[マンガ感想] ファントム~Requiem for the phantom~ 第1章
月刊コミックアライブ2009年3月号から連載がスタートした「ファントム~Requiem for the phantom~」の第1章『日常(いつわり)』の感想です。
月刊コミックアライブ2009年3月号
マンガや原作ゲームの内容に触れていますので、ご注意ください。
第1章『日常(いつわり)』

カラー見開きページ
連載・第1回目は全44ページ(うちカラー4ページ)というボリューム感のあるページ数ですが、なぜか原作ゲームの第3章からスタートしております。これはもしかして、コミックアライブの読者層を意識してのことでしょうか?
原作ゲーム未プレイの方のために簡単に説明しておきますと、「ファントム」は全3章から成るハードボイルド系のAVGです。オリジナルはPC版18禁ソフトで、その後DVD-Videoゲーム、PS2と様々な規格で商品化されてきました。小説やOAVも発売され、今年の4月からはTVアニメの放送が始まります。(参考:ニトロプラスの「ファントム」がTVアニメ化決定)
肝心のストーリー(あらすじ)は下記のとおり。全3章のうち、第1章と第2章はアメリカの暗黒街を舞台にしていて、第3章から舞台が日本に移ります。
一人旅でアメリカを訪れた主人公の少年は、ある偶然で謎の組織・インフェルノが仕組んだ殺人現場を目撃してしまう。現場から逃走を図った主人公だが、彼は組織に捕縛される。そして、記憶を消された彼は、最強の暗殺者「ファントム」と呼ばれる少女のもとで、組織最高の暗殺者へと成長してくのであった。
アメリカ・ロスを中心に繰り広げられる、陰謀と戦いの日々。記憶を奪われ、常に死と隣り合わせの世界で果てしなく続く組織の任務。しかし、そんな中、主人公はあるきっかけが元で、本来の記憶を取り戻してしまう。その瞬間から、本当の地獄は始まった――。
人としての良心と、殺し屋という現在の立場に板ばさみとなり、煩悶する主人公。そして、相棒であり師でもあるアインとの心の交流の中、目覚めていくほのかな想い。だが、彼には分かっていた。その思いを遂げるためには、過去と決別し、血塗られた道を歩まねばならぬことを・・・・・・。
一つの愛を貫くために、犠牲となっていくいくつもの愛。『Phantom』とは、そんな想いの形を描いた、純愛ハードボイルドの世界なのだ。 (以上「カラフルピュアガール」2001年9月号/ニトロプラス特集から引用)
原作はゲームなので、第3章はある条件を満たした場合にのみ入れますが、欲望と暴力の渦巻くマフィアの世界から一転して、いきなり学園物になっちゃうわけですよ。主人公(ツヴァイ)とアインがアメリカの組織から逃亡し、その潜伏先として選んだのが日本の高校という設定なんですけどね。・・・なんてことを書くと、世界観が180度変わるような印象を受けるかもしれませんが、第3章もかなりハードな内容です。最初の方こそ学園ラブコメ的な雰囲気が漂いますが、中盤から後半に掛けては新旧ファントムの戦いを軸に、スピード感と緊迫感に溢れたスリリングかつエンタテインメントな展開が描かれていきます。
さてさて、自分は「ファントム」好きなもので前置きが長くなりましたが、ここでマンガ版「ファントム」の方に話を戻しましょう。マンガでは、1ページ目でゲーム第1章の主人公とファントム(アイン)の出会いを、4~7ページ目で第2章のオペラ座襲撃シーンが描かれています。そして、8ページ目以降が第3章の日本編です。
コミックアライブの読者層には第1章~第2章のハードボイルドな世界は受けないと判断したのか、あるいは連載期間の都合か、そのあたりの事情はよく分かりませんが、いきなり学園が舞台の第3章からスタートした点はちょっと意外でした。ゲームの第1章と第2章では、主人公とアインの心の絆の深まりが丁寧に描かれているので、その辺りのことは今後、回想シーン等で補完されていくことを期待したいですね。

ツヴァイ、アイン(P.130)、サイス=マスター(P.146)

藤枝美緒(P.127)、窪田早苗(P.122)
作画に関して見ると、柊柾葵先生の描くキャラはかなりシャープな印象で、柔らかいイメージのゲーム版やアニメ版キャラと比べると実に対照的。だがそれがいい!クールなアインやツヴァイ、変態性が滲み出ているサイス=マスターが最高です。同級生の美緒と早苗も、なかなか可愛いく描かれています♥

金髪ポニテ娘(P.153)
そして、最後の2ページには、ツヴァイへの復讐に燃える、ライダースーツを身にまとった金髪ポニテ娘も登場。彼女が手に握っているのは、「Jesus is Calling」(賛美歌517番)を奏でる懐中時計(※参考のための動画を貼っておきます)。これはゲーム第2章のキーアイテムなので、やっぱり回想シーンが必要ですねw
※参考動画 『Jesus Is Calling』 (エレンの歌声あり)
なお、コミックアライブの巻頭カラーページにはアニメに関する情報が1ページだけあります。特に目新しい情報はありませんが、アニメのキービジュアル、キャラの頭身比較図、関連イベント等のレポートが載ってます。
次号発売日
次号、コミックアライブ2009年4月号は2月27日(金)発売!
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関連サイト
■ 月刊コミックアライブ オフィシャルサイト (メディアファクトリー公式)■ ニトロプラス10周年記念 ファントムプロジェクト「ファントム」 (TVアニメ公式)
■ ファントムシリーズ (ニトロプラス公式)
■ Phantom -PHANTOM OF INFERNO- (DVD VIDEO GAME公式/デジターボ)
■ ファントム-PHANTOM OF INFERNO- (PS2版公式/プリンセスソフト)
■ Phantom -PHANTOM OF INFERNO- (Wikipedia)
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