[アニメ感想] Phantom~Requiem for the Phantom~ 第6話 「大火」
第6話 「大火」
アニメや原作ゲームの内容に触れています。ネタバレにご注意ください。
あらすじ
第6話のあらすじはアニメ公式サイトから引用しておきます。この感想を書いた時点ではテレビ東京・あにてれ Phantom~Requiem for the Phantom~にあらすじが掲載されていませんでした。
最愛の家族を奪われたトニーは復讐のため、
インフェルノという組織の特殊性を突いた策に出る。
インフェルノは数々の犯罪組織の幹部による組織であり、
各組織のボスの意向に逆らった越権的な同盟関係によっている。
つまり、それぞれの組織のボスにインフェルノと通じている裏切り者を証拠とともに差し出せば、 トニーは自らの手を汚さずに復讐を遂げられるのだ。
石頭トニーらしからぬ搦め手…
事態を重く見たインフェルノは幹部会を招集する。
その席上でサイス・マスターは、トニーの奇策を逆に利用した、一夜にして西海岸の勢力図を塗り替える常軌を逸したプランを提案する。
あまりにも大胆で無謀…色めき立つ幹部達。
だがサイスはファントムなら可能と事も無げに言ってのけるのだった…。
ターゲットは一晩で12人…
今夜、アインとツヴァイが暗黒街に大火を放つ…。
ストーリー&感想
第6話はゲーム原作者の虚淵玄さんシナリオによるアニメオリジナル回です。登場キャラの心理描写に重きを置いたAパートと、スピーディーな戦闘シーンが興奮を呼ぶBパートの対比が実に印象的でした。クロウディアとサイスの対立も表面化しつつあり、梧桐組の若頭・梧桐大輔も登場。原作ゲームでいうところの第1章がいよいよ終盤に向けて動き出したって感じですね。
Aパート

刹那の後に
インフェルノの任務でトニーの妻と子を暗殺したツヴァイ。彼にとって人をあやめる行為は、もはや食事と同じ。生きていくため、淡々とこなす日常的な行為でしかないようだ。・・・しかし、前回のクロウディアの言葉が彼に疑念という名の波紋を投げかけていた模様。
一方、愛する妻と子を一度に失ったストーンファミリーのトニー。墓地での埋葬を済ませて事務所に戻る途中、顔なじみの警官・ガントに出会う。今回の一件がマフィア同士の抗争に発展することを予測し、警告をしにきたようだ。全てお見通しといった態度のガントにトニーは顔をしかめるが、ガントは言うことだけ言うと、さっさとその場を離れるのであった。
冒頭のシーンでアインが路上で花束を見つけていたけど、いきなり原作の第2章が始まったのかと思った。よく考えたら話はそこまで進んでいないので、路上の花束=キャルという条件反射を起こしてしまったようだw
で、アインがその花束の中から黄色の花を持ち帰り、棚に飾っていたけど、この何気ない花一輪が演出アイテムとして効果的に使われていたと思う。

インフェルノへの報復
事務所に戻ったトニーは、若頭のアントンにインフェルノへの報復を宣言。「仇討ちではなく、俺たちの街を守るため」というのが、いかにも石頭のトニーらしい。そして、自らは一切手を下さず、インフェルノを内部から切り崩すという善後策を講ずることに。具体的には、インフェルノの構成員は各自が所属する組織の裏切り者の集まりであることを利用し、その証拠を掴んで暴露するというものだ。
トニーが持っていた調査報告書に、インフェルノ構成員が顔写真入りでリストアップされていたけど、このうちの何人かは次のシーンにちゃんと出ている。

