[アニメ感想] Phantom~Requiem for the Phantom~ 第11話 「襲名」
第11話 「襲名」
アニメや原作ゲームの内容に触れています。ネタバレにご注意ください。
あらすじ
第11話のあらすじはテレビ東京・あにてれ Phantom~Requiem for the Phantom~から引用しておきます。
偶然にもインフェルノのファントムが手を下した暗殺現場を目撃してしまった玲二。その代償は余りにも大きかった。過去は奪われ、暗殺者として訓練された玲二は、彼の才能に目を付けたサイス・マスターの思惑通り、アインと共に驚くべきスピードで暗殺者としての道を駆け抜ける・・・。そう、クロウディアに渡されたパスポートをきっかけに彼の記憶が甦るまでは・・・。
クロウディアは彼の自己を呼び覚まし、例え組織の中にいても自由があると彼の意思を突き動かす。彼女は玲二を寵愛し、インフェルノとは関係のない独自の任務に彼を起用する。また、秘密裏にヤクザと接触を図るなど、次第に彼女の不穏な部分が見え隠れすることに・・・。それらの不可解な行動は、すべて彼女のある復讐心に起因するのだった。今ここに閉ざされたクロウディアの過去と思惑が明かされる。
ストーリー&感想
第11話は、これまでの総集編+クロウディア過去話+玲二のファントム襲名という構成でした。ゲームでいうところの第1章と第2章をつなぐ回で、サブタイトルこそ「襲名」となっていますが、メインはクロウディアの過去話。クロウディアを突き動かしてきた行動原理にスポットを当てています。内容的にはほぼ原作に準拠しているのですが、総集編と織り交ぜて描くことで、彼女の立ち位置がより明確になっていたと思います。何しろゲームではミスリードが強烈で、第2章の終盤になるまで、真の裏切り者がクロウディアであることに気付けませんでしたからw
Aパート
Aパートは第1話~第8話(前半)の総集編に、クロウディアの現在と過去を織り込んでいます。
なお、この感想記事では新作パートのみをとりあげ、総集編パートは割愛します。総集編パートの中にも時々新作カット※が挿入されていましたが、それもスルーさせていただきます。
※アインがリズィの銃弾を受けるカット等

このシーンはサブタイトル表示前のパートで、前回ラストの続きです。玲二がサイスに撃たれて海にどぼん、瀕死の重傷を負った状態で海岸に流れ着くというアニメオリジナルの展開。
原作ゲームの玲二はサイスの銃弾を避けて海に飛び込み、その際に「なぜ避けたんだ、そうまでして生きていたいのか、この手でエレンを撃っておきながら・・・」と自分を責め立てるのですが、そのモノローグは完全に削除。また、この状況でどうやって助かったのかも描かれていないため、まったくもって意味不明のシーンになってしまいましたね。

クロウディアが弟・ロメロの墓参りに向かうシーン。ゲームには無いアニメオリジナルの描写です。

クロウディアとリズィの会話から、クロウディアと弟・ロメロの過去話に突入。過去話で語られている内容は、ほぼ原作ゲーム準拠です。ちなみに、ゲームではクロウディアと玲二の会話(アニメでいうと第8話に相当)の中に登場します。
クロウディア「昔、私がいたファミリーはね・・・もうないの。潰されたのよ、インフェルノに。残ったのは私だけ・・・」 (ゲーム内のセリフ)
ただ、アニメとゲームで大きく異なる点があり、それはロメロの死因です。アニメではワイズメルとの抗争で死亡したことになっていましたが、ゲームではクロウディア自身が弟を殺しています。しかも姉弟でありながら、二人には禁断の愛があったという設定。TVアニメというかテレ東アニメなので自主規制したのかもしれませんが、クロウディアの悪女っぷりが大幅にスケールダウンしたことは否めません。(´・ω・`)
Bパート
Bパートは第8話(後半)~第10話の総集編に、事件から3ヶ月後のファントム襲名を加えた内容。前述したとおり、サイスの銃弾を受け海岸に打ち上げられた玲二が、どのように救助されたのかが全く描かれていません。
ゲームではサイスの銃弾を避けて海に落ちた後、リズィに引き上げられ、その直後に“ファントム”襲名という展開になっています。ところが、アニメでは後述する変な儀式を描くために、そういった描写が全て吹き飛ばされてしまいました。始めに変な儀式ありきでシナリオを書き、そこから逆算して海岸に打ち上げられるという展開を思いついたのでしょう。┐(´ー`)┌ヤレヤレ

