[アニメ感想] Phantom~Requiem for the Phantom~ 第13話 「偽装」
第13話 「偽装」
アニメや原作ゲームの内容に触れています。ネタバレにご注意ください。
あらすじ
第13話のあらすじはテレビ東京・あにてれ Phantom~Requiem for the Phantom~から引用しておきます。
インフェルノ加盟を控えた梧桐組との取引が目前に迫る。役者は揃い全てはクロウディアの目論見通り進む、かに見えた・・・。だが、舞台は壊される・・・。玲二を伴い現場に向かった彼女が目にしたのは・・・梧桐組の構成員と事件に巻き込まれた通行人ジュディの死体、そして消えた500万ドルだった・・・。事態を受けマグワイアは、組織の沽券に賭け即座に取引現場を縄張りとするワイズメルに犯人捜しを命じる。
一方、独自に調査を開始した玲二は、ジュディの死体発見現場で「キャル」という少女と出会う。犯人を目撃したと玲二に告げるキャル。さらには行くアテが無いと、キャルは玲二の部屋に転がり込むことに・・・。束の間の奇妙なパートナー関係。その筈だった・・・。ワイズメルに彼女の事が知れるまでは・・・。
ストーリー&感想
Aパート

ワイズメルの縄張りで梧桐組構成員が襲われ、500万ドルが奪われた。マグワイヤから襲撃犯の捜索を指示されたワイズメルは、配下の手下に犯人の確保を命じる。
前回の復習を兼ねた冒頭のシーンはアニメオリジナルです。ワイズメルと一緒にいる、いかつい大男の名前はランディ。公式サイトにキャラ紹介が載っていないので、Phantom ~Phantom of lnferno~ オフィシャルガイド-Memories of Assassin[AA]から引用しておきます。
ランディ 元デルタフォース隊員。ファントムほどではないが、それに次ぐ戦闘能力を持っている。アイザックの腹心で忠誠度も高く、切り離すのは難しいと思われる。ただ、忠誠のあまり、命令されたこと以外、実行しないことに注目したいところだ。(クロウディア・マッキェネンによるインフェルノ分析より)

襲撃現場に居合わせ、犯人を目撃したという少女・キャル。玲二はキャルをバーガーショップに連れて行き、そこで詳しい話を聞こうとするが、彼女の無理難題に終始振り回されっぱなしだ。しかし、情報を得るために背に腹は代えられず、玲二は「ジュディの仇を討つところを見届けたい」と言うキャルの願いを聞き入れる。更に、泊まるところがないというキャルを自らの隠れ家に案内することになってしまった。
玲二がバーガーショップにキャルと連れて行き、襲撃犯の話を聞くという展開は原作ゲームどおり。ただ細かい部分が端折られていて、バーガーショップに来たのはキャルのリクエストです。大量のハンバーガーは、玲二から渡された50ドル札でキャルが注文したもので、全部で20個あります。
また、キャルがお店の注文カウンターに行っている隙に、玲二がリズィに電話を掛けて目撃者確保の一報を入れるのですが、アニメではこの後の玲二の部屋のシーンに移動しています。ゲーム内には「・・・友達には、今夜、渡りをつけてみる」というセリフがあるので、それの影響かも。

リズィは襲撃現場で情報を収集しながら、状況をクロウディアに報告。しかし、特に進展がなくクロウディアは心中穏やかでない。梧桐組を使いインフェルノでの立場を強固なものにせんとする彼女にとって、今回の事件はその計画に水を差すものだからだ。
このシーンはアニメオリジナルです。ただ、リズィとクロウディアの会話の内容は兎も角、その後のクロウディアが自分の野望を語るモノローグは少しくどいような気がします。クロウディアが裏切り者だってことは、これまでの話を普通に見ていれば分かりますってw

玲二とキャルは隠れ家に到着。そして、キャルがシャワーを浴びている隙に、玲二はリズィに電話して友達のふりをしてくれるよう依頼する。一方、キャルはシャワーを浴びながら涙を流し・・・。
ここも、話の流れはゲームと一緒ですが、いくつか変更箇所があります。以下、主だったものをあげておきますが、その中のいくつかはTV放送上の自主規制っぽいですねw
- 玲二が掃除機で部屋を掃除する描写が無い。
- 冷蔵庫を開けたキャルのセリフ「ビールばっかじゃん」が「何も入ってないね」に変更された。
- ビールで乾杯しながら、お互いの年齢について尋ねる会話が削除。(PS2版ではキャルはジュースです)
- 玲二がキャルの住んでいた場所(サウスセントラル=ストリートギャングの巣窟)に触れるモノローグが削除。
- キャルが「昔誰かと住んでた?」と尋ねたり、シャワーを浴びたりするシーンはアニメオリジナル。
- 玲二がリズィに電話する描写は、ゲームではハンバーガーショップのシーンにありました。会話の内容とかリズィの意地悪口調はほぼゲーム通りですが、友達のふりをするよう依頼する部分はアニメオリジナル。
- リズィがワイズメルに見つかる描写は、ゲームでは省略されています。いかにもアニメ的な補完ですね。