インフェルノ幹部会
インフェルノの幹部会に出席するため、本部にやって来たクロウディア。そんな彼女の前に、この場に居ていいはずのないサイスが姿を現す。マグワイアがサイスの才覚を高く買っていて、以後の幹部会ではレギュラーとしての出席が認められたらしい。ボスの命令ということで異論を挟む余地は無く、クロウディアはそれに従うが、内心は穏やかではなさそうだ。
幹部会の議題はトニー・ストーンの新たな動きの件。トニーが密偵を動員して、インフェルノ構成員の周囲を嗅ぎ回っているらしい。トニーの予期せぬ動きを知り、幹部たちは感心したり、早急に打って出るべきか戸惑うことしきりの様子。そんな中、サイスはこれを千載一遇のチャンスだと言い放ち、自ら立案した作戦を披露し始める。ファントムを使ったその作戦の内容を聞き、幹部の一人、リチャード・ハリントンは絶句。一方、ワイズメルは意外と冷静に受けとめ「やってやれないことはない」と断言。最終的な判断を仰がれたマグワイアは、しばし考えた後、サイスの作戦を許可を与えるであった。
このシーンを見て気付いたんだけど、ワイズメルのキャラが原作ゲームとは少し違うような気がする。ゲームのワイズメルは人心掌握術にこそ長けているが、凶暴性と残虐性が前面に出ていて、ここまで落ち着いて物事を判断できるようなイメージは無い。何か悪いモノでも食べているのか?w

最高の素材~アイン~
インフェルノの幹部会入りを果たし、新たな作戦の全権を委ねられたサイス。その喜びを実感するためか、アインを全裸にしてマネキンと絡ませ、それを撮影するという変態的な行為に没頭中。
サイス「新たな秩序、新たな均衡。全て私が組み立てる。この演目の前では、神も天井桟敷の観客だ。主役はおまえだアイン。私の可愛いプリマドンナ・・・」
サイスの変態っぷりは回を追う毎にエスカレート。今回はアインという名の実物大フィギュアの撮影会?この後、撮影した写真を見てハァハァ(;´Д`) していそうな気がするw

新たなミッション
ロサンゼルス内にある隠れ家に戻る車の中。ツヴァイはアインから新たなミッションの内容を聞かされる。一晩で12人のターゲットを暗殺するという連続ミッションで、ツヴァイは少し驚くが、慎重なタイミングと完璧な連携をとれば難しくないと言い切るアイン先生。
隠れ家に戻ったツヴァイは作戦指示書に目を通し、そこに書かれているターゲットがインフェルノ構成員にとって競争相手の幹部であることを知る。そして、この作戦が完了すれば、西海岸全域のパワーバランスが大きく変わることは確実だ。クロウディアから自らの意志で考えるよう諭されているツヴァイは、この作戦が性急すぎるとの疑念を抱く。
それをアインに伝えたところ、彼女は「それはあなたが気にすることではない」と言う。「任務の意義を考えるのは当然」とツヴァイは反論するが、アインは「誰かにそう言われたの?」と上から目線でバッサリ。更に自分たちが、道具や装置に徹することの重要性を説き始める。以前のツヴァイであれば、アインのその言葉に自分を納得させたかもしれないが、今の彼にはアインの言うことを簡単に受け入れることはできない。「考えることが僕等の害になるのか?」と再び反論。それを聞いたアインからは「壊れるわよ」という言葉が返ってくるだけであった。
クロウディアの言葉が、ここまでツヴァイに影響を与えていたとは正直予想外。前回のラストの後に、クロウディアとツヴァイの間に何かあったとしか思えない。原作ゲームどおり、ツヴァイはクロウディアのボディーガード兼愛人への道を進んでいるのだろうか?!
それはさておき全裸のアインたんエロス(*゚∀゚)=3
ツヴァイは見慣れてしまって何とも思わないのか、クロウディアみたいな大人の女性の方がいいのか・・・w
Bパート

ミッション準備~サイスとリズィ~
サイスの作戦プランに従い、渋々ながらも準備作業を進めるリズィ。二人ともクロウディア配下の部下であるが、クロウディアとの付き合いが古く、インフェルノ参加前から行動を共にしてきたリズィは、新参者で権謀術数に長けたサイスをこころよく思っていない。しかも、今回はクロウディアが他の案件で立ち会えないため、サイスが我が物顔で現場を取り仕切り、リズィは更にいらいらを募らせている。
ミッション準備~アインとツブァイ~
今回の最初のミッションはパーティー会場。アインは清楚で可憐なドレスを、ツヴァイはタキシードを着用。各自の役割とお互いの連携について事前に十分話し合われているのか、出発前の二人の間に特に会話らしい会話は無い。
パーティー会場
華やかなパーティ会場にはインフェルノ幹部のリチャード・ハリントン、その隣には彼が所属する組織のボスらしき者の姿があった。そして、会場内のやや離れた場所には、リチャードを監視するストーンファミリーの構成員が一人。しばらくの間リチャードに特に怪しい動きは無かったが、部下からの連絡を受けた直後、会場の外に向かい歩き始めた。ストーンファミリーの構成員は、何かあると直感してリチャードの後を追うが・・・。

