが概ねゲーム通りです。メイド云々もゲームにありますが、「きっちりお仕着せしたメイドがうろついていたら、ただの変態だ」というモノローグは削除されていますね。まあ、アニメはクールでイケメンの玲二で通ってますから、この削除は当然でしょうw
クロウディアの報告書
一方その頃、クロウディアは一連の事件をめとめた報告書をマグワイヤに提出していた。マグワイヤは完璧すぎる報告書に疑念を抱いているようだが、敢えてそこには深入りせず、クロウディアをインフェルノの幹部として迎え入れることに。
クロウディアが報告書を提出するシーンはアニメオリジナルです。ゲームでは「改めてそちらに伺います」というクロウディアのセリフだけで済まされている部分です。
マグワイヤとの約束
一連の騒動にはひとまず片が付いたが、一つだけ気がかりな点があった。それは、玲二がマグワイヤと交わした約束―キャルを暗殺者として育てること―だ。しかし、上手く切り抜ける方法が思いつかず、キャルの笑顔に安らぎを感じていることもあり、彼女をしばらく手元に置くこととなった。
先ほど順番が入れ替わっていると書きましたが、このシーンがそうです。玲二のモノローグは、ゲームではロフト内でのキャルとの会話の中に含まれています。つまり、ゲームには屋上の日光浴シーンも、キャルが洗濯物を干すシーンもありません。また、順番が入れ替わったことで、キャルをメイドとして雇う理由付けも少し変化していますね。
ゲーム:マグワイヤとの約束があるので逃がすことはできない→しかし助手の話は無しにしたい→手元に置くにはメイドしかない!
アニメ:キャルに助手をさせたくない→キャルの悲しむ顔は見たくない(?)→しばらく飯炊きメイドだ!
あと、キャルのネコミミ・カチューシャはアニメオリジナル。ロスでネコミミ・カチューシャが売られているとは思えないので、キャルのお手製か?
Bパート

穏やかな日常
キャルとの共同生活は、玲二にとって普通の人間としての生活を味わえる至福の時間になっていた。最も危惧していたマグワイヤとの約束も新たな進展はなく、穏やかな日常が過ぎていった・・・。
このシーンは全てアニメオリジナルです。ネコミミ・カチューシャを付けて料理をしたり、ピギー(ブタのパペット人形)を買う描写はゲームにはありません。真夜中にキャルが玲二の寝室に入ってくるシーンはゲームにもありますが、例のよそ行きの服を着ているし、そもそも告白目的なので全く別。ちなみに、ゲーム内の告白シーンは、アニメではこの後のシャワーシーン以降に相当します。
リズィの忠告
ワイズメルを葬り、晴れてインフェルノの幹部に昇進したクロウディア。当初の計画通り、全て順風満帆にことは運んでいるが、付き合いの長いリズィはそんなクロウディアに「足下にだけは気を付けな」と忠告する。
クロウディアとリズィの会話シーンもアニメオリジナル。こういった穏やかな日常を描くことで、この後起きる急変を際立たせるための演出と思われます。

キャルの告白
「このままでいいのか?このままで・・・」
キャルの扱いについて玲二が悩んでいると、それを見透かしたようにキャルが助手になりたいとせがんできた。自立した人間になりたい、玲二の役に立ちたい。そして、いつまでも玲二の傍にいたい。いつの間にか、玲二に対して特別な感情を抱いていたキャル。玲二はそんなキャルの想いに気付き、彼女を受け入れる。
「お前と離れたら、また俺は死人に戻る。お前が思い出させてくれた、笑うことも、泣くことも・・・」
ベッドで眠るキャルの寝顔を見て、玲二はキャルに対する想いをいっそう募らせるのであった。
キャルと玲二の会話の内容は概ね原作準拠ですが、前述したとおり、ゲームでは真夜中にキャルがよそ行きの服を着て玲二の寝室を訪れるという展開です。ちなみにゲームにシャワーシーンはありません。
アニメの寝室のシーンも、見ようによっては事後描写に見えなくもありませんが、PS2版のキスシーンやPC版のエッチシーンに比べると淡泊すぎる。物足りない。ええ物足りませんとも。せめて玲二のシャツの前がはだけていたら・・・。