サイス逃亡から3ヶ月後。インフェルノの幹部会で、勢力拡大の成果について報告するクロウディア。このシーンはアニメオリジナルです。ファントム襲名を先延ばししたため、尺かせぎ的に挿入したものと思われます。

幹部会終了後のマグワイヤとワイズメルの会談シーン。この描写自体はアニメオリジナルですが、語られている内容はゲームから持ってきています。具体的に言うと、クロウディアと玲二の会話(アニメでいうと第8話に相当)がそれです。
ナレーション「他の二人の幹部、マグワイヤとワイズメルはいつも複数のボディガードや運転手に囲まれている。だが一方、彼らと同じインフェルノの幹部であるクロウディアは、常にリズィ一人しか従えていない」
クロウディア「私は・・・結局、インフェルノの実力行使を仕切る立場の人間でしょう?そういう役目は、どこの組織にも属さない人間にしか果たせないわ。インフェルノが全ての加盟者に対して公平であるためには、ね」
ナレーション「インフェルノという組織の中でクロウディアは孤立無援なのだ。暗黒街の野心家たちが共通の利益を求めて集まった組織インフェルノ。だが、クロウディアは何の利益も得られない。彼女がバックボーンとなる組織を持たないからだ。つまり、インフェルノの内部では野心の持ちようがない。だからこそ、彼女は信頼されている。背任や職権を乱用したところで、何ら得られるものはないのだから。完全中立の第三者・・・言い換えれば、蚊帳の外の雇われ者」 (以上、ゲームから)

東京の料亭で、逃走したサイスと面会する梧桐組の志賀。このシーンもアニメオリジナルとなりますが、梧桐組が裏でサイスとつながっていた件は、ゲーム第2章の終盤でさらりと触れられています。つまり、このシーンはサイスがインフェルノに復帰して、クロウディアの計画が頓挫することの伏線と言えます。

Aパートにあったクロウディアの過去話の続き。もちろんアニメオリジナルで、インフェルノに対する復讐を誓ったクロウディアを描いているのでしょう。

玲二のファントム襲名シーンですが・・・。
(ノ∀`) アチャー ついにやってしまいましたか、原作ゲームの改悪を。
これ何ていうソルダ?玲二は「真のファントム」ですか?
正直これは無いわ。インフェルノって、こういった儀式的なことをする組織じゃない。伝統的なマフィアとは対極に位置する、マフィア界の新興改革勢力なのに・・・。
ちなみにゲームでは、海に落ちた玲二がリズィに引き上げられ、その直後にマグワイヤとクロウディアが到着。状況を確認したマグワイヤが、玲二にファントムを襲名させるという展開です。
マグワイヤ「今後とも、インフェルノに尽力して欲しい。頼んだぞ、ファントム」
玲二『・・・え?・・・何を言ってるんだ、この人は・・・?ファントム・・・そう呼ばれていた女の子はもういないんだ・・・ついさっき、この手で・・・』
マグワイヤ「何か不思議かね?あれだけ凄まじい腕前を誇った先代のファントムを彼は、たった一人で屠り去った。今この場から、彼をファントムを呼ぶことに何の支障がある?」
リズィ「そりゃ、まぁ、確かに」
クロウディア「襲名させるのですね。彼に」
玲二『・・・よりによって・・・ファントムだって・・・?傑作だよ・・・最高の・・・。お笑いだ』
(以上、ゲームより)
アニメとは違い、絶望の最中に舞い降りてきたファントム襲名。このモノローグには、絶望を通り越してもはや笑うしかない玲二の気持ちがよく表れています。まあ、アニメもネタ的には面白いけど、世界観をぶち壊しすぎて、それこそもはや笑うしかないw
次回予告