ミッション・スタート
リチャードの後を追い、駐車場に足を踏み入れたストーンファミリー構成員。しかし、リチャードの姿はどこにも無い。構成員は用心のために懐から拳銃を取り出そうとするが、背後から銃撃を受けて死亡。撃ったのはパーティドレスを着たアイン。拳銃はもちろんサイレンサー付きだ。アインはそのまま何食わぬ顔でパーティ会場に向かい、リチャードとすれ違いざま、彼に拳銃を手渡し、ミッション・フェイズ1はコンプリート。
アインからの連絡を受けたツヴァイはマスケラを被り、パーティ会場に乱入。ターゲットとなるリチャードのボスを銃撃して射殺。会場内は大騒ぎとなるが、ツヴァイは裏側の通路を抜けて駐車場方面に逃走する。リチャードは大芝居を打ち、組織の部下に対して見当違いの方向への追跡を指示。自分は一人、駐車場へ向かい偽装工作に着手。アインに射殺されたストーンファミリーの構成員を犯人に仕立てることに成功する。

ミッション進行中
インフェルノ幹部の一人、カルロ・メンドーサはレストランで会食中。駐車場には、カルロを監視中のストーンファミリー構成員の姿あり。構成員はカルロの状況に異変がないことをストーンファミリーに定時連絡するが、その直後ツヴァイにより絞殺される。ツヴァイは、その構成員の車を奪い次なるターゲットのもとへ向かう。
一方その頃、リズィをリーダーとするチームは高速道路に展開中。新たなターゲットの乗る車を前後から挟み込み、これを強制停車させていた。その車に対して、バイクに乗ったアインがアサルトライフルを掃射。ターゲットの車は蜂の巣にされ、ターゲットは射殺。更に、この罪をストーンファミリーになすりつけるため、絶妙のタイミングでやって来たツヴァイが盗んだ車でターゲットの車に体当たり。ターゲットの車からはガソリンが漏れ出す。そして、それを見計らっていたように着火したライターを放り投げるツヴァイ。ライターの火は漏れたガソリンに引火し、車は大爆発するのであった。

インフェルノ~地獄の業火~
アイン、ツヴァイ、リズィチームの連携プレイで、ミッションの各フェーズは次々とコンプリート。そして、その様をTV画面越しに見る、クロウディアと梧桐組若頭・梧桐大輔。
リズィと梧桐大輔が面会するシーンは原作ゲームの第1章にもあるが、アニメでは前倒しで行われているようだ。ゲームで二人が会うのは、ツヴァイがクロウディアのフェラーリを借りて運転の練習をする時(アニメでいうと次回・第7話に相当)。しかも、この面会シーンを見るためには、クロウディア絡みの選択肢を連続で二つ選ぶ必要がある。(クロウディアのフェラーリに乗ってみる→まだ粘る)

ストーンファミリー崩壊
インフェルノによるまさかのカウンター攻撃に愕然とするトニー。そんな彼を待っていたのは、腹心の部下・アントンの裏切りだった。警官のガントもそれに一枚噛んでいた模様。トニーはアントンにより射殺され街を離れ、ガントは15年振りの昇進得ることに。
おいおい、アントンの「インフェルノからは十分な手当を貰っている。カリブの海辺でコテージでも買うさ」ってセリフ、どう聞いても死亡フラグじゃんw
西海岸~インフェルノの時代へ~
サイス立案のミッションは成功し、西海岸を牛耳ってきた6人の老マフィアは悲運の最期を遂げた。また、トニー・ストーンは全ての事件の黒幕とみなされて、死してなお法の下の裁きを受け、頭目を失った各組織はインフェルノ構成員により新たな時代へ導かれていくこととなった。
隠れ家~ツヴァイとアイン~
隠れ家で事件のTVニュースを見ているツヴァイ。ベッドにアインが横たわっている。
ツヴァイ「みんな、このニュースを真に受けて納得するんだろうか?」
アイン「真実なんて誰も気にしないし、興味ももたないわ・・・」
二人の会話には、今回のミッションに対して温度差があるようだ。そして、それを物語るかのごとく、アインが棚に飾った花は枯れていた。
次回予告