サイスの復讐劇、最終章へ
常日頃、冷静沈着な志賀であったが、今日の彼は違っていた。その原因は、アドバイザーのギュゼッペが彼に手渡した1枚の写真にあった。その写真には、室戸が殺された現場で凶器のカミソリを握っている玲二の姿が写っていたのだ。怒り心頭な志賀は手下を呼びつけ、若頭(梧桐大輔)へ連絡をつけるよう命令。そして、ことの真偽を確かめずに部屋を飛び出していってしまった。そんな志賀を見て、ほくそ笑むギュゼッペ(サイス)。こうして、クロウディアに対する復讐劇の最終章の幕が切って落とされた。
このシーンも流れは原作準拠。ゲームとの違いは次の2点。
①写真の枚数が1枚に減っている
アニメでは室戸が殺されたホテルの一室の写真だけでしたが、ゲームにはビルの屋上でライフルを構えている玲二の写真もあります。
②写真の入手経路の説明が省かれている
ゲームにはサイスの説明(もちろん嘘説明)があり、これらの写真はブラディーズ崩壊で流出したもので、ワイズメルが探偵を雇って盗撮したことになっている。ちなみに、室戸殺害現場の写真は隣のホテルから望遠レンズで盗撮したとか。
リズィからの電話
夕食後、玲二とキャルのロフトで電話のベルが鳴り響いた。玲二が受話器を取ると電話の相手はリズィで、ブラディーズの残党が妙な動きをしているので、助っ人に来て欲しいという応援要請だった。玲二はそれを快諾し、待ち合わせ場所に向かうことに。ところが、これは梧桐組による罠。そして、キャルとの別れになることも、この時の玲二には知る由もなかった・・・。
ゲームには玲二が出かける際に、キャルの「今夜は壊れたビデオデッキの修理をする」云々というセリフがあります。このセリフは第2章ラストの伏線なんだけど、これを削除したってことは、アニメでは別の理由付けを用意しているってことでしょうか?
また、ラストシーンで志賀がリズィに銃を突きつけていたけど、これはアニメオリジナル描写。ゲームの志賀は、この場面には登場しません。また、梧桐組の罠であることも、この時点では描かれていません。視聴者の関心を次回に引くための、いわゆるアニメの文法ですね。わかります。
銃器チェック
第16話に登場した銃器を適当に鑑定しておきます。何かお気付きの点がありましたらコメントください。m(_ _)m
リズィの大型オート

リズィの大型オート
毎度お馴染みのAMT ハードボーラーのロングスライド(7インチ)モデル。左の画像ではハンマーが起きていませんが、右の画像では起きています。リズィからハードボーラーを掻っ攫った際、クロウが瞬間的にハンマーを起こしたのでしょうかw
梧桐組舎弟のオート

梧桐組舎弟のオート
前回も登場した、サイスが梧桐組のために手配したオート。フレイム等の大きさからグロック 17と思われます。
玲二のオート

玲二のオート
玲二が最近よく使っているBERETTA M92FS。第14話ではハンマーが起きた状態で懐に入れてましたが、今回は何もせずw
(参考)ベレッタM92FS フィールドストリッピング
YouTubeにM92FSのフィールドストリッピング動画があったので貼っておきます。
キャルの小型オート

キャルがフィールドストリッピングしたオート
キャルがテーブルの上に放置していた小型オートは、何度も登場しているAMT Backup。
(参考)AMT Backup: Field Strip & Reassembly
AMT Backupのフィールドストリッピング動画もありました。
志賀のオート

志賀のオート
志賀がリズィの頭に突きつけていたオートは、どっからどう見てもコルト ガバメント。画像では分かりにくいけど、ハンマーはちゃんと起きています。なお、サイスが手配したグロックを使わず、敢えてガバメントを選んだ理由は不明。
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関連サイト
■ ニトロプラス10周年記念 ファントムプロジェクト「ファントム」 (TVアニメ公式)■ Phantom~Requiem for the Phantom~ (TV東京・あにてれ)
■ 月刊コミックアライブ オフィシャルサイト (メディアファクトリー公式)
■ ファントムシリーズ (ニトロプラス公式)
■ Phantom -PHANTOM OF INFERNO- (DVD VIDEO GAME公式/デジターボ)
■ ファントム-PHANTOM OF INFERNO- (PS2版公式/プリンセスソフト)
■ Phantom -PHANTOM OF INFERNO- (Wikipedia)
■ ファントム -PHANTOM OF INFERNO- シリーズ 銃火器データベース (MEDIAGUN DATABASE)
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