シャワーを浴びて出て来たキャルに、玲二は友達と連絡がついたことを伝える。キャルは満面の笑顔で大喜び。そしてテーブルに向かい合って座った二人は、コーヒーを飲みながらお互いの話に耳を傾ける。家族のこと、ジュディのこと、これから先のこと・・・。
そんな感じの会話をしばらくした後、キャルはベッドへ。しかし、眠れずにジュディと一緒に写った写真を見つめ続けている。一方、玲二はシャワーを浴びて休もうとしていたが、突然玄関のドアを激しく叩く音が!用心のため拳銃を隠し持ち、ドアスコープから外を覗くと、そこにはワイズメルとその手下・ランディ、更にリズィの姿があった。
このシーンは、ゲームと比べると大きな違いがあります。ゲームではこの段階(ワイズメルが来る直前の玲二とキャルの会話)でキャルの目撃が嘘であったことが判明します。具体的にいうと、玲二が「誰が、やった?」と尋ね、キャルが涙目になって「知らないよ」と答えるのですが、その描写がバッサリ削除されています。アニメではこの後のBパートで、玲二がキャルの嘘に気づいていたことになっていますが、この段階でキャルの嘘を明示した方が、ワイズメルと対峙する場面での玲二の決意がより強固なものに見えると思うのですが・・・。
Bパート

ワイズメルはリズィから目撃者の件を聞き出したことを玲二に伝え、キャルに会わせろと迫る。玲二は「彼女の嘘だ」と言いそれを阻止しようとするが、ワイズメルがそんな言い訳で納得する筈もない。玲二を押しのけ、キャルの居る部屋に向かおうとしたワイズメル。玲二は仕方なくバスタオルの中に隠してあった拳銃を出し、ワイズメルの歩を遮る。部屋の中に一色触発の緊張感が漂い始めるが、意外なことにワイズメルの方が折れ、玲二は明朝10時にインフェルノ本部で申し開きをすることとなった。
このシーンの流れは、ほぼゲーム準拠。ただ、ゲームと違いワイズメルの怒りのトーンがかなり抑えられています。ゲームのワイズメルは、ドアを叩きながら「開けな、小僧!」と叫んだり、「クロウディアの尻拭いなんぞに割く時間は1秒だって惜しいんだよ」と嫌みを言ったり。いかにもストリートギャングのボスの匂いがプンプン漂っていますが、アニメのワイズメルはチンピラを卒業したちょい悪オヤジって感じですなw
それと、キャルに会おうとするワイズメルを玲二が制止していますが、その際の玲二のセリフも変更されています。ゲームの玲二は「俺の見当違いだった」と苦しい言い訳をしていますが、アニメでは「シロウトの女の子があんな暗い場所で何かを見ることなんて出来ない。撃った奴を見たなんていうのは彼女の嘘だ」と正直に言ってます。まあ、どちらにせよワイズメルは納得しませんでしたけど。
キャルがベッドからバッグを落とす描写はアニメオリジナル。玲二が拳銃をワイズメルに向ける描写はゲームにもありますが、銃の種類はコルト ガバメントでした。(もしかしたら銃器選択のフラグが影響しているのかもしれませんがw)
キャルのことを「明朝10時」にマグワイヤの前で報告する件は、ゲームでは玲二が言い出しているのですが、アニメではワイズメルからの指図に変更。ちょい悪オヤジと化したワイズメルの大人な対応ってところでしょうか。
ワイズメルとランディが立ち去った後の玲二とリズィの会話はゲームどおりです。玲二がキャルに向かい「何も知らない、だろ?」と言う部分はアニメオリジナル。