予告映像を見る限り、第7話は原作ゲーム・第1章中盤にあるツヴァイの過去話、クロウディアのフェラーリを運転する話、アインが見た夢の話と思われます。
銃器チェック
今回もアニメに登場した銃器を適当に鑑定しておきます。何かお気付きの点がありましたらコメントください。
ツヴァイのオート①

ツヴァイがテーブルに置いた自動拳銃
冒頭シーンでツヴァイがメンテしていたオートは、毎度お馴染みのコルト ガバメント。
ツヴァイのオート②

ツヴァイがバッグに詰め込んだ自動拳銃
同じくバッグに詰め込んだオートは、コルト ガバメントデトニクス .45 コンバットマスター。ガバメント・クローンの先駆けで、コンパクト・ガバの元祖でもあります。画像の上部にあるのは外観からすると、ガバメントデトニクスのスペアマガジンでしょう。
アインのオート

アインの自動拳銃(左:サイレンサー付き、右:手引きしたリチャードへ手渡す)
全体のシルエット、セイフティやハンマーの形状、フィンガーレスト付きマガジン等からワルサーPPK。
ツヴァイのオート③

ツヴァイの自動拳銃(左:パーティ会場、右:駐車場)
パーティ会場に乱入した際のオートは、さきほどバッグに詰め込んでいたコルト ガバメントデトニクス .45 コンバットマスター。短縮型のコルト・ガバメント・クローンです。特徴はリアサイトが前寄りになっている点。
リチャードの手下のオート

リチャードの手下の自動拳銃
直線的なデザインかつハンマー無しなのでグロックのどれか。
アインのアサルトライフル

アインのアサルトライフル
ハンドガードのサイズが短めで、アインがフルオートで撃っている(3発バーストでは無い)ことからコルトM4A1としておきます。ハンドガードはR.I.SやR.A.Sではなく標準ハンドガードと思われ。
アインの対人ライフル

アインの対人ライフル
第5話にも登場したレミントンM700(M24)。ナイトスコープは独特の形状からしてAN/PVS-2ナイトビジョンか?シルエットが実物より細く描かれていますが・・・。
ツヴァイのリボルバー

ツヴァイのリボルバー
第3話にも登場したS&W M36のニッケルフィニッシュモデル。
アインのリボルバー

アインのリボルバー(左:射撃前、右:射撃後)
正面からの画像しかないので鑑定は難しいけど、マガジンの装弾数が6発であること、ベンチレイテッドリブの上にフロントサイトがあること、更にバレルの下にエジェクターロッドシュラウドがあることからコルトパイソンと思われ。もともとアインのデフォルト銃だし。
アントンのオート

アントンの自動拳銃(左:トニーを撃った直後、右:ガントに手渡す)
アントンがトニーを射殺したオートは第5話にも登場したS&W M59のウッドグリップモデル。
ツヴァイのオート④

ツヴァイがメンテしている銃
アジトに戻ったツヴァイがメンテ中のオートは、またまた登場のコルト ガバメント。たまには他の銃のメンテも見てみたい。
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■ 月刊コミックアライブ オフィシャルサイト (メディアファクトリー公式)
■ ファントムシリーズ (ニトロプラス公式)
■ Phantom -PHANTOM OF INFERNO- (DVD VIDEO GAME公式/デジターボ)
■ ファントム-PHANTOM OF INFERNO- (PS2版公式/プリンセスソフト)
■ Phantom -PHANTOM OF INFERNO- (Wikipedia)
■ ファントム -PHANTOM OF INFERNO- シリーズ 銃火器データベース (MEDIAGUN DATABASE)
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