【Aチャンネル】劇中歌の歌詞字幕フォントがTV放送とBDで違う件
今更ですが、アニメ『Aチャンネル』のフォントの話です。『Aチャンネル』では毎回アニメ本編の中で劇中歌が流れ、歌詞が字幕で表示されるのですが、TV放送とBDでは歌詞字幕(テロップ)に使われているフォントが異なっているのです。この件に関しては ずっと頭の片隅に残っていてスッキリしなかったので、フォントの種類を調べ、若干の考察を加えてみました。
歌詞字幕フォントの違い
一例としてアニメ第1話『好き An april day』の字幕を取り上げます。記事中のキャプチャ画像は 第1話の劇中歌『はるかぜの化学』の冒頭部です。なお、フォントの種類は第2話~第12話(最終回)も同様です。
TV放送版(TBS)の字幕
TBSでTV放送された時の字幕フォントは ライラ DB(フォントワークス)です。メーカーの説明によると ライラ DB は「竪琴(ハープ)を連想させるデザイン」で「文字を組んだ際、まるで琴を奏でたような優しく不思議な雰囲気を表現」とのこと。Aチャンネルの劇中歌で使われたのは、音楽と親和性が高いフォントとして認識されたからか?
アニメの公式本『Aチャンネル TVアニメ公式ガイドブック -colorful days collection-』の中に小野学監督のインタビュー記事があり。劇中歌のテロップに言及している箇所がありました。
――実際に劇中歌の入ったフィルムを見た印象はいかがでしたか?
僕は最初からこういうフィルムにするんだというイメージがあったので、自分で特に意外だったこともなく、満足しています。ただ意外だったのは、アニプレックスのプロデューサーの岩上さんが突然、「劇中歌のかかっているシーンでテロップを入れたらどうだろう」という話をしてきたことですね。最初その話を聞いたときに「この人何言ってるんだろう?」と思ったんです。(中略)そしたらこれが意外にハマる感じがして、確かに曲だけでも僕の想定でOKだったんですけど、テロップがあると今まで見たことのない雰囲気のフィルムになったなと。(後略)(『Aチャンネル TVアニメ公式ガイドブック -colorful days collection-』P.087から引用)
監督はフォントには触れていないけど、「今まで見たことのない雰囲気」という印象を受けたのは、ライラ DB の影響もありそう。
BD版の字幕
BD版では FCイーマ 407(富士通ミドルウェア)に変更されました。『Fontcity 4』というフォント・パッケージ製品の中に含まれていた書体です。『Fontcity 4』は2014年3月末に販売を終了していて現在は購入できません。2015年4月末でサポートも終了しています。
BD版でフォントを変えた理由は、公式アナウンスされていません。BD(第1巻~第6巻)に同梱されているブックレットには書いてありません。前出の『Aチャンネル TVアニメ公式ガイドブック -colorful days collection-』にも載っていません。商用利用に関するライセンスの絡みかと思い調べてみましたが、どうやらそれが理由ではなさそう。フォントワークスも富士通ミドルウェアも二次利用料金を請求しない寛大なメーカーでした。
- フォントワークス『放送業界向けLETS』(フォント利用の年間契約)
- 事前に使用許諾契約を取り交わす必要があるが、映像での使用、フォントを使用した映像作品の再販(再放送やDVD化などの二次使用)にも追加料金不要。入会金と年会費のみで自由にフォントを使える。
- 富士通ミドルウェア『Fontcity 4』(フォント・パッケージ)
- パッケージさえ購入すれば、TV放送やDVD化などの商用利用に関する承諾は不要。追加料金も無し。パッケージ購入料金だけでフォントを自由に使える。
ライセンスが関係ないとすると、他に考えられる変更理由はフォントのデザインぐらいかな。あくまでも個人的な印象ですが、ライラDB は雰囲気のある良い書体だけど、歌詞テキストの視認性・可読性という点では FCイーマ 407 の方が上のような気がします。 ただ、数あるフォントの中から FCイーマ 407 を選んだ理由は全くもって分かりません。完全にお手上げです。
TV放送版(TOKYO MX)の字幕
『Aチャンネル』は2012年にTOKYO MXでも放送されました。歌詞のフォントはTBS放送時と同じ ライラ DB(フォントワークス)です。
話が横道にそれますが、TOKYO MXで放送された『Aチャンネル』は特殊なバージョンです。歌詞字幕はTBSと同じTV放送版、作画修正に関してはBD版のものが使われているのです(下表参照)。
バージョン | TV放送期間 または BD発売開始日 | 劇中歌のフォント | 作画修正 |
TV放送版(TBS) | 2011年04月09日(第1話放送)~06月25日(第12話放送) | ライラ DB | 無し |
BD版 | 2011年05月25日(第1巻発売)~10月26日(第6巻発売) | FCイーマ 407 | あり |
TV放送版(MX) | 2012年01月14日(第1話放送)~03月31日(第12話放送) | ライラ DB | あり |
BD版の作画修正は第5話、第11話などにあります。MXで放送したのはBD全6巻が発売された後なので、歌詞字幕フォントはそのままで作画修正だけ加えたものを わざわざ作ったということになりますね。 なぜそんな面倒なことをしたのか? やっぱり、BD版をそのまま放送したくなかったのかな?
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関連サイト
■ まんがタイムきららWeb (芳文社)■ Aチャンネル 公式サイト (アニプレックス)
■ Aチャンネル TV番組公式サイト (毎日放送)
■ Aチャンネル (Wikipedia)
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