次回はついにキャル登場!!.ヽ(≧▽≦)ノ.
第1話のラストにもちらっと映ってたけど、声付き映像はこの予告が初めてですね。ゲームのこおろぎキャルも良かったけど、沢城キャルもなかなかカワユス♥
銃器チェック
第11話に登場した銃器(総集編パートを除く)を適当に鑑定しておきます。何かお気付きの点がありましたらコメントください。
ツヴァイのオート①

ツヴァイのオート①
ベレッタM92シリーズの現行モデル・ベレッタM92FS。キャプチャ画像はホールドオープンして、バレルがむき出しになった状態。この銃はショートリコイル機構なので、作画ではそれを踏まえて、マズル先端とスプリングガイドの先端がほぼ一直線になっている。
ワイズメルのリボルバー

ワイズメルのリボルバー
若かりし日々のワイズメルが使っていたリボルバーは、バレル、シリンダー(フルート)等の形状からS&W M29のステンレスモデル・S&W M629。
ロメロのオート

ロメロのオート
全体のシルエット、トリガーの形状からコルト ガバメントのバリエーションまたはクローン。雰囲気的にPara Ordnance P14・45シリーズっぽいんだけど、気になるのはリアサイトが前寄りに付いている点。
ロメロの仲間のオート

ロメロの仲間のオート
これもコルト ガバメントのバリエーションまたはクローンモデル。キャプチャ画像を見ると、ハンマーがリングハンマーなのでコルト コンバット コマンダーあたりか?スライド後部に掘られている溝が違っているけど。
ワイズメルの仲間のオート

ワイズメルの仲間のオート
これは鑑定が難しい!この絵から見て取れる特徴は
- フレイムの先端とスライドの先端下部が削られている。
- やや大きめのスライドストップ。(この位置でスライドストップの役目を果たせるのか疑問だけどw)
- グリップにビーバーテイルが無い。
- スライド後部(側面)にセフティらしきパーツが描かれている。
- トリガーを引いたら、スライドだけでなくフレイムの先端も一緒に後退w
といったところ。⑤はとりあえず無視して、②も作画の影響と考えると、全体の印象からはスタームルガー P85に見えなくもない。以前にも登場したことのあるS&W M39シリーズの可能性も高そう。
敵対組織のSMG

敵対組織の男のSMG
敵対組織の男が使っていたSMGは、シルエットからIMI UZI。
ツヴァイのオート②

ツヴァイのオート②
“ファントム”を襲名したツヴァイのオートは、スライド先端部の形状やセイフティの位置からベレッタM92FS。念のため、手元にあった安物のエアガンと比較してみたら、マズルの位置が下寄りに描かれているw
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■ ニトロプラスの「ファントム」がTVアニメ化決定
関連サイト
■ ニトロプラス10周年記念 ファントムプロジェクト「ファントム」 (TVアニメ公式)■ Phantom~Requiem for the Phantom~ (TV東京・あにてれ)
■ 月刊コミックアライブ オフィシャルサイト (メディアファクトリー公式)
■ ファントムシリーズ (ニトロプラス公式)
■ Phantom -PHANTOM OF INFERNO- (DVD VIDEO GAME公式/デジターボ)
■ ファントム-PHANTOM OF INFERNO- (PS2版公式/プリンセスソフト)
■ Phantom -PHANTOM OF INFERNO- (Wikipedia)
■ ファントム -PHANTOM OF INFERNO- シリーズ 銃火器データベース (MEDIAGUN DATABASE)
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