明日の朝10時までに、ワイズメルたちを納得させるストーリーを仕立て上げることになった玲二。それにはまず事実を知る必要があり、玲二はキャルにその時の状況を問いただす。キャルは目に涙を浮かべながら事件当日のことを玲二に話し始める。そして、玲二が殺し屋ファントムであることに気づいた彼女は、ジュディの仇を討つため、バッグの中に隠し持っていた500万ドルを床にばらまくのであった・・・。
前述したとおり、ゲームのキャルが嘘を告白する場面はワイズメルの訪問前でしたが、アニメではこのシーンに移動しています。ゲームでは「あんな真っ暗い場所で なにも見えるわけないよ」というキャルのセリフだけでしたが、アニメではその時の状況が回想という形で再現されてますね。これ以外は、セリフ回しの細かい変更等を除き、ほぼゲーム通りの展開です。

翌朝10時、玲二はインフェルノ本部に出頭。マグワイヤ、ワイズメル、クロウディアを前にしてキャルの件を報告する。そして、玲二が幹部三人の前で語った苦肉の策は、キャルを暗殺者として育て、将来的にファントムの片腕とするというもの。それを聞いたワイズメルはテーブルを叩き怒りを露わにするが、玲二は「言葉で説明できるもんじゃない」と言いそれを一蹴。更にかつての自分を引き合いに出し、マグワイヤの同意を得ることに成功する。
ここも話の流れはゲーム準拠です。ただし、玲二が「キャルは無関係」と断定し、「俺はファントムです。その手の技術は心得ています」と言い切る部分はアニメオリジナル。この件といい前回の襲撃現場で、暗殺者が使った銃をサイレンサー付きの拳銃と言い当てた件といい、いったいどんな技術なんだw
また、マグワイヤの「自白剤を使ったのかね?」という部分はアニメオリジナルというかゲームの改変。ゲームには、ワイズメルを牽制するため「あんたにせっかくの金の卵を預けてみろ、自白剤でも射たれて神経をぶち壊しにされたガラクタが残るだけ」という玲二のセリフがありますが、それをマグワイヤの質問に変更したようです。マグワイヤ側からこの質問をしてくれたことで、玲二には「キャルを自白剤で壊されたくない」という大義名分が出来ましたねw
マグワイヤがジュディのことを「娼婦」って言ってたけど、前回は意図的にボカしていたので統一感が無いなぁ。そこんとこちゃんと調整してくださいよ、監督!
マグワイヤ絡みでは、なぜか重要そうなセリフもカットされていました。「その少女をファントムに預けておいても、それはインフェルノの手中にあるも同じことだ」というもので、とりあえずこの場を丸く収める感じのセリフです。アニメではマグワイヤのこのセリフが削られた代わりに、クロウディアとマグワイヤのモノローグが追加されていました。クロウディアとマグワイヤの対立をより明確にしたかったのでしょうか。
あと、所々キャルが時計を修理する描写が挿入されていましたが、あれはキャルの隠れた素養を表現したのでしょう。

会議室を退出した玲二とリズィ。リズィは今回のごたごたの原因を作ったことを玲二に謝罪するが、「あれだけ売り込んだ以上、あんたは責任を問われるぞ」と釘を刺すのも忘れない。一方、玲二はそれを意に介さず「わかってる」と言ったものの、目の前には難題が山積みだ。
玲二「けっきょく何も解決していない。襲撃犯、500万ドル、ジュディの復讐。どうする・・・」
玲二とリズィの会話の内容はゲームどおり。玲二の運転する車が高速道路を走る描写はゲームにもありますが、モノローグは短い言葉にまとめられていますね。また、運転している車の車種も異なっています。ゲームではVWゴルフでした。
銃器チェック
第13話に登場した銃器(回想シーンを除く)を適当に鑑定しておきます。今回登場した銃器は1種類だけでした。何かお気付きの点がありましたらコメントください。
玲二のオート

玲二のオート
玲二が最近よく使っているベレッタM92FS。
作画(彩色)の陰影で分かりにくいけど、セフティは解除されているみたい。また、アップの画像ではスライド天面(リアサイト脇)の小さな凹み、グリップ下部のランヤードリングも描かれている。
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関連サイト
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■ 月刊コミックアライブ オフィシャルサイト (メディアファクトリー公式)
■ ファントムシリーズ (ニトロプラス公式)
■ Phantom -PHANTOM OF INFERNO- (DVD VIDEO GAME公式/デジターボ)
■ ファントム-PHANTOM OF INFERNO- (PS2版公式/プリンセスソフト)
■ Phantom -PHANTOM OF INFERNO- (Wikipedia)
■ ファントム -PHANTOM OF INFERNO- シリーズ 銃火器データベース (MEDIAGUN DATABASE